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チョコレートが脳卒中リスクを減らす フラボノイドが血管を保護
2012.09.19
 チョコレートを適度に多く食べると脳卒中の発症が減ることが、スウェーデンの研究であきらかになった。約3万7,000人を対象とした調査は、チョコレートを多く食べる人たちで脳卒中リスクは17〜19%低下するという結果になった。チョコレートに含まれるフラボノイドには、心臓や血管の病気に対して予防的に働く作用があるという。
チョコレートを食べると脳卒中リスクが最大で17%減少
 チョコレートに含まれるフラボノイドには、抗酸化作用や、血栓や炎症を予防する作用などがあり、動脈硬化や心臓・血管の病気に対して予防的に働くとみられている。悪玉のLDLコレステロールの血中濃度を低下させる作用があり、血圧を下げるという報告もある。

 フラボノイドは、チョコレート以外には、セロリやピーマン、玉ねぎなどの野菜や果物、赤ワイン、緑茶などに含まれる。よく知られているのは、赤ワインに含まれるアントシアニン。脂肪摂取量が多いフランス人に動脈硬化が少ないのは、赤ワインのアントシアニンによるものと考えられており、「フレンチ・パラドックス」とよばれている。

 また喫煙率が高いにもかかわらず、日本人に虚血性心疾患が少ないのは、緑茶に含まれるカテキンによるものではないかと考えられており「ジャパニーズ・パラドックス」と表現されることがある。

 チョコレートが心臓病の予防になるという報告は過去にも発表されており、今回発表された研究は、チョコレートが脳卒中の予防になるというもので、世界ではじめての発見だという。

 研究チームは、1997年に45〜79歳のスウェーデン人男性を登録して開始した研究のデータを使用し、がんや心臓病、糖尿病にかかったことがある人などを除いた3万7,103人を対象に解析した。

チョコレートの量が増えるごとにリスクが14%減少
 平均10.2年間の追跡期間中に、1,995人が脳卒中を発症。チョコレートを食べる量により4つのグループに分けて脳卒中発症リスクを比較した。もっとも多くチョコレートを摂取した男性は、週にチョコレートチップスをカップの3分の1(63g)を食べていた。

 その結果、チョコレートを食べる量がもっとも多いグループでは、脳卒中リスクはもっとも少ないグループと比べ17%減少した。また、高血圧の有無で検討したところ、高血圧をもつグループでリスクの変動がみられなかった一方、高血圧をもたないグループで24%のリスク低下が認められたという。

 さらに研究者は、今回の研究結果に加えて4,260人の脳卒中患者を含むより大規模なデータ解析も行った。チョコレートを食べる量がもっとも多いグループでは、もっとも低いグループに比べて脳卒中リスクが19%低下していた。チョコレートを食べる量が週50g増えるごとに14%のリスク低下が認められた。

 「脳卒中の低下に、チョコレートに含まれるフラボノイドが関係しているとみられる。フラボノイドには抗酸化効果があるだけでなく、血栓や炎症を予防するので、脳卒中に対しても有益なのだろう。またフラボノイドは悪玉コレステロールの血中濃度を低下させ、血圧を下げる効果もあるようだ」と主任研究者は語っている。

 「ただし、脳卒中を予防するためには、習慣的な運動や健康的な食事、高血圧症の適切な治療が必要で、これらはチョコレートの予防的な効果を上回っていることに注意が必要だ。チョコを食べる習慣のない人が、砂糖を含んだ高カロリーのチョコバーを週に5本食べることは、脳卒中や肥満の予防の点から勧められない」と付け加えている。

Chocolate: A Sweet Method for Stroke Prevention in Men?(米国神経学会 2012年8月29日)

(TERA)
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