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がんを予防するために野菜のフィトケミカルが必要
2013.01.09
 DNAの分子構造を発見した業績でノーベル生理学・医学賞を受賞した米国のジェームズ ワトソン博士は、野菜や果物に含まれるフィトケミカルに注目している。フィトケミカルがフリーラジカルを抑え、がんの予防と治療の鍵になる可能性があるという論文を英国学士院雑誌に発表した。

 「フィトケミカル」とは野菜や果物に含まれる化学成分を指す。野菜には過酷な自然環境の中で成長するめために、有害物質や外敵から自分の身を守る機能が備わっている。その機能性成分がフィトケミカルと呼ばれるものだ。フィトケミカルは、がんを予防する食生活を考えるうえで、重要な役割をになう栄養素として注目を集めている。

 酸素は生命維持になくてはならない大切な要素だが、体に入った酸素の一部は活性酸素(フリーラジカル)という物質に変化する。がん発症の初期段階では、フリーラジカルが細胞内の遺伝子を損傷して、がんの前段階である「がんの芽」の形成に関与する。通常は免疫細胞の働きで「がんの芽」は消失するが、免疫機能が衰えていると、がんに進行しやすくなる。

 がんの進行を抑えるには、がんを撃退する免疫機能の強化するとともに、フリーラジカルの作用を抑えることが求められる。野菜や果物のフィトケミカルのなかには、強力な抗酸化作用をもつものが多い。バランスよく摂取することで、がん予防だけでなく、すでに発生したがんの抑制にも効果があると考えられている。

 フィトケミカルは植物全般に含まれるため種類が多く、栄養効果も多彩なのが特徴だ。有名なフィトケミカルとして、赤ワインに含まれるポリフェノールと呼ばれる色素成分がある。緑茶に含まれるカテキンや、大豆に含まれるイソフラボン、ニンニクに含まれるイオウ化合物もフィトケミカルの一種だ。

 野菜は、緑黄色野菜と淡色野菜の両方にフィトケミカルが含まれる。同じ種類の野菜や果物でも栽培のされ方によって、フィトケミカルの含有量は違ってくるが、さんさんと降りそそぐ陽光を浴びたものほど、フィトケミカルが豊富に含まれている。

 例えば、ブロッコリーなどアブラナ科の野菜には食物繊維が豊富に含まれ、タンパク質の一種であるレクチンが大腸の粘膜に吸着するのを防ぐ。またインドール化合物も豊富で、女性ホルモンであるエストロゲンの代謝に作用して乳がんのリスクを抑える。さらにブロッコリーに含まれるスルフォラファンは、肝臓内で酵素生成を助け、がん予防効果があることが知られる。

 キャベツもアブラナ科に属し、ブロッコリー同様に大腸がん、乳がんの予防効果を期待できる。

 また、トマトに含まれるリコピンには強力な抗酸化作用がある。前立腺、肺、胃、結腸、脾臓、食道、口腔、乳がんなどの抑制効果が期待されている。また、動脈硬化のリスクも低下させることが、最近の研究で示されている。

 ホウレンソウにも抗酸化物質のルテインとゼアキサンチンが豊富に含まれる。ニンジンやカボチャはベータカロチンが豊富で、免疫を活発化し、抗ガン作用も見込める。

Nobel laureate James Watson publishes novel hypothesis on curing late-stage cancers(コールド・スプリング・ハーバー研究所 2013年1月7日)

(TERA)
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