人間ドックで「異常なし」が初めて増加
2008年9月11日 16:19
 人間ドックで2007年に「異常なし」と判定された人は11.8%で、前年をわずかに上回ったことが、日本人間ドック学会(奈良昌治 理事長)などの調査で分かった。

 この調査は、日本人間ドック学会と日本病院会がまとめたもので、「2007年 人間ドックの現況」として発表された。調査は、2日ドック指定病院や1日ドック指定施設、学会認定の機能評価施設など799施設を対象に実施し、回答率は89.6%だった。

 人間ドックでは、肥満、糖尿病(耐糖能異常)、高血圧、高コレステロール、高中性脂肪、肝機能など20項目以上を判定する。調査では1984年から毎年、その前年の受診者の検査結果を調べている。

 人間ドックや健診の受診者は増えており、昨年は全国で合計1070万人が受診した。人間ドックの合計は304万人で、前年より約2万人増加した。

「異常なし」の割合が初めて増加
年代別健常者頻度(2007年)

異常頻度の年代別の比較(2007年)

  日本人間ドック学会、他「2007年 人間ドックの現況」

 昨年、全国で人間ドックを受診した人のうち、「異常なし」(A判定)と「軽度異常だが現在心配はない」(B判定)を合わせた「異常なし」の割合が、24年におよぶ調査で初めて増加に転じた。

 年代別でみると、30歳代以下が24.5%(前年比1.9ポイント増)、40歳代は12.5%(同0.5ポイント増)だった。一方で、50歳代と60歳代以上は同0.1〜0.2ポイント減った。

 「異常なし」の割合は、調査を始めた1984年の29.8%がもっとも高く、2006年には11.4%まで低下していた。最近では2004年と05年が12.3%、06年が11.4%と減少率は低下していたが、上昇に転じることはなかった。

 学会は、「1988年から異常がみられる割合の上位を占めている肝機能異常がどの年代でも減ってきており、全体では前年より0.5%減った」ことを指摘している。

 その理由は不明だが、「メタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)」が流行語になり知識が普及したことや、今年4月の特定健診・保健指導の導入により、生活習慣病の予防や対策の関心が高まったたことなどが影響したとみられる。

検査で異常が出やすくなる原因
 日本人間ドック学会は、生活習慣に関連の深い検査項目で異常が現れ、健康が悪化する要因として、次の4項目を挙げている。

  1. 生活習慣の欧米化
     ファーストフードやコンビニエンスストアの普及により、手づくりの家庭料理を作る頻度が減っている。食事でとる料理が和食中心から洋食に変わり、食事でとる脂肪の割合が25%を超えるようになった。野菜の摂取量も少なくなった。

  2. 専門学会の基準値が厳しくなった
     日本動脈硬化学会、日本高血圧学会、日本糖尿病学会などの関連学会が、検査値のガイドラインを発表し、特定健診の判定値にも使われている。異常や病気を早期に見つけだすために、こうした判定基準がより厳しくなっている。

  3. 反復受診者が増え年齢が高くなってきた
     人間ドックが普及し、繰りかえし受診する人の割合も増えた。その結果、人間ドック受診者の平均年齢は40歳代から50歳代に移り、60歳以上の受診者も増えている。

  4. 社会環境の悪化
     不景気や物価水準の変動など社会の経済的な環境が変化し、心や体のバランスを失いやすくなったり、ストレスが生活習慣を悪化させる原因となっている人が増えている。
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