メタボ腹は骨粗しょう症の原因 生活習慣の改善が必要
2012年12月 3日 17:15
 内臓脂肪がたまりビール腹になった男性は、骨粗しょう症を発症する危険性が高いという研究が、ハーバード大学医学大学院の研究者によって発表された。「内臓脂肪がたまっている男性は、骨の強度が低下します。生活習慣の改善が必要です」と研究者は指摘している。
メタボの男性は骨折リスクが上昇
 骨粗しょう症とは、骨量が減って骨がもろくなる病気だ。健康であれば、骨の中は密につまっていて骨の強度を保つ柱の構造がしっかりしているが、骨粗しょう症になると柱がスカスカでもろい状態になる。

 骨密度は20歳前後でピークに達する。その後は40歳代半ばまではほぼ一定だが、50歳前後から急速に低下していく。米国では女性の3分の1、男性の5分の1が生涯に骨粗しょう症を経験している。

 「骨粗しょう症は閉経後の女性に多い病気とされています。今回の研究では、メタボリックシンドロームの男性でもリスクが上昇することが示されました」とミリアム ブレデラ博士は言う。

 ブレデラ博士らの研究チームは、35人の肥満の男性を対象に、内臓脂肪の蓄積と骨粗しょう症との関連を調べた。対象者の中間年齢と体格指数(BMI)は、それぞれ34歳と36.5だった。対象者を、皮下脂肪の多いグループと、内臓脂肪の多いグループに分けて比較した。

 コンピューター断層撮影(CT)検査を行い、下腹部と大腿部の脂肪の蓄積を調べた。また、骨粗しょう症のリスクを、有限要素解析法(FEA)と呼ばれる技術を応用し評価した。FEAは橋や飛行機などの構造物の強度を調べる用途で使われることが多い。

 「驚いたことに、内臓脂肪のたまったグループでは、皮下脂肪のたまったグループに比べ、骨の強度が低下しており、骨折のリスクが高まっていることが分かりました。同じくらいの年齢と体格指数でも、内臓脂肪のたまった男性では、骨の強度が2倍以上低下していました」とブレデラ博士は説明する。

内臓脂肪から悪い生理活性物質が分泌
 内臓脂肪の細胞からは、さまざまな生理活性物質(アディポサイトカイン)が分泌される。内臓脂肪がたまることで、脂肪細胞から糖尿病や高血圧症、高脂血症を引き起こす悪い生理活性物質が多く分泌され、血管の炎症や血栓をつくりやすい状態を起こす。

 この生理活性物質は、骨粗しょう症のリスクにも影響する。メタボの男性では、内臓脂肪から分泌される生理活性物質が炎症を引き起こし、骨形成に障害をもたらしているおそれがあるという。また、内臓脂肪が蓄積するとヒト成長ホルモンの分泌が低下し、健康な骨格を維持できなくなる可能性がある。

 ブレデラ博士らは以前に、50人の閉経前の若い女性を対象に同様の研究を行った。やはり内臓脂肪がたまっている女性では、骨の強度は低下していた。

 骨密度を十分に保つためには、カルシウムを十分に摂取し、カルシウムの吸収を促す栄養素を食事に取り入れることが必要となる。また、適度な運動は骨代謝を促し、骨を強くするのに有効だ。

 「食事や運動に加え、内臓脂肪を減らし、肥満を解消することが、骨粗しょう症のリスクを低下するのに有効であることが示唆されました。できるだけ早い時期からよい生活習慣を取り入れ、骨粗しょう症と骨折の予防に役立てることが重要です」とブレデラ博士は強調している。

Men with Belly Fat at Risk for Osteoporosis(北米放射線医学会 2012年11月28日)

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