青ジソの抗酸化効果で「老化、メタボ予防」 京大が発見
2012年8月 8日 09:53
 青ジソに、老化やメタボリックシンドローム、動脈硬化などの予防に有効な成分が含まれていることを、京都大学の研究チームが発見した。青ジソには、モロヘイヤやセロリなどの野菜や果物に比べ数十倍が含まれるという。この成分は熱帯に生息する植物の葉からみつかっていたが、青ジソのような身近な食品からみつかったのははじめてという。

 今回の成果は、京都大学大学院薬学研究科の久米利明准教授や農学研究科の入江一浩教授などの共同研究によるもの。

 呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部は、通常の状態でも不完全に還元され、活性酸素になる。活性酸素はさまざまな生理機能に関わっており、一部は細胞や生体組織などを傷害する作用をする。

 生体内には活性酸素から守るための防御システムが備わっているが、そのシステムがうまく働かなくなることで酸化ストレスが起こる。酸化ストレスは老化やがん、メタボリックシンドローム、糖尿病合併症、動脈硬化、アルツハイマー病などの一因だと考えられている。

 野菜や果物などに含まれるビタミンC・Eやポリフェノールなどには、活性酸素に直接反応し、除去する作用がある。食事でこれらの栄養素を十分に摂取することが、酸化ストレスから防御する有効な手段となる。ただし、これらの栄養素が含まれる野菜や果物を大量に食べるのはなかなか難しい。

 酸化ストレスから体を守るもうひとつの方法は、体内で抗酸化作用のある酵素やタンパク質を増やすことだ。多くの抗酸化因子は、「Nrf2」と呼ばれる転写因子タンパク質によってコントロールされている。Nrf2を活性化すると、さまざまな抗酸化因子が増え、細胞や組織が酸化作用から保護されると考えられている。

 久米准教授らは、6種類の果汁サンプル(桃、リンゴ、イチゴ、クランベリー、ラズベリー、温州みかん)と6種類の野菜サンプル(青ジソ、モロヘイヤ、春菊、セロリ、パセリ、赤ジソ)の成分を調べた。

 その結果、青ジソの抽出物からNrf2の働きを活性化させる作用をもつ「DDC」と呼ばれるポリフェノールの一種がみつかった。DDCを化学合成してラットの細胞で調べたところ、抗酸化タンパク質を約70倍に増加させることが確かめられた。

 DDCは、ビタミンCやベータカロテンなど酸化物に直接作用する抗酸化物質と違い、抗酸化酵素を誘導するように働き、効果が持続しやすいという。

 実験によると、DDCは青ジソの葉100g(約230枚分)から10mgとれる。青ジソそのままでは1日あたり数kg食べなければ効果を得られないとみられる。そのため研究チームは今後、青ジソから効率よくDDCを抽出する方法をみつけ、予防薬や健康食品の開発につなげたいとしている。

青ジソから老化やメタボリックシンドローム予防に有望な生体内抗酸化力を高める成分を発見(京都大学 2012年8月6日)

© 2014 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

「なぜ運動が良いのか」メカニズムを解明 筋肉ホルモンが心臓を保護 2018.10.03
サッカーで糖尿病を予防 サッカーは骨を丈夫にできる最適な運動 2018.10.02
加齢や健康について周囲に話せるシニアは「幸せ度」が高い 意識調査 2018.10.02
乳がんの新たな検査法を開発 マンモグラフィーの欠点を克服 神戸大 2018.10.02
【9/10〜9/16は自殺予防週間】SNS(LINE・チャット)相談できます! 2018.09.13
「ミドリムシ」の成分が血糖値の上昇を抑制 期待できる健康効果 2018.09.13
糖尿病患者さんに向けて「血糖トレンド」啓発キャンペーンを始動 2018.09.06
「コーヒーは健康に良い」は本当か 何杯までなら飲んで良いのか? 2018.08.30
「第4回がん撲滅サミット」を11月18日(日)に東京ビッグサイトで開催 2018.08.30
介護予防に効果がある「百歳体操」の動画 大阪市が吉本興業と共同制作 2018.08.30
簡単な体力テストで糖尿病リスクが判明 握力やバランス感覚が重要 2018.08.24
「社会的な孤立」「閉じこもり」は危険 高齢者の死亡リスクが2倍超に 2018.08.07
「介護離職」が年間に9.9万人 働きながら介護は346万人 「介護離職ゼロ」の目標遠く 2018.08.07
世界の8.5億人が「腎臓病」 腎臓病の恐ろしさを知らない人が大半 2018.07.20
【健やか21】避難所生活で健康に過ごすための注意点(厚労省) 2018.07.20
「入浴」に健康増進のプラス効果 週5回以上の入浴が心血管を保護 2018.07.20
【健やか21】平成30年度 家族や地域の大切さに関する作品コンクール 2018.07.17
「熱中症」と「エコノミークラス症候群」を予防する方法 被災地で緊急課題に 2018.07.17
子育て中の親のスマホ依存が子どもに悪影響 スマホを置いて対話を 2018.07.17
「超加工食品」がメタボ・糖尿病・がんのリスクを高める 保健指導にも影響 2018.06.28
作りおきに「食中毒」リスク 冷蔵庫保管でも「においで判断」はNG 2018.06.28
「笑い」が糖尿病やメタボ、がんを改善 よく笑うと健康効果を得られる 2018.06.06
「ミドリムシ」からメタボを改善する成分 「痩せるホルモン」を促進 2018.06.06
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化 2018.05.02
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を 2018.05.02
【連載紹介】何をどう食べるか―体験から得た震災時の食の"知恵袋" 2018.05.02
「プロポリス」が認知機能の低下を抑制 7年間の国際研究で判明 2018.04.27
【健やか21】平成30年度「児童虐待防止推進月間」の標語を募集します! 2018.04.27
夏の夜は「心筋梗塞」の増加に注意 季節の日照時間によって発症に差 2018.04.26
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」 2018.04.19
Copyright ©1998-2013 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。
日本臨床内科医会プロジェクト
大人の健康生活ガイド facebook
更新情報配信中!
あなたの年代の“平均余命”
知っていますか??
お住まいの地域の「健康リスク」
“死因別死亡率”
病気別ガイド - 原因・症状・対策 -
あなたの脳は大丈夫?

第11回 読み書き「難読漢字・花偏」

難読漢字の読みに挑戦する問題です。何故そのような漢字になったのか調べてみるのも脳の活性化につながります。(2013/2/20)

 続きはこちら