後発品の使用促進は低迷 「変更」は6% 厚労省
2009年3月27日 15:56
 先発薬と同じ成分・効果で価格が安い後発医薬品(後発薬、ジェネリック医薬品)に変更できる処方箋のうち、実際に後発薬が処方されていたのは6%で、75%は変更されていないことが厚生労働省の調査であきらかになった。

 調査は昨年11月から今年2月までの3ヵ月間、無作為抽出した全国の保険薬局944ヵ所、診療所733施設、病院326施設を対象に実施し、医師431人、患者1717人から回答を得た。

 後発薬は、昨年4月に処方箋の様式が再変更され、医療費抑制の柱として促進が期待されているが、使用が進んでいない実態があらためて示された。

“後発薬に変更”はわずか6%
 後発医薬品へ変更するには、従来は医師の署名が必要だったが、2008年度の診療報酬改定で「変更不可」の署名がなければすべて後発医薬品に変更できるようになった。調査では、医師の変更不可の署名がなく後発品へ変更できる処方箋は65.6%あったにもかかわらず、「変更しなかった」が74.8%を占め、実際に変更したのは6.1%にとどまることが分かった。

 後発薬に対する薬局の対応は「あまり積極的には取り組んでいない」がもっとも多く33.5%で、「積極的に調剤している」は11.8%にとどまり、薬剤師の消極的な姿勢があきらかになった。

 薬局の立場で積極的に取り組んでいない理由(複数回答)は、「品質に疑問がある」(40.2%)、「近隣の医療機関が使用に消極的」(40.2%)、「安定供給体制が不備」(40.2%)が多く、「効果に疑問がある」としたのは36.7%だった。

 後発薬への変更を進めるために必要な条件として、もっとも多かったのは「品質保証の周知徹底」(19.5%)で、次いで「剤形・規格の違いに関わらず銘柄変更調剤ができる環境の整備」(17.8%)、「メーカによる情報提供・安定供給」(15.4%)、「患者の理解」(15.4%)と続いた。

「品質が不安」が半数
 後発薬の使用促進にブレーキをかけている一因として、「後発医薬品への変更不可」とする医療機関が多いことも挙げられる。調査では「変更不可」欄に署名した処方箋を発行したことのある医師は、診療所42.2%、病院34.0%を占めた。

 署名した理由としてもっとも多かったのは「品質が不安だから」が診療所49.0%、病院51.0%。次いで「先発品を長く使用し信頼している」(41.7%、40.5%)、「患者から強い要望があった」(28.6%、37.9%)が多かった。

 一方で、外来診療での後発品の処方が1年前と比べ多くなったとした医師は、診療所で46.3%、病院で47.1%を占め、後発品の処方自体は増えている。2008年の診療報酬改定で、後発品の調剤率30%以上の薬局が算定できる「後発医薬品調剤体制加算」が新設されたことが影響しているとみられる。

患者は後発薬の説明を薬剤師から受ける
 患者を対象とした調査では、後発薬を知っている患者は72.3%を占め、名前を聞いたことのある人を加えると87.9%が後発薬を認知していることが示された。

 そのうち、医師や薬剤師からの後発薬の説明を受けたことがある患者は61.2%で、そのうち医師から説明を受けた患者が8.8%、薬剤師から説明を受けた患者が68.1%、医師と薬剤師の両方から説明を受けた患者が20.2%を占めた。薬剤師から後発薬の情報提供を受ける患者が多いこともあきらかになった。

 後発薬を使用した経験のある患者に、窓口での薬代の負担感を聞いたところ、50.2%は「安くなった」と回答。後発薬の使用については「できれば使いたい」が21.0%、「後発・先発医薬品にこだわらない」が40.1%だったが、「先発医薬品を使いたい」も19.4%あった。

 後発医薬品の使用に必要なこと(複数回答)は、「効果があること」(73.5%)、「副作用の不安が少ないこと」(58.0%)、「窓口で支払う薬代が安くなること」(50.5%)が多かった

第21回中央社会保険医療協議会診療報酬改定結果検証部会資料(厚生労働省)
  後発医薬品の使用状況調査結果概要(速報)

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