日食で網膜症のおそれ「安全に観察する方法を」 日本眼科学会
2012年5月 1日 14:12
 5月21日の朝、日本全域で見られる日食が起こる。なかでも、九州地方南部から関東地方付近にかけての範囲で、太陽の中央部分が月に隠されて太陽がリング状に見える「金環日食」になる。日本眼科学会は26日、不適切な観察方法により、太陽光で網膜が傷つけられる日食網膜症になる恐れがあると警告した。学校の登校時間に重なるので、特に子どもの危険性が高いという。

 日食の始まりは午前6時台、終わりは午前9時前後。太陽がリング状に見える最も注目の時間帯は、午前7時半頃で、朝の通学時間と重なる。通学途中の道路上などで事前知識をもたずに見上げてしまうと、目を傷めるだけでなく、交通事故にあう可能性も高くなる。

 日本眼科学会は「金環日食の最中も含め、どんなに太陽が欠けた状態でも、太陽をそのまま直視してはいけません。太陽の光はひじょうに強く、肉眼で直接見つめると、わずかな時間であっても目を傷めてしまう危険があります」と注意をよびかけている。同学会では「通学途中での観察は避けるよう、日食当日は登校にあたって配慮するなど、安全に観察できる環境を検討してほしい」と述べている。

 太陽の光はひじょうに強く、日食の観察には危険がともなう。太陽をじかに見つめてしまったり、誤った方法で観察を行うのは危険で、「日食網膜症」と呼ばれる目の障害につながる。

 日食網膜症は、不適切な方法で日食を観察したときに起こる目の障害の総称。一過性で軽快する例から永続的な視力低下にいたる例まである。観察直後は異常がなくても、数時間後に目が痛む、視野の真ん中に影が生じる、ものがゆがんで見える、視力が低下するといった症状が出ることもあるという。

 直接太陽を見上げる観察を行う場合は、日食観察のためにつくられた「日食観察グラス」を正しく使用することが重要となる。もっとも危険の少ない観察方法は、ピンホール効果の原理で投影された太陽の形を見る方法だという。

 学校で日食観察会を開く場合は、▽安全の確保について事前に保護者に周知するとともに、児童・生徒に対しても、危険な方法で日食を観察しないよう、観察方法についての充分な説明が必要、▽観察の順番を待つ児童・生徒が直接太陽を見てしまわないよう、日陰の待機場所や、指導者の人数を確保するなど、観察時以外の安全確保にも注意が必要、などと日食を安全に観察する方法を紹介している。

5月21日の日食の観察における注意事項(日本眼科学会)
2012年金環日食日本委員会

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