講演会「紫煙の怖さと無煙を目指す指導の実際」を開催
2011年2月24日 10:08
 2月の「全国生活習慣病予防月間」に合わせて、医療スタッフ・保健指導スタッフのための生活習慣病予防講演会「紫煙の怖さと無煙を目指す指導の実際」が、2月18日、東京慈恵会医科大学1号館講堂にて開催された。

 


講演会開場のようす
2月は「全国生活習慣病予防月間」
 高城亮先生(厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室)は、生活習慣病に関連する主な疾患が総死亡の6割を占め、国民医療費の3割を占める現状や、急速な高齢化が進み生活習慣病予防の重要性が増大している現状を報告した。
 自治体の健診事業等の二次予防に重点をおいた対策に加え、普及啓発、食事・運動教育、禁煙など一次予防対策の推進が重要となる。2003年に施行された「健康増進法」では、国が国民の健康増進に関する基本的な方針を定めること、都道府県等は国の基本方針を勘案して健康増進計画を定めること、国民健康・栄養調査を実施すること、受動喫煙防止に関すること等が規定された。

高城亮先生


村松弘康先生


和田高士先生

 高城先生は受動喫煙による健康への影響が深刻であることを強調し、同法で多数者が利用する施設等で受動喫煙防止対策を講ずることが努力義務化され、厚労省検討会では分煙のための新たな判定基準やガイドラインも策定されていることを紹介した。

 村松弘康先生(中央内科クリニック院長)は、受動喫煙も含め「喫煙」という行為が人体に多大な悪影響を及ぼすことは明白であり、職場の受動喫煙対策は喫緊の課題であることを示した。受動喫煙のリスクも近年広く研究が行われており、厚生労働省の研究班は年間約6,800人が受動喫煙が原因で死亡しており、うち半数以上の約3,600人が職場での受動喫煙が原因だと推定されているとした。なお世界保健機関(WHO)の研究チームによると、受動喫煙による死亡者数は毎年60万人に上るという。
 村松先生は煙草の煙からは一酸化炭素、活性酸素、ダイオキシン類など60種類以上の発癌性物質が検出され、喫煙が健康に多大な悪影響を及ぼすことを豊富な実証を示しながら説明。
 喫煙はニコチン依存症であり、禁煙治療に医療保険が適用され治療成果も得られている。医療者が中心となり喫煙者を促し禁煙指導を行い、成功させることが必要だと呼びかけた。

 和田高士先生(東京慈恵会医科大学総合健診・予防医学センター教授)は、生活習慣病を予防するために生活者が理解しやすい実践法を、保健指導者が習得する必要性について、動脈硬化新御三家として「S(smoking、喫煙)」、「M(metabolic syndrome、メタボリックシンドローム)」、「L(LDLコレステロール)」を示しながら分かりやすく説明した。
 動脈硬化性疾患の危険因子として注目されるメタボリックシンドロームは、内臓脂肪型肥満の蓄積が大きな要素となる。「一無(無煙)」、「二少(少食・少酒)」、「三多(多動・多休・多接)」の6項目の健康習慣の実践がメタボリックシンドローム(トル)の第1次予防として有効であることを実証した研究成果を紹介した。
 「一無・二少・三多」は、日本生活習慣病予防協会理事長の池田義雄先生が提唱した標語で、一無とは無煙(たばこを吸わないこと)、二少は少食・少酒(腹八分目と飲酒量を抑えるよう心がけること)、三多とは多動(体をできるだけ動かすこと)、多休(休息や睡眠を十分にとり体をリフレッシュさせること)、多接(社会活動などを通じて多くの人、事、物に接し、ストレスを発散し創造的な人生を送ること)を示す。
 9,554人を対象とした7年間のコホート調査では、従来の「ブレスローの健康習慣」などでは十分な成果を得られなかったが、「一無・二少・三多」を多く実践することでメタボリックシンドロームの有意な発症抑制がみられた。

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