40歳代から急速に増える糖尿病 【国民健康・栄養調査2】
2011年12月20日 10:59
 厚生労働省の調査によると、「糖尿病が強く疑われる人」(糖尿病有病者)と「糖尿病の可能性を否定できない人」(糖尿病予備群)の割合は、60〜70歳代だけでなく、40〜50歳代でも増えている。

 厚生労働省が10月に公表した「2009年国民健康・栄養調査報告」によると、糖尿病有病者と予備群の合計は成人男性の30.3%、女性の25.3%に上る。

 年齢層別にみると、65〜74歳で男性41.0%、女性37.1%と割合が高まるが、50歳代でも男性28.8%(有病者12.2%、予備群16.6%)、女性24.0%(有病者7.2%、予備群16.8%)と高い割合を示している。

 糖尿病は40歳を過ぎると増えはじめる。40歳代でも男性の15.9%、女性の15.2%が有病者か予備群だ。40歳を過ぎたら健診を定期的に受け、糖尿病と指摘されたら医師の診断を受け、早期に適切な治療を開始することが肝心だ。

 糖尿病の早期発見と治療開始により、糖尿病合併症を予防できることが、過去の多くの研究で確かめられているが、実際には糖尿病の発見が遅れる人が多い。2007年国民健康・栄養調査によると、糖尿病が強く疑われる人のうち、病院で治療を受けたことがない、もしくは継続できていない人の割合は、男性で43%、女性で46%を占めているのが現状。この結果、医師から糖尿病と言われたことがある人のうち、網膜症、腎症、神経障害がある人はいずれも10%を超え、足の壊疽がある人も0.7%いるという。

 糖尿病の恐さは、重症化するまでほとんど自覚症状がなく、気づいたときには合併症が進行している点にある。血糖値が高い状態が慢性的に続くと、動脈硬化が早期から進行し、血液の糖化により微小な血管を傷つけられ、網膜症、腎症、神経障害などのさまざまな合併症があらわれる。

 高血糖と同じく動脈硬化の危険因子である高血圧や脂質異常も40歳を境に急速に増えていく。

 若いときに受けた健診の結果で、高血圧や脂質異常の検査値が診断基準で正常値であっても、油断は禁物だ。動脈硬化は正常高値の数値であっても進行していく。動脈硬化になると心臓に負担がかかり、心不全が起こったり、狭心症や心筋梗塞などに進んでいくおそれがある。また、脳では脳梗塞、脳出血などの脳血管障害の危険性が高くなる。定期的に健診を受けることが必要だ。

注1 糖尿病の判定は、糖尿病実態調査(1997年、2002年)と同様の基準で行われた。「糖尿病が強く疑われる人」はHbA1c値が6.1%以上、または、質問票で「現在糖尿病の治療を受けている」と答えた者、「糖尿病の可能性を否定できない人」はHbA1c値が5.6%以上6.1%未満で、“糖尿病が強く疑われる人”以外の者を判定。
注2 収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上を高血圧と判定、収縮期血圧130〜139mmHg、拡張期血圧85〜89mmHgを正常高値血圧と判定。
注3 国民健康・栄養調査の血液検査では、空腹時採血が困難であるため、脂質異常症の診断基準項目である中性脂肪による判定は行わず、HDL-C40mg/dL未満、もしくはコレステロールを下げる薬またはトリグリセライドを下げる薬を服用している人を「脂質異常症が疑われる人」を「脂質異常症が疑われる人」と判定。

平成21年国民健康・栄養調査報告(厚生労働省)

関連情報
【2007年国民健康・栄養調査1】 糖尿病が強く疑われる人や「予備群」は2210万人(糖尿病NET)

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