「あなたの数値、知っていますか?」世界15ヵ国で調査
2008年11月21日 17:41
検査をよく受けていて、血圧値についての意識は高いが、生活習慣改善に取り組む人は少ない傾向がある――日本人の健康への取り組みはまだ不十分という実態が、世界15ヵ国で実施された調査であきらかになった。
血圧の認知度は高いが、血糖、コレステロールは低い
ノバルティス ファーマは、「世界高血圧連盟」とスイスのノバルティス社が共同で実施した心臓の健康に関する実態・意識調査「Do you know your numbers?(あなたの数値、知っていますか?)」の結果を発表した。
調査では、日本を含む世界15カ国の40歳以上の男女7,580名を対象に、心臓疾患の3大リスク要因である高血圧、高血糖、高コレステロールの診断に用いられる3項目(血圧値、血糖値、コレステロール値)に関する測定実態や、自分の数値に対する認識度などを調べた。
それによると、日本で過去1年間に3項目を測定したと答えた人は、血圧値は85%、血糖値は77%、コレステロール値は78%で、15カ国平均を上回っていた。
一方で、自分の数値を知っていると答えた割合は血圧値では97%と高かったが、血糖値は15カ国中11位、コレステロール値は9位と低かった。正常値を知っていると答えた割合も血圧は80%と高いが、血糖値は37%、コレステロール値は36%で、正常値に関する認識は総じて低い。
心臓病の危険因子を聞いた質問では、肥満(85%)、喫煙(81%)、高血圧(79%)、高コレステロール(73%)を挙げた人が多かったが、高血糖(64%)、運動不足(69%)は少ないという結果になった。健康的な食事をいつもとっているという人の割合は20%で15カ国中13位、適度な運動を定期的に行っている割合も32%にとどまった。
今回の調査について荒川規矩男・日本高血圧協会理事長は、「血圧に対する認識が高く血圧が高いと感じていても、生活習慣の改善や適切な治療を行っていない人が多い。血圧値などを知るだけでは余り意味がない。血圧が少しでも高い場合は医師に相談し、正しい指導を受けてほしい」と話している。同協会は、高血圧啓発キャンペーン「ウデをまくろう、ニッポン!」を昨年から開始し啓発活動を展開している。
ノバルティス ファーマ(株)