運動とコンピューター操作 両立すると高齢者の認知能力が向上
2012年5月 9日 16:57
 コンピューターの利用と運動が伴うと、高齢者の記憶力の低下を抑えられるという研究が発表された。

 コンピューターにはメモリ(記録装置)が備わっているが、コンピュータを使っていれば、あなたの脳の記憶能力も向上する――適度な運動と、コンピューターを利用することで得られるメンタルな刺激が両立していると、加齢とともに記憶力が減退するのを抑えることができるという研究を、米メイヨークリニックの研究者が発表した。
適度な運動がともなうと認知症を抑えられる
 運動をして体を動かすことを習慣化すると、記憶力の低下を防げることは以前から知られている。今回発表された研究では、コンピュータを使った作業と適度な運動が両立すると、70歳以上の高齢者の脳機能を保護する相互的な作用を得られると発表された。

 研究チームは、ミネソタ州オムステッド郡に在住している926人の高齢者(70〜93歳)を対象に調査した。過去1年以内の運動とコンピューター使用状況について自己報告のアンケートを行った。

 活発なウォーキング、ハイキング、エアロビクス、レジスタンス運動、ゴルフカートなしのゴルフ、水泳、ダブルス・テニス、ヨガ、マーシャルアーツ(武術)、運動器具と重量挙げなどを、適度な運動とした。

 メンタル面での活発な刺激には、読書、手工芸、コンピュータの使用、ゲーム、音楽演奏、グループや社会の活動、テレビ以外の観劇などが含まれる。

 コンピュータの利用は高齢者でも一般化している。研究者らはコンピュータ利用に着目して調査した。

 人口の多い1950年代生まれのベビー・ブーマー世代は、60歳以上に到達している。「高齢者で急増する認知症に対策する必要がある。コンピュータを頻繁に利用する生活は、すべての年齢層に普及している。コンピュータを利用することが老化や認知症にどのように影響するかを、調べることが重要だ。今回に研究が議論を提供することになるだろう」とメイヨークリニックのYonas E. Geda博士(内科)は言う。

 軽度認知障害は、老化にともなう正常な記憶低下と初期アルツハイマー病の中間段階に位置する。運動とコンピューター使用を並行している高齢者では、軽度認知障害といった神経学上のリスクがどれだけ抑えられているかを調査した。

 その結果、運動もコンピューター使用も行わない高齢者では、20.1%で正常な認知能力が示されたが、運動とコンピューター使用が両立している高齢者では、その割合は36.0%に上昇した。軽度認知障害のサインが示された割合は、前者が37.6%だったのに対し、後者では18.3%に抑えられていた。

 「コンピュータは認知的な刺激としては有効だが、メンタル面からの刺激だけでは十分ではない。運動や身体活動を伴うことが大切だろう」と研究者らは指摘している。

Computer Use and Exercise Combo May Reduce the Odds of Having Memory Loss, Mayo Clinic Finds(メイヨークリニック 2012年5月1日)

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