トランス脂肪酸「危険性はやはり明確」 “体に良い脂肪酸”をとろう
2010年9月13日 13:26
 マーガリンやドーナッツなどの洋菓子、揚げ物などに含まれ、過剰にとると動脈硬化などを引き起こすとされるトランス脂肪酸について、食品への表示義務化を検討している消費者庁は「国際的な動向をみても、危険性がより高いとする科学的データが多く、表示規制が必要」との見解を示した。
表示規制は国際的な動向
 国連食糧農業機関(FAO)や世界保健機関(WHO)の専門家委員会が2008年にまとめた報告によると、加工食品に含まれる人工のトランス脂肪酸は、動脈硬化などを引き起こし、心疾患を発症する危険性を高める。

 2009年の日本人を対象にした研究でも、トランス脂肪酸の摂取量が高い人ほど、腹囲が大きく、血中の中性脂肪、HbA1cが高い傾向があることがわかった。危険因子は中高年になって表面化することが多いが、欧米と比較して摂取量が低い年齢層の若い集団でも、トランス脂肪酸との関連がみられた。

 同庁は「トランス脂肪酸の摂取量が少ない方がよいのはあきらか。国内でも食品への表示規制を進めるべき」としている。同庁は今月中にも、トランス脂肪酸が製品に含有する量を食品メーカーが任意で示す際のガイドラインをまとめる。将来は表示を義務化したい考えで、法改正なども視野に入れている。

トランス脂肪酸はなぜ悪い
 トランス脂肪酸は、油脂類に含まれる脂肪酸で水素が二重結合をはさんで反対側についているもの(トランス型)をいう。普通の植物油の多くで、二重結合はシス型と呼ばれるかたちをしている。

 水素添加によって製造されたマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングや、それらを原材料に使ったパン、ケーキ、ドーナッツなどの洋菓子、揚げ物などにトランス脂肪酸が含まれている。

 トランス脂肪酸は、LDL(悪玉)コレステロールを増やし、HDH(善玉)コレステロールを減らし、動脈硬化を促し心疾患の危険性を高めるとみられている。

 トランス脂肪酸をめぐっては、世界保健機関(WHO)が2003年に、1日当りのトランス脂肪酸の平均摂取量を、最大でもエネルギー摂取量の1%未満に抑えるよう勧告した。これを受けて米国やカナダ、韓国などでは、国が栄養成分表示の一環として、食品への含有量表示を義務付けている。

脂肪酸には体に「良い」ものと「悪い」ものがある
 脂質は、炭水化物、蛋白質、ビタミン、ミネラルなどに並び体にとって重要な栄養素であり、食品ではおいしくしたり、食べやすくするなどの役割も担っている。

 脂質全体の量だけでなく、脂肪酸の種類を考えてちょうどよい量をとることが大切。食事での脂質の摂取が健康にもたらす影響ついて、世界中で研究が行われている。

脂肪酸の種類

 不飽和脂肪酸のうち、二重結合が1つしかないものが一価不飽和脂肪酸、二重結合が2つ以上あるものが多価不飽和脂肪酸。多価不飽和脂肪酸の中で、鎖状に結合した3個目の炭素に二重結合があるもの(α-リノレン酸、EPAなど)を「n-3系(オメガ3)脂肪酸」といい、6個目の炭素に二重結合があるもの(リノール酸、γ-リノレン酸など)を「n-6系(オメガ6)脂肪酸」という。

 食品に含まれる不飽和脂肪酸は、適切にとると動脈硬化を抑え、心疾患などの予防につながると注目されている。

飽和脂肪酸

  • 飽和脂肪酸をとりすぎると、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が増え、心疾患の危険性を高めるおそれがあると報告されている。飽和脂肪酸の炭素の数によって、コレステロールに与える働きは異なる。

一価不飽和脂肪酸

  • 摂取する炭水化物の一部を一価不飽和脂肪酸に置き換えると、HDL(善玉)コレステロールが増え、心疾患の危険性が下がることが報告されている。
  • 摂取する飽和脂肪酸の一部を一価不飽和脂肪酸に置き換えると、LDL(悪玉)コレステロールが減り、心疾患の危険性が下がることが報告されている。

多価不飽和脂肪酸

  • 摂取する飽和脂肪酸の一部を多価不飽和脂肪酸に置き換えると、心疾患の危険性が下がることが報告されている。
  • n-3系の多価不飽和脂肪酸を多く含む魚を摂取すると、心疾患の危険性が下がることが報告されている。

コレステロール

  • 血液中のコレステロールが多いと心疾患の危険性が高くなる。コレステロールの摂取量が多いと血液中のコレステロールが増えたり、心疾患の危険性を高めると報告されている。

トランス脂肪酸

  • トランス脂肪酸は、LDL(悪玉)コレステロールを増やし、HDL(善玉)コレステロールを減らすことが報告されている。トランス脂肪酸は、動脈硬化などによる心疾患にかかる危険性を高める。
トランス脂肪酸に関する情報(消費者庁)

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