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長時間労働は心臓病の危険性を高める 健康管理が有用
2011.04.11
 長時間労働は心疾患の危険性を高めることが、英国人を対象とした大規模な臨床調査であきからになった。長時間労働は、喫煙や糖尿病、高血圧、悪玉コレステロールと並ぶ、心疾患の危険因子だという。

 研究者らは、一般医が患者の心疾患発症の危険性を判定するとき、毎日の時間労働についても知っておくべきだとして、「長時間労働をする人では、禁煙、健康的な食生活と十分な運動、血圧とコレステロール、血糖コントロールなど、生活習慣の改善が特に重要となる」とアドバイスしている
長時間労働で心臓病の危険性が上昇 1日11時間で1.67倍
 この研究は、ロンドン大学のMika Kivimaki教授(疫学・公衆衛生学)らによって行われたもので、英国で働く公務員1万人以上が参加し1985年に開始された前向きコホート研究「ホワイトホール(Whitehall)II」のデータをもとにしている。対象となった男女7095人の年齢は39〜62歳で、研究開始時に心疾患や狭心症と診断されていなかった。

 研究では12年のフォローアップ期間中に、5年ごとにスクリーニング検査を実施した。年齢、血圧、コレステロール値、喫煙習慣、糖尿病の既往歴などの心疾患の危険因子のほか、平日の平均の労働時間についても調査した。

 心疾患の罹患や医療機関での検査結果をフラミンガム・リスクモデルで評価した結果、労働時間を評価に加えると心疾患の発症予測の正確さが5%増すことがあきらかになった。さらに、1日に働く時間が7〜8時間の人に比べ心疾患の発症は、10時間の人では45%、11時間以上の人では67%それぞれ上昇することが分かった。

 「労働時間が長時間になると、心疾患の危険性が著しく上昇する傾向があることが示された。一般医の問診で、労働時間の把握は簡便にできる。日常の診療に含めるべきであることが強く示唆された。心疾患の薬物療法を行っている患者に対しても有用だ。他の危険因子があり、働きすぎている患者に、生活習慣改善への自覚を促すことにもつながる」とKivimaki教授は述べている。

 この研究は、BUPA財団、英国心臓財団、国立心臓・肺・血液研究所(NHLBI)などの資金提供を受け実施され、医学誌「Annals of Internal Medicine」に4月4日付けで発表された。

Working long hours 'raises heart attack risk'(ロンドン大学、2011年4月5日)
Using Additional Information on Working Hours to Predict Coronary Heart Disease
Annals of Internal Medicine, April 4, 2011 vol. 154 no. 7, 457-463

(TERA)
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