職場のメンタルヘルス対策、健診とは別に実施 厚労省検討会
2010年9月27日 18:46
 職場でのメンタルヘルス対策の基本的な方向を検討していた厚生労働省の「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」(座長:相澤好治北里大学副学長)は、定期健康診断にあわせてストレス検査を企業に義務付けるよう求める報告書を公表した。企業などで働く労働者のプライバシーが保護され、不利益な扱いを受けないことを方針としている。
労働者の“プライバシー保護”が大事
 厚労省の労働者健康状況調査によると、「仕事や職業生活に関して強い不安、悩み、ストレスがある」とする労働者の割合は約58%に上る。日本では自殺者数が年間3万人を超え、うち3割近くの28%が被雇用者や勤め人となっている。

 一方で、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は34%にとどまる。対策に取り組んでいない理由は、「専門スタッフがいない」(約44%)、「取り組み方が分からない」(約42%)が多い。

 メンタルヘルスの不調を訴える労働者では、医療関係者以外に知られたくないという要望が多い。検討会では、健康診断でのストレス検査の実施については、プライバシー保護に対する懸念があり、「メンタルヘルス不調に対して十分に理解していない事業者は、労働者にとって不利益な取扱いをするおそれがある。自覚症状のある労働者がおそれて、きちんとした検査はできない」などの異論が出ていた。

 そこで報告書では、「個人情報の保護に慎重な対応が必要」として、「一般定期健診とは別の新たな枠組を導入することが適当」とされた。

 定期健診にあわせて医師がストレスに関連する症状・不調を検査し、「食欲がない」、「眠れない」などの自覚症状があり、医師がストレスに関連する症状などから産業医の面接が必要と認めれば面接を受けられる仕組みを導入。その場合は本人だけに通知し、企業には知らせないようにする。面接に応じるかどうかは本人の同意が必要とする。

 面接の結果、医師が休養や残業の制限、配置転換などが必要と判断した場合、本人の同意を得た上で、企業に意見を言うことができる。企業には、当人が面接を理由に必要以上に不利益な扱いを受けないよう、プライバシーに配慮を求める。

 新たな枠組では、「労働者の個人情報を提供する場合は、必要最小限にしプライバシーを保護する」、「容易に導入でき安心して参加できるものにする」、「必要な場合には、適切に専門家につなぐことができる」、「職場でメンタルヘルスに関する正しい知識の普及が図られる」などの方針も示された。

 今後、労働政策審議会で労働安全衛生法改正の必要性も含め、制度開始に向けた議論を始める。ストレス検査に含める項目や、検査費用の負担、医師の守秘義務などの問題については労政審で検討する。

「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」の報告書取りまとめ(厚生労働省)
労働者健康状況調査(厚生労働省、2007年)

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