「アメリカはこのままでは肥満で沈む」 米国で食事の新ガイドライン
2011年2月 4日 10:12
 米政府は1月31日、食事を中心とした生活習慣改善の新たなガイドライン「米国人のための食事ガイドライン(Dietary guidelines for Americans)」を発表した。
肥満対策に本気で取り組むアメリカ!?
米国人のための食事ガイドライン
米国人のための食事ガイドライン
 米農務省と米保健厚生省(HHS)が共同で発表したリリースによると、新ガイドラインは栄養学の最新のエビデンスにもとづく。食事・運動習慣の改善により、米国人の肥満や生活習慣病を予防し、対策することを目指している。

 米国の子供の3分の1以上は、また成人の3分の2以上が過体重や肥満だ。新ガイドラインでは「米国人はエネルギー摂取量を減らし、身体活動を増やす必要がある」と強調している。

 新ガイドラインでは、身体活動によるエネルギーの消費量と、食事よるエネルギー摂取量のバランスを考え、より健康的な食事をとるよう奨励している。野菜や果物、全粒粉、低脂肪の乳製品、シーフードを十分にとり、食塩や飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、精製粉を控えるようアドバイスしている。

 「不健康な食事により引き起こされる肥満や高血圧症、2型糖尿病などの慢性疾患を予防するために、ほとんどの米国人はウエスト周囲径を減らし、スリムになる必要がある。食生活の改善はすべての個人や家族だけでなく、国家にとって良いことだ」とTom Vilsack農務省長官は話す。

 肥満や過体重は、2型糖尿病の要因となる。米疾病管理予防センター(CDC)が公表した「全米糖尿病ファクトシート2011(National Diabetes Fact Sheet for 2011)」によると、米国人の2600万人近くが糖尿病で、7900万人が糖尿病予備群(pre-diabete)だという。

もっと健康的な食事を
ウォルマートが公開しているビデオ(YouTube)
画面をクリックするとビデオの再生が開始されます
 「米国人が健康的になるために、日常生活にこのガイドラインをとりいれることが重要だ。生活習慣を改善することで、より健康的に、より活動的に、より長生きできるようになる」とHHSのKathleen Sebelius長官は強調する。

 新ガイドラインには、住民のための23の推奨事項、妊娠している女性など特定の人のための6つの追加事項が盛り込まれた。

 子供の食生活改善も重視されており、公立学校などでの給食では塩分や脂肪を控え野菜や果物を増やし、低脂肪の乳製品や、肉の代わりに魚介類をとることなどを勧めている。

ウォルマートも食生活改善計画を発表
 オバマ政権は、公衆衛生上での食生活の改善を強く訴える対策に力を入れている。

 米子小売り最大手のウォルマート・ストアーズは1月20日に、食生活改善計画を発表した。発表会見には、健康的な食生活を啓発する「もっと動こう(Let's Move)」という運動に取り組んでいるミシェル・オバマ大統領夫人も参加するほどの熱の入れようだ。

 販売する加工食品について、2015年までに塩分を25%減らす、糖質の添加を10%減らす、トランス脂肪酸をなくすなど健康的な食品を揃えるほか、果物や野菜を消費者が利用しやすいよう値下げする方針だ。

 ウォルマートを訪れる消費者は毎週1億4000万人以上。農産物を生産者から直接仕入れるなど、食品業者に対する影響も大きいとみられる。

 脂肪や糖質が多く高カロリーで安価なジャンクフードが肥満増加の一因だと指摘されている。ウォルマートは消費者がより健康的な食品を選びやすくする支援に加え、所得の低い地域での商品揃えも改善し、生鮮食品をより安い値段で提供したいとしている。

Dietary guidelines for Americans
USDA and HHS Announce New Dietary Guidelines to Help Americans Make Healthier Food Choices and Confront Obesity Epidemic(HHS、2011年1月31日)
2011 National Diabetes Fact Sheet(CDC、2011年1月26日)
Walmart Launches Major Initiative to Make Food Healthier and Healthier Food More Affordable(ウォルマート・ストアーズ、2011年1月20日)

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