週末の寝だめは逆効果 専門家「むしろ睡眠障害の原因になる」
2012年9月20日 19:40
 平日に寝不足が続いてしまい、週末に足りない睡眠を取り戻そうとしたり、金曜日や土曜日は遅くまで起きていて、翌日も遅くまで寝ているという人には残念な知らせだ。睡眠医学の専門家によると、寝だめは睡眠障害の原因になるという。週末にどんなにたくさん寝ても平日の睡眠不足を埋め合わせることはできず、むしろ月曜日から始まる平日の睡眠の妨げになると指摘している。
質のよい睡眠の秘訣は、週末も平日の起床時間どおりに起きること
 米テキサス大学サウスウエスタン医療センターのグレゴリー・カーター博士は、「多くの現代人は睡眠を十分にとっていない。特に金曜と土曜は夜更かしする人が多い。そして、その分の睡眠を土曜と日曜に朝寝坊することで補おうとする人がいるが、それはまったく無意味なことだ」と主張している。

 体には睡眠や体温、血圧などの変動のリズムを整える体内時計が備わっている。朝寝坊や夜更かしを繰り返し、体内時計が後ろにずれることで、睡眠障害が起こりやすくなる。朝になっても体内時計が目覚める状態でないため、朝起きられなかったり、午前中眠くて活動できなかったりする。

 「週末に朝遅くまで寝ていると、平日に繰り返された体内時計のリズムが乱れるうえに、日曜の夜に眠れなくなる。不規則な生活や睡眠不足などで体内時計のリセットがうまくできないと、自律神経やホルモンのリズムが乱れてしまう。これにアルコールが加わるとさらに悪くなる」とカーター博士は話す。

 通常は、太陽の光を浴びることなどで体内時計のずれがリセットされ、社会生活の時計とそろう。しかし、体内時計は不規則な生活などによって簡単にずれてしまい、その状態が続くと睡眠障害が起こりやすくなるという。

 睡眠不足が続くと、日中強い眠気に襲われ、昼間に集中力が欠けたり仕事などの効率が悪くなるだけでなく、高血圧や糖尿病などの病気や体調不良にもつながる。健康の維持には、体内時計をうまく調整することが大切となる。

 しかし、毎日が忙しく、平日に十分な睡眠時間を確保するのはなかなか難しいという人が多いのも事実。では、一体どうしたらいいのだろうか。悩める現代人へ、カーター博士は次のようにアドバイスしている。

 「平日にどんなに睡眠不足になったとしても、一度に眠るのは8時間で十分だ。ただ、夜更かしと朝寝坊による8時間睡眠では意味がない。長く眠ったほうが健康によいと考えている人は多くいるが、実際には体が必要とする時間より長く眠ることはできない。眠れる時間より長くベットにいると眠れない時間が長くなる」とカーター博士は指摘する。

 体内時計のリズムは24時間より少し周期が長く、24時間数十分を1周期としている。就眠時間と起床時間は平日よりも1時間以上ずれないにするのが望ましく、週末であっても2時間以内に抑えておくと、正常な体内時計リズムに戻しやすくなるという。

 「週末も平日の起床時間どおりに起きられるよう、その8時間前に寝ることが理想的な睡眠方法だ。睡眠には体内時計の働きが大きく関わっており、朝起きて日の光を浴びてからおよそ15時間たつと眠くなることがわかっている。朝の起床時間を一定にし、日の光を浴びて1日の活動を開始するすると効果的だ」と強調している。

 体内のリズムの乱れを正すためには、生活習慣を改善することが大切となる。「起きる時刻を毎日一定にする」「朝起きたら光を浴びる」「夜は余計な光を浴びない」「朝食を十分に食べる」といったことがポイントになると、カーター博士は指摘している。

With planning, 'you snooze, you lose' no longer applies to work week’s sleep debt(米テキサス大学サウスウエスタン医療センター)

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