糖尿病患者はコンガリ焼けた食品に注意 心血管のリスクが上昇
2012年11月 5日 13:56
 肉や卵、焼き菓子などの表面の焼き目の部分を多く食べると、心血管系の合併症のリスクを高める可能性があるという研究が発表された。油で焼いたり、揚げて調理した肉などには、AGE(終末糖化産物)が多く含まれるので、調理法を変えた方がよいと研究者は指摘している。
肉やお菓子の焦げ目はAGE(終末糖化産物)
 ハンバーグや肉、卵、ケーキなどのお菓子を焼くと、表面がコンガリとキツネ色に色づく。これは、糖(ブドウ糖、果糖、乳糖など)とアミノ化合物(アミノ酸、ペプチド、タンパク質)を含む食品を加熱すると起こる「糖化反応」の結果として生じたものだ。

 体内でタンパク質と、食物から摂取する糖は、ジワジワと時間をかけて「糖化」と呼ばれる反応を起こす。この糖化はグリケーションやメイラード反応とも呼ばれる。糖化によってできるのがAGE(終末糖化産物)で、肉などの焼き色の正体はこれだ。

 AGEは、老化や老化を基礎とする疾患にとって重要な要因であることがわかってきた。血管の中にコブのようなふくらみ(プラーク)を形成する原因になり、心血管疾患のリスクを高めるという。

 人は年齢を重ねていくことにより、AGEが体内に蓄積していく。糖尿病のある人は特に、体内での糖化が亢進しているために老化が進みやすいと考えられている。

 食品の調理法によりAGEの量は変化する。AGEをたくさん含む身近な食品は、焼いたり、揚げたりした肉やお菓子などだ。ポイントは加熱時間の長さと油の量。加熱が大きく油が多いほどAGEは多くなる。

肉を油で長時間焼くとAGEが増える
 糖尿病の食事療法では、「揚げる」料理法よりも「焼く」料理法が勧められてきた。しかし、焼き方によっては心血管系の合併症のリスクを高めることになりかねない。

 糖尿病患者が、肉や焼き菓子などの表面の焼き目の部分を多く食べると、心血管系の合併症のリスクを高める可能性があるという研究を、米イリノイ大学の研究チームが報告した。

 調査では、計65人の糖尿病患者を対象に10日間の食事内容を記録し、AGEの摂取量を評価した。その結果、心血管系の合併症の程度の高い人の方が、AGEをより多く摂取していたことがわかった。

 糖尿病患者は飽和脂肪の摂取を控え、野菜や果物など食物繊維などを多く含む食品をとることが大事だと言われているが、これに加えてAGEを少なくする調理法を選択することも重要であることが示された。

 「AGEの摂取量が多いと、心疾患リスクが3.7倍に高まるという研究報告もある。糖尿病患者はAGEをなるべく減らす対策をしたほうがよい。肉や卵は油で加熱するよりも、煮たり弱火で焼く調理法にした方が、AGEの摂取量を減らすことができる」とイリノイ大学のクローディア ルエバノ コントレラス氏は話す。

 研究者は「食後の血糖値を下げ、AGEを溜めない方法」として次のことを勧めている。
(1)加熱時間と油の使用を少なくし、AGEを少なくする調理法を選ぶ。
(2)野菜から食べる始めると、糖の吸収が遅くなる。
(3)皿洗いやウォーキングなどで、食後に適度に体を動かす。血糖値は食事開始から1時間ほどで上昇するので、このタイミングで体を動かすと血糖上昇を抑えられる。

Crusty foods may worsen heart problems associated with diabetes(イリノイ大学 2012年10月22日)

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