1日1時間のウォーキングで肥満の遺伝影響を取り除ける
2012年3月29日 09:17
 「1日1時間の活発なウォーキングにより、肥満の遺伝的効果の半分を減らすことができる」という研究が発表された。逆に座ったまま過ごす時間が長いと、肥満の遺伝因子は強められてしまうという。
 テレビ視聴に1日4時間を費やしていると、肥満の遺伝傾向が50%も強められる。「座ったまますごす時間を少なくした方が良いことが、遺伝子の研究で確かめられた」としている。
座ったままのテレビ視聴で肥満の遺伝傾向を悪化
 「肥満には遺伝的な要因が影響するが、生活習慣を健康的に改善しウォーキングを増やすことで、その影響を減らせることが、遺伝子の研究であらためて確かめられた。毎日の活発な1時間のウォーキングにより、肥満への遺伝的な影響を半分に減らすことができる」とハーバード公衆衛生大学院のQibin Qi博士(栄養学)は話す。Qi博士らは3月にカリフォルニア州で開催された米国医師会の会議で研究の発表を行った。

 今回の研究は2つの大規模研究(Nurses' Health StudyとHealth Professionals Follow-up Study)の成果にもとづく。研究チームは7,740人の女性と4,564人の男性を対象に2年間、テレビの視聴と身体活動、BMI値のデータを収集した。

 体重が適正かどうかは体格指数(BMI)を用いて判定される。BMIは「体重(kg)÷[身長(m)×身長(m)]」という式で求められる。米国ではBMI値30以上を肥満と判定される。

 研究者は、BMIの増加と関連のあるとされる32の遺伝変異に基づく遺伝子的素因スコアを調べた。週40時間テレビを見ている人のBMI値への遺伝的影響が0.34kg/m2だったのに対し、1日1時間以下しかテレビを見ない人では0.08kg/m2と違いがみられた。また、ウォーキングなどの運動がもっとも多い人と少ない人では、0.08対0.15 kg/m2と差が出た。

 「これまでの研究は、身体活動がどのように遺伝的な素因に影響するかを調べたものが多かった。今回の研究は、座ったままテレビ視聴に費やす時間の長い生活習慣が、体格指数(BMI)および遺伝子の素因にもたらす影響を直接的に調査したはじめての研究だ」とQi博士は強調する。

 「テレビの長時間視聴は、肥満に対する遺伝傾向を悪化させる要因になるかれしれない。1日1時間の活発なウォーキングにより肥満の遺伝因子の半分を減らすことができる」としている

 肥満の遺伝子検査は高価なので、一般的にはまだ普及していない。Qi博士は肥満の遺伝因子については、家族に肥満の人がいるかを確認し医師に相談することを勧めている。

 「これらの遺伝子の識別をできるようになったのは、わずか5年前だ。遺伝子の機能がどのようにBMIに影響するのか不明の点も多く、遺伝子の機能を正確に見分けメカニズムを解明するためにさらなる研究が必要だ」としている。

Walking may lessen the influence of genes on obesity by half(米国心臓学会 2012年3月14日)

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