社会保障「負担より給付が減る」58% 若い世代ほど不安感 厚労白書
2012年8月31日 19:53
 社会保障の水準を保つために、ある程度の負担増はやむをえない――。こんな意識をもつ人が47%に上ることが、厚生労働省が実施したアンケートでわかった。社会保障の充実を求める声が多く、負担増については半数が「全ての世代で負担していくべき」と回答。一方で、若い世代ほど将来の不安を感じており、高齢者への給付の抑制に踏み込むよう促す声も多かった。
社会保障の負担増、「やむなし」が47% 厚労省調査
 厚生労働省は、2012年版の厚生労働白書をまとめ、白書に合わせてアンケートを実施した。アンケートは20歳以上の男女を対象に今春実施し、3,144人から回答を得た。

 高齢化で費用が膨らむ医療や年金など、社会保障の「給付」と「負担」のあり方を尋ねたところ、「水準を保つため、ある程度の負担増はやむを得ない」との答えが47%で最多だった。

 税や保険料の負担増については「全ての世代で負担していくべき」が52%で、「高齢者が負担」(22%)、「現役世代が負担」(15%)を大きく上回った。

 「福祉の充実」と「負担の軽減」のどちらを優先すべきかに関しては、福祉の充実を優先するとの回答が「負担軽減優先」(23%)の2倍の50%となり、将来の不安から社会保障の充実を求める声が強い実情を印象づけた。

 しかし、社会保障の給付と負担のバランスに対する意識を世代別に尋ねたところ、恵まれた高齢者と不利な現役世代の印象を与える結果になった。

 「負担よりやや少ない給付」または「負担よりかなり少ない給付」と感じる割合は20〜24歳で計76%、25〜29歳で80%、30〜34歳で82%に達した。同じ問いに対して60〜64歳は36%、65歳以上は24%にとどまり、世代間の意識の差が大きいことが示された。

 30歳代前半までの世代では「社会保障の給付水準を引き下げるべきだ」との回答が「負担増はやむを得ない」との回答を上回り、給付の抑制に踏み込むよう促す声が多かった。その半面、60歳以上は「給付水準の維持・引き上げ」が6割に達した。

 一方、白書は社会保障の負担と受益のバランスについて「高齢者ほど得がある」とみられている傾向があることについて、「前世代が築いた社会資本から受ける恩恵は若い世代の方が大きい」と指摘し、生活水準の向上も考慮する必要があるとしている。「今の高齢者だけが恵まれていて、現役世代は不幸だ」とは一概にいえないと訴えている。

 そのうえで、こうした社会構造の変化に対応するためには、社会保障給付の拡充に合わせ、効率化を図ることが重要だとしており、その第一歩が「社会保障と税の一体改革」だとしている。

「社会保障に関する国民意識調査」の結果を公表(厚生労働省)

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