健康食品107品目で不適切な表示や広告 東京都調査
2009年3月27日 20:24
東京都は法令違反のおそれのある健康食品を試買調査する「健康食品試買調査」の結果を公表した。「根拠が不十分であったり、誇大な表示・広告をしている商品がある。健康食品を選ぶときは内容をよく確かめて」と注意を呼びかけている。
「高血圧や糖尿病が気になる時」は不適切
都は「健康食品」による健康被害を未然に防止するため、法令違反の可能性が高いとみられる商品の試買調査を実施している。2008年度は違反の多かったダイエット効果を目的とした製品のほか、筋肉増強、関節機能の維持・改善などが目的とみられ違反が疑われる製品を購入し調査した。
調査を6月と10月に2回行い、都内の健康食品売り場、スポーツ用品店などの販売店で112品目を、インターネットなど通信販売で39品目を購入した。それぞれ78品目と29品目で不適切な表示・広告がみつかった。販売店で購入した1品目からは、勃起不全治療に用いられる医薬品成分であるシルデナフィル類似成分「チオアイルデナフィル」を検出した。
不適切表示・広告で多かったのは、「ダイエット効果」で21品目、「健康茶」と「筋肉増強」が12品目ずつ、「関節機能の維持・改善」と「子どもの成長促進」が9品目ずつなど。法令別の違反では、食品衛生法が10品目、JAS法が82品目、健康増進法が55品目、食品表示法と薬事法が26品目ずつだった。表示違反の事例は、「製造業者名が記載されていない」、「賞味期限が表示されていない」、「記載のない原材料が使用されている」など。
不適切な表示・広告の例としては「体脂肪、糖分の気になる方のために」(健康の保持増進効果などの誇大な表示)、「最も効率のよい最強の抗酸化物質」(実際よりも著しく優良であるとの誤認させるおそれのある表示)、「高血圧や糖尿病が気になる時」「低血圧や貧血が気になる時」(医薬品的な効能効果の標榜)などを挙げている。
都では、販売業者などに改善指導を行うとともに、事業者が他の自治体が所管する場合にはその自治体に通報し指導などを依頼した。さらに、「健康食品に対する過大な期待や、不適切な利用から健康被害につながった例がある」として、福祉保健局ホームページで都民に情報を提供している。
ここでいう「健康食品」は、薬事法で規定される医薬品や医薬部外品を含まないすべての食品をいう。
このうち「特定保健用食品(トクホ)」や「栄養機能食品」は、国が定めた安全性や有効性に関する基準など一定の条件を満たしており「保健機能食品」として扱われる。また、健康維持に必要なミネラル、ビタミンなど栄養成分の補給を主な目的とした「栄養機能食品」は、定められた基準に従った表示がされている。
平成20年度健康食品試買調査結果(東京都)
『健康食品』を安全に利用するためのポイント(東京都福祉保健局)