禁煙外来のある医療機関で「今度こそタバコをやめる」
2009年3月 4日 15:39
 「2007年国民健康・栄養調査」によると日本人の喫煙者は約2500万人。成人男性の喫煙率は1960年代は約80%だったが、次第に減ってきて2005年には40%以下になった。それでも先進国と比較して日本人男性の喫煙率は高い水準にある。
「やめたい、でも、やめられない」は病気
 喫煙は、肺がんをはじめとする多くのがん、心筋梗塞、脳卒中など命に関わる深刻な病気の原因となり、慢性気管支炎や肺気腫、歯周病などを引き起こすことが科学的な調査であきらかになっている。糖尿病患者にとって、たばこの害は特に深刻で、糖尿病網膜症、腎症、神経障害といった合併症の危険を高める原因となる。喫煙はまさに「百害あって一理なし」。

 喫煙による健康被害を軽減するためにもっとも有効な方法は禁煙すること。禁煙は心疾患や糖尿病合併症の予防に確実に効果がある。男性では喫煙により心疾患のリスクは約3倍に高まり、喫煙本数が増えるほどリスクも増加するが、禁煙すれば2年以内にリスクは減少する。また、たばこを1日に20本以上吸う人では、吸わない人に比べ糖尿病の発症が1.7から2.1倍高くなるという報告もある。

 「たばこは趣味や嗜好なのだから吸う人の自由だ」と考える人もいるが、喫煙者の多くは禁煙を望んでいる。厚労省の調査によると、現在習慣的に喫煙している男性の4人に1人、女性の3人に1人は「たばこをやめたい」と考え、「本数を減らしたい」を含むと6割を超える人が現状の喫煙習慣を続けたくないと考えている。

 喫煙を「やめたいが、やめられない」という状態は、「ニコチン依存症」という立派な病気。喫煙者の約7割はニコチン依存症と推定される。ニコチン依存症は、ニコチンに対する心理的・身体的な依存にもとづく慢性で再発性のある病気で、当人の意志のみで禁煙することが困難な場合が多い。

 このことをふまえ、ニコチン依存症に対する治療への保険適用が2006年4月から開始され、一定の基準を満たす患者については、医療機関で医師による治療を受けられるようになった。禁煙外来では、ニコチンパッチなどの禁煙補助剤を使い、離脱症状を和らげながら治療が行われる。ニコチン依存症は身体的な依存に加え精神的な依存も強いので、医療スタッフによる離脱症状の確認や対処法などのカウンセリングも行われる。

 禁煙化は世界的な動向で、世界保健機関(WHO)はたばこ規制の推進を保健政策の重要な課題として、日本を含める加盟国により「たばこ規制枠組条約」を採択し2005年2月に発効した。加盟国では、(1)たばこ税・価格の引き上げ、(2)受動喫煙の防止、(3)たばこ広告・販売促進の禁止、(4)たばこの包装の警告表示の強化、(5)禁煙治療の推進という対策が進められている。

 下記サイトで、実際の禁煙治療の紹介や、禁煙治療を受けられる医療機関の検索、健康保険の適用についての解説などをみることができる。
医療スタッフ向け [禁煙関連の資料]
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