中年の高血圧・喫煙対策で健康寿命が延伸 健康日本21評価チーム
2011年7月19日 15:52
 厚生労働省の健康日本21評価作業チームは7月14日に、厚労省内で第3回の会合を開催した。健康日本21の目的である「生活習慣病の予防」、「壮年期死亡の減少」、「健康寿命の延伸」について、現状の達成度や今後の展望について議論した。
日本人の健康寿命は世界トップ
 参考人の橋本修二・藤田保健衛生大学医学部教授(衛生学)は、“健康な状態で生存できる期間、その指標の総称”を示す「健康寿命」の指標や算定結果を報告した。日本人の健康寿命は年々延びており、世界保健機関(WHO)が193ヵ国を対象に行った調査でも、日本人の健康寿命は男女ともトップクラスだという。

 健康寿命の指標となるのは「自覚的健康」、「活動制限なし」、「介護の必要がない」、「慢性疾患(がん、心疾患、脳血管疾患、高血圧、糖尿病、腎臓病、喘息、関節炎など)がない」。このうち「活動制限なし」と「自覚的健康」の平均寿命は年々延伸しているが、都道府県間で差が大きい傾向があると指摘した。

 健康日本21の目的は、生活習慣病を予防し早世と障害を減らし、個々の生活の質(QOL)の向上につなげること。そのため「壮年期死亡の減少」をとりわけ重視している。会合では三浦克之・滋賀医科大学社会医学講座教授(公衆衛生学)が、65歳未満の死亡(早世)について疫学研究の結果を示した。

 人口動態統計によると、60〜64歳の総死亡率は1997年から2009年にかけて、男性で22%、女性で25%減少した。一方、25〜44歳の壮年では、総死亡率に減少傾向がみられるものの低下の幅は小さい。上位死因のうち、がんや脳血管疾患は男女とも低下しているが、心疾患や自殺は上昇傾向がみられると指摘。

中・壮年期の死亡に血圧と喫煙が大きく影響
 生活習慣病発症予防データベースの構築と利用を目的とした大規模コホート研究「EPOCH-JAPAN」は、1000人以上を対象に約10年をかけて実施されている。それによると、男女とも各年齢階級で、血圧上昇とともに総死亡率は直線的に増加する。さらに、40〜50歳代では血圧上昇がもたらす総死亡リスクは高齢者より高く、年齢が若いほど高血圧による死亡リスクへの影響は強いことが示された。

 血圧を120/80mmHg未満にコントロールすることで総死亡の約20%は回避可能で、特に男性の40〜79歳、女性の50〜69歳では、血圧コントロールにより早世を防げる可能性がある。また、喫煙も中・壮年期の死亡に大きく影響しており、喫煙による過剰死亡割合が大きいので、特にこの世代での禁煙の促進が重要であることが確かめられた。

 会合では生活の質(QOL)の向上についての議論も行われた。QOLについて、健康日本21での具体的な指標が決まっていないので、健康局総務課生活習慣病対策室は現時点で評価可能な指標についての意見を求めた。

 また、事務局は都道府県や市町村、健康日本21推進全国連絡協議会の加入団体に対し、健康日本21をふまえた健康増進施策の取り組み状況の調査を進めていることを報告した。

健康日本21

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