健康ではないが「受診なし」が17% 医療機関の受診状況
2010年1月 1日 10:15
 「健康ではなかったが病院に行くことができなかった」という世帯が全世帯の2.0%あったことが、国立社会保障・人口問題研究所が行った全国調査で判明した。病院に行けなかった理由は「自己負担が重い」など経済的理由が38%を占めた。

 調査は、厚生労働省が実施した「07年国民生活基礎調査」で設定された調査地区(5440地区)内から無作為に選ばれた調査地区(300地区)内に居住する世帯主と、20-69歳の世帯員を対象に実施。2007年7月1日時点の世帯と個人の生活状況を調べた。1万766世帯と1万7188人から有効回答を得た。
経済的な理由で「行けない」が38%
 過去1年間の医療機関の利用状況を問う項目では、世帯員の誰かが医療機関に行った世帯は全世帯の81.5%で、誰も行かなかった世帯は11.5%。行かなかった理由では、「健康であったため、行く必要がなかった」が74.3%がもっとも多かった。「健康ではなかったが、行くことができなかった」との回答も17.0%を占めた。

 所得階級別にみると、「健康ではなかったが、行くことができなかった」とする割合は、所得階級が低いほど高くなる傾向があった。これらの世帯に病院に行けなかった理由を聞いたところ、「『自己負担の割合が高い』など経済的な理由」が38.4%でもっとも多く、以下は「『仕事あるいは家庭が忙しい』など時間的な理由」(27.0%)、「健康保険に加入していないため」(14.2%)と続いた。

 地域別にみると、「健康ではなかったが、行くことができなかった」とする割合は、北海道が3.1%、東北と四国がそれぞれ2.3%、九州・沖縄が2.2%の順に高かった。

医療の社会保障給付費は29兆円

 国立社会保障・人口問題研究所が2009年10月に発表した「平成19年度社会保障給付費」によると、2007年度の社会保障給付費の総額は91兆4305億円。部門別にみると、「医療」が28兆9462億円(31.7%)、「年金」が48兆2735億円(52.8%)、「福祉」などが14兆2107億円(15.5%)。国民1人あたりの社会保障給付費は71万5600円で、1世帯あたりでは187万8700円だった。

社会保障給付費の部門別推移

 経済協力開発機構(OECD)基準で日本の社会支出を分野別にみると、「高齢」がもっとも多く45.1兆円(46.9%)、次いで「保健」31.8兆円(33.1%)と続く。外国の社会支出を対国内総生産比でみると、日本は19.1%で、米国の16.3%に比べると高いが、欧州諸国に比べると低い。英国は21.8%、ドイツは27.9%、フランスは29.4%、スウェーデンは29.9%となっている。潜在的な国民負担率でも同様の傾向がみられるという。

平成19年度社会保障給付費(国立社会保障・人口問題研究所)

2007年社会保障・人口問題基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)

関連情報
日本の医療は世界トップ 医師数は最小 OECD公表(日本生活習慣病予防協会)
5人に1人が高齢者 「2008年版高齢社会白書」(日本生活習慣病予防協会)

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