体内時計の乱れ 血液検査で簡単に知る方法を開発
2012年8月29日 18:15
 睡眠や体温、血圧などの変動のリズムを整える体内時計が、生活の多様化やストレスなどが原因で乱れる人が増えている。理化学研究所の研究者らを中心としたグループが、体内時刻を簡単に測定できる手法を開発した。
 体内時計の異常は、不眠などの睡眠障害やうつ病、メタボリック・シンドローム、骨粗しょう症など、さまざまな病気と関連している。体内時計を調整できるようになれば、これらの病気の予防・改善につながると期待されている。

 ヒトの生体で24時間周期を刻む“体内時計”の時刻を、採取した血液から簡単に知る方法を、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの粕川雄也氏らの研究チームが開発した。

 体には“社会生活の時計”と異なる“体内時計”が備わっており、睡眠や体温、血圧などの変動のリズムを整えている。社会生活の時計は1日24時間だが、体内時計は少し周期が長く、24時間数十分を1周期としているという。

 通常は、太陽の光を浴びることなどで体内時計のずれがリセットされ、社会生活の時計と合うが、不規則な生活などによって体内時計が乱れ、その状態が続くと、高血圧や糖尿病などの病気や体調不良につながる。

 体内時計の異常は、不眠などの睡眠障害やうつ病、高血圧症、過食に伴うメタボリック・シンドローム、骨粗しょう症など、さまざまな病気と関連している。体内時計の異常が慢性疾患の原因となったりそれらを進行させたりする可能性があるという。

 健康の維持には、体内時計をうまく調整することが大切だが、働きかたの多様化やストレス過多などにより、時差ぼけや睡眠障害のような体内時計の異常(リズム障害)をもつ人は増えている。体内時計が指す時刻は健康な人でも5〜6時間のズレ幅で個人差があり、仕事の時間帯が固定してない人はその幅が10〜12時間になる。

 体内時計を知るためには、従来の方法では、1、2時間おきに1日以上採血して物質の増減の周期を調べる必要があった。研究チームは、特定の物質を指標に体内時刻を推定する「分子時刻表」を作成した。これにより、血液の連続計測を行わなくても、1回の採血だけで簡単に、体内時刻を正しく知ることができるようになるという。

 研究チームは、協力者3人に温度や明るさが一定の室内で36時間過ごしてもらい、2時間おきに採血した。1日周期で変化する複数のアミノ酸やホルモンなどの代謝産物を測定分析して、24時間の周期で増減する58種類の物質を特定した。

 分子時刻表をもとに、1日の任意の時刻に採取した血液から正しく「体内時刻」を推定できるかどうかも検証した。強制的に外環境と体内時計をずらした6人の血中物質を測定したところ、メラトニンやコルチゾールの量を測定する従来法と、ほとんど同じ結果が得られた。

 体内時刻を考えて特定の時刻に特定の治療を施すと、最適な効果が得られる可能性がある。体内時刻の要素を加味した「時間治療」は、副作用が少なく効果的な治療に結びつくと期待されている。

ヒトの血液から簡単に「体内時刻」を調べる手法を確立(理化学研究所 2012年8月28日)

体内時計の不調で糖尿病 生活リズムがインスリン分泌にも影響(糖尿病NET)

© 2014 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

「なぜ運動が良いのか」メカニズムを解明 筋肉ホルモンが心臓を保護 2018.10.03
サッカーで糖尿病を予防 サッカーは骨を丈夫にできる最適な運動 2018.10.02
加齢や健康について周囲に話せるシニアは「幸せ度」が高い 意識調査 2018.10.02
乳がんの新たな検査法を開発 マンモグラフィーの欠点を克服 神戸大 2018.10.02
【9/10〜9/16は自殺予防週間】SNS(LINE・チャット)相談できます! 2018.09.13
「ミドリムシ」の成分が血糖値の上昇を抑制 期待できる健康効果 2018.09.13
糖尿病患者さんに向けて「血糖トレンド」啓発キャンペーンを始動 2018.09.06
「コーヒーは健康に良い」は本当か 何杯までなら飲んで良いのか? 2018.08.30
「第4回がん撲滅サミット」を11月18日(日)に東京ビッグサイトで開催 2018.08.30
介護予防に効果がある「百歳体操」の動画 大阪市が吉本興業と共同制作 2018.08.30
簡単な体力テストで糖尿病リスクが判明 握力やバランス感覚が重要 2018.08.24
「社会的な孤立」「閉じこもり」は危険 高齢者の死亡リスクが2倍超に 2018.08.07
「介護離職」が年間に9.9万人 働きながら介護は346万人 「介護離職ゼロ」の目標遠く 2018.08.07
世界の8.5億人が「腎臓病」 腎臓病の恐ろしさを知らない人が大半 2018.07.20
【健やか21】避難所生活で健康に過ごすための注意点(厚労省) 2018.07.20
「入浴」に健康増進のプラス効果 週5回以上の入浴が心血管を保護 2018.07.20
【健やか21】平成30年度 家族や地域の大切さに関する作品コンクール 2018.07.17
「熱中症」と「エコノミークラス症候群」を予防する方法 被災地で緊急課題に 2018.07.17
子育て中の親のスマホ依存が子どもに悪影響 スマホを置いて対話を 2018.07.17
「超加工食品」がメタボ・糖尿病・がんのリスクを高める 保健指導にも影響 2018.06.28
作りおきに「食中毒」リスク 冷蔵庫保管でも「においで判断」はNG 2018.06.28
「笑い」が糖尿病やメタボ、がんを改善 よく笑うと健康効果を得られる 2018.06.06
「ミドリムシ」からメタボを改善する成分 「痩せるホルモン」を促進 2018.06.06
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化 2018.05.02
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を 2018.05.02
【連載紹介】何をどう食べるか―体験から得た震災時の食の"知恵袋" 2018.05.02
「プロポリス」が認知機能の低下を抑制 7年間の国際研究で判明 2018.04.27
【健やか21】平成30年度「児童虐待防止推進月間」の標語を募集します! 2018.04.27
夏の夜は「心筋梗塞」の増加に注意 季節の日照時間によって発症に差 2018.04.26
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」 2018.04.19
Copyright ©1998-2013 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。
日本臨床内科医会プロジェクト
大人の健康生活ガイド facebook
更新情報配信中!
あなたの年代の“平均余命”
知っていますか??
お住まいの地域の「健康リスク」
“死因別死亡率”
病気別ガイド - 原因・症状・対策 -
あなたの脳は大丈夫?

第11回 読み書き「難読漢字・花偏」

難読漢字の読みに挑戦する問題です。何故そのような漢字になったのか調べてみるのも脳の活性化につながります。(2013/2/20)

 続きはこちら