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野菜、果物の抗酸化物質が女性の脳卒中リスクを低下
2011.12.09
 スウェーデンの女性を対象とした研究で、心疾患の既往歴のない女性が、野菜や果物、全粒粉など抗酸化物質が豊富に含まれる食品を多く摂取すると、脳卒中の発症が低下することが分かった。抗酸化物質の摂取量の多い女性は、多くを果物と野菜からとっていることもあきらかになった。この研究は米国心臓学会が発行する医学誌「Stroke」に発表された。
野菜と果物は抗酸化物質が豊富
 体内にある酸素の一部は不安定で、多くの物質と反応しやすい活性酸素に変化する。活性酸素は微量であれば人体に有用な働きをするが、大量につくられると、過酸化脂質をつくりだし、細胞を傷つけたり、老化、動脈硬化、免疫低下、がんなどの多くの疾患を引き起こす原因となる。

 この活性酸素の発生やその働きを抑制したり、活性酸素そのものを取り除く物質が抗酸化物質。ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類のほか、ポリフェノール、カロテノイドなどが抗酸化物質とみられている。

 「野菜や果物には抗酸化物質が豊富に含まれている。こうした食品を多くとる食生活を続けると、酸化ストレスや炎症が抑えられるようになる。結果として心疾患や脳卒中の危険性を低下できる。活性酸素を取り除き、酸化の働きを抑えるためにも、なるべく野菜や果物を食べた方が良い」とスウェーデンのカロリンスカ研究所Susanne Rautiainen博士は言う。

 ビタミンCやEのような抗酸化物質や、野菜や果物に含まれる色素成分であるフラボノイドは、血管内皮の機能を改善したり、高血圧や炎症、血管が詰まりやすくなるのを防ぐ作用がある。

 「私たちは毎日の食事で、さまざまな栄養素をとっている。研究では食事でとる抗酸化物質の量を定量化することを試みた」とRautiainen氏は説明する。

心疾患の既往歴のない女性で脳卒中リスクが低下
 研究チームは、ベースライン時で49〜83歳の心疾患の既往歴のないスウェーデンの女性3万1035人(平均11.5年)と、心疾患の既往歴のある女性5680人(平均9.6年)を対象に調査を実施した。参加者を対象に食品度数に関するアンケート調査を行い、抗酸化物質の全量を判定するために標準化したデータベースを使用し解析した。体内で合成される抗酸化物質についても考慮した。

 研究に参加した女性を心疾患の既往歴により5グループに分類し、抗酸化物質のレベルによって比較した。その結果、もっとも多く抗酸化物質をとっている女性は、抗酸化物質のおよそ半分を野菜や果物でとり、残りは全粒粉(18%)やお茶(16%)、チョコレート(5%)からとっていることが判明した。

 期間中、心臓病歴がない女性では1,322人が脳卒中を発症し、心臓病歴がある女性では1,007人が脳卒中を発症した。

 心疾患の既往歴のない女性では、食事でとる抗酸化物質の量が多いほど脳卒中の発症率が低下し、もっとも多くとっているグループでは、もっとも少ないグループに比べ、脳卒中リスクが17%低いことが分かった。心疾患の既往歴のある女性では、抗酸化物質の量が多いと、出血性脳卒中のリスクが46%〜57%低下していた。

 「抗酸化物質の摂取が多い女性は、脳卒中の発症を抑えられるという結果になった。野菜や果物をよく食べ、抗酸化物質の摂取量が多い女性は、健康管理に対する意識が高く、生活習慣が健康的である傾向があり、研究結果に影響した可能性があるとも考えられる。しかし、Rautiainen氏は「喫煙、運動習慣、教育レベルといった因子を調整した後で解析しても、抗酸化物質の摂取量と脳卒中の発症は逆相関することが示された」と述べている。

 「男性やスウェーデン人以外でも、抗酸化物質と脳卒中リスクの関連があてはまるかは不明だが、おそらく同じような結果になるだろう」と研究者らは述べている。

Vegetables, fruits, grains reduce stroke risk in women(米国心臓学会 2011年12月1日)

(TERA)
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