独自の生活習慣病予防健診、16歳からを対象に [尼崎市]
2010年2月12日 15:13
 兵庫県尼崎市は、国民健康保険(国保)に加入している16〜39歳の市民を対象に独自に実施してきた「生活習慣病予防健診」を、2010年度から国保加入者以外を含めた全16〜39歳に拡充する。
 市では「若いうちから健診を受け生活習慣を改善すれば、動脈硬化の進行を抑え糖尿病や合併症を抑制できる。若い世代も健診の対象にすることで、将来の医療費減少にもつなげたい」としている。
16歳から受けられる「生活習慣病予防健診」
 尼崎市は、40〜74歳の国保加入者らに特定健診、75歳以上には後期高齢者健診を実施している。2006年度からは20〜39歳の国保加入者に独自に生活習慣病予防健診を行っており、08年度からは対象を16歳以上に広げた。

 健診は1人当たり1回5000円以上の費用が必要となるが、このサービスを利用すれば1000円の受診料で受けることができる。健診内容は特定健診と同じで、腹囲、測定、ALT、AST、γ-GT、中性脂肪、コレステロール、HbA1c、血清クレアチニンなどの血液検査、尿蛋白、尿糖などの尿検査が含まれる。受診者に健診結果から自分の体の状態と生活習慣の関連を理解してもらった上で、今後どのように生活習慣改善、治療などを行っていけばよいのかを指導する説明会も開く。

 生活習慣病予防健診の対象者は約3万3000人で、国保加入者以外を含めると約14万人になるという。市では「早期の予防が将来の医療費抑制につながる。生活習慣病予防は30〜40歳代から始めた方が良い。さらに20歳代から意識しておくことが重要」としている。

「糖尿病・高血圧の基礎疾患」が多い
 尼崎市の発表によると、65歳以上の市民のうち、心疾患や脳出血、2型糖尿病などの生活習慣病が原因で亡くなる人は全体の約2割。65歳未満で介護保険給付を必要とする人の54%が脳血管疾患が原因となっている。

 200万円以上の医療費が必要となった患者のレセプトを調べたところ、虚血性心疾患、大動脈疾患、脳血管疾患など、「血管に関する疾患」が高率を占めており、基礎疾患として高血圧や2型糖尿病の合併が多く、虚血性心疾患ではいずれも6割以上だったという。

 重大な病気をもっている人ほど高い医療費が必要となる。心筋梗塞のある人では医療費の総額が約1億9000万円(59人)、腎不全により透析療法が必要になった人では約14億1500万円(263人)になる。透析療法では高額療養費や自治体による助成があるため、患者が支払う医療費の自己負担は軽減されるが、自治体にとって大きな経済的な負担となる。

 市の健康支援推進担当では「糖尿病を例にみると、早期発見し適正な治療を受ければ、合併症の発症を予防することができる」と強調している。

生活習慣病は自覚症状がないまま進行していく
尼崎市資料より

 「糖尿病腎症では腎不全に進行して人工透析になるまでに、糖尿病の発症から20年くらいかかる。透析治療を受けている患者さんがいつごろから治療を始めたか調べたところ、視力障害などあきらかな自覚症状がでるようになってから受診していたことが分かった」。

 「人工透析の1〜4年前からの受診しかしておらず、予防が間に合わなかった。糖尿病は自覚症状がなく、自覚症状が出たときはかなり進行している。より早く見つけるため定期的な健診結果が何より重要だ」と述べている。

 市国民健康保険では大阪大学医学部医学系研究科内分泌・代謝内科と協定を締結し、メタボリックシンドロームについて専門的な検査の実施やアドバイス、保健指導を受けられる事業も実施している。得られた健診や問診のデータは、同大の疾病予防、健康増進のための研究にも活用される。

 また、市内の民間企業や団体と協働して、販売されている商品やサービスを対象に、生活習慣の改善を応援する「サポーター企業・団体」の募集も行っている。特定健診を受け健診結果を持っている人は、割安の料金で血圧計、歩数計などを購入し、フィットネスクラブなどを利用できる。市民が健康づくりに取り組みやすい環境を整備することで、健康への関心を高めてもらうのが狙いだ。

受けよう!!特定健診、生活習慣病予防健診(尼崎市)
「脱メタボ!! 頑張る尼崎市民を応援するサポーター企業」事業について

関連情報
慢性疾患対策で糖尿病の発症と合併症を予防 厚労省が検討会(糖尿病NET)

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