たばこ価格の引き上げを提言 厚労省がん対策協
2009年12月 5日 17:45
 がん患者や専門家らでつくる厚生労働省のがん対策推進協議会(会長:垣添忠生・国立がんセンター名誉総長)は2日、都内で開かれた会合で、がん対策として喫煙率を減少させるため、たばこ価格・たばこ税を引き上げることで「喫煙率の低下」を図るよう求める要望書を長妻昭・厚労相に提言した。

 2010度税制改正でたばこ税見直し議論が取りざたされていることを受けたもので、同協議会では増税によって得られた税収を、がんをはじめとする生活習慣病予防や医療・社会保障予算に活用することを求めている。
「たばこ価格を上げれば喫煙者が減る」
 がん対策推進基本計画では、2015年度までの10年で「がんによる死亡者の20%減少」、「がんによる苦痛の軽減・療養生活の質の向上」させることを目標としており、その手段として「未成年の喫煙率を0%」、「成人の喫煙率の半減」などを盛り込んでいる。

 厚労省の調査によると、習慣的に喫煙している人の割合は2003年調査から減少しているが、2008年調査では喫煙率は男性37%、女性9%となっており、男性の3人に1人以上に喫煙習慣がある。禁煙を望む人が増えている一方で、医療機関で禁煙指導を受けたことがあるという人は男性で9%、女性で4%に過ぎない。

 また、内閣府が2007年に全国の成人3000人を対象に実施した「がん対策に関する世論調査」によると、がんを予防するための実践していることとして「たばこを吸わないようにする」と答えた人は43%と半数に満たない。

 要望書では、たばこの煙の中にはニコチン、タールや一酸化炭素などの有害物質が含まれており、その作用で毛細血管の収縮、心臓への負担、運動能力の低下など急性影響が現れること、また、常習的な喫煙により肺がんや心臓病などさまざまな病気を起こしやすくなることを挙げ、「喫煙者を減らすために、たばこ規制枠組条約にはたばこ税やたばこ価格の引上げ、たばこ農家などの転作や撤退に対する補償などを盛り込んである。条約で定められた一連の措置を速やかに実行するべき」としている。

 日本の主力銘柄のたばこ1箱あたりの価格は300円なのに対し英国で843円、米国で706円、フランスで556円と、先進国の中でも割安になっている。協議会は「日本は先進国の中では依然としてたばこ対策がかなり遅れている」と強調している。

 たばこ税をめぐっては、政府税制調査会で詰めの議論が行われており、厚労省が健康増進支援を目的に1本10円程度の大幅増税と1箱500〜600円程度の価格引き上げを主張しているが、障害も多い。その一つが、たばこの生産・販売に関する規定を定めた「たばこ事業法」で、「財政の安定的確保を目的とする」と明記しており、たばこ税引き上げが税収減に響くことがあると法の主旨に反することになる。

 その他、協議会では2010年度がん予算要求に向けた提案として、がん検診の受診促進や、企業国公私立大学から申請されたプログラムの中から質の高いがん専門医などを養成するプログラムへの財政支援を柱とする「がんプロフェッショナル養成プラン」の予算要求なども盛り込んだ。

第11回がん対策推進協議会資料(WAM NET)

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