がん予防:4割が「意識していない」 7割は「治療費が心配」
2011年2月14日 18:34
食事や運動、禁煙など生活習慣を改善することで「がん予防」を意識している人が3〜4割に上る一方で、4割は「心がけていることはない」と感じていることが日本能率協会総合研究所のアンケート調査で分かった。
調査では、がんの発症とがん細胞が増えるのを防ぐ体の免疫の働きについての認知度を聞いた。
「健康な人でも体内で毎日およそ5000個のガン細胞ができている」ことや、「NK細胞などの免疫系が、体内で生まれたガン細胞を成長し増殖する前に摘み取っている」ことを知っていた人は全体の約30%にとどまり、約70%は「知らなかった」と回答した。
ガン予防のために心がけていることとして多かったのは(1)禁煙(29%)、(2)「食生活の改善」(26%)、(3)「ストレスをためない」(25%)だった。
「定期的な運動」(18%)や「節酒」、「ガン検診の受診」などを含めると30〜40%が「がん予防を心がけている」と答えたが、「心がけていることはない」という人も約40%に上った。
ガン予防や免疫力向上のために意識してとっている食品として多く挙げられたのは「納豆」、「ヨーグルト」、「きのこ類」、「野菜類」だったが、約70%は「特に意識して摂取している食材はない」と回答。ガンの予防や免疫力向上を意識して食品を選んでいる人は少ないことが示された。
ガン予防などのために行っている運動で多かったのは(1)「なるべく歩く・階段を使う」(25%)、(2)「日常でなるべく体を動かす」(23%)、(3)「散歩・ウォーキング」(21%)。「意識して行っている運動はない」という人は54%に上った。
がんになった場合に心配することを複数回答で尋ねたところ、「治療費」が72%でもっとも多く、以下は「死」(56%)、「痛み」(53%)、家族(46%)と続き、就労(失職)も21%に上った。
将来がんになる可能性について尋ねたところ、半数を超える人ががんになる可能性を感じており、がんは治る病気と思うか尋ねたところ、「非常にそう思う」が5%、「ややそう思う」が39%で、全体では4割強ががんは治る病気と考えていることが分かった。
ガンのメカニズムと予防に関する意識調査(日本能率協会総合研究所、2011年2月4日)
アンケート調査は20〜60代の男女1000人を対象に、昨年12月にインターネット上で実施したもの。