コーヒーのポリフェノールが健康を改善
2012年12月12日 12:23
 花王は、コーヒー豆に含まれるポリフェノール「クロロゲン酸」を摂取すると、動脈硬化の予防などで重要な役割を担っている「血管内皮機能」が改善することを研究で確かめたと発表した。また、クロロゲン酸を含むコーヒーの飲用により、血圧や体脂肪が改善することも分かった。

 クロロゲン酸はコーヒーに含まれるポリフェノールで、コーヒーの褐色や苦味、香りのもととなっている。コーヒーの飲用が、肥満や糖尿病、動脈硬化などの予防に有効であるという研究が報告されており、クロロゲン酸のもつ抗酸化作用が影響しているのではないかと注目されている。
クロロゲン酸類を摂取すると血管内皮機能が改善
 この成果は同社ヒューマンヘルスケア研究センター・ヘルスケア食品研究所と生物科学研究所によるもので、世界のコーヒー関連研究者が集う「第24回 国際コーヒー科学会議(ASIC)」で発表された。

 研究は3つに分けて実施された。1つ目の研究は「クロロゲン酸類による血管内皮機能改善」について。

 20名の成人男性を対象に、1日にクロロゲン酸類を140mg摂取した群と、クロロゲン酸類を含まない飲料を摂取した対照群に分け、血管拡張反応を指標とした血管内皮機能を、1ヵ月ごとに4ヵ月間にわたって測定を行った。その結果、試験飲料を摂取した群で血管内皮機能の改善が認められた。

 血管内皮機能とは、血管の最内層にある細胞がもっている機能のことで、血管の健康状態を維持するのに重要な役割を果たしている。血管内皮機能は、高血圧や糖尿病、脂質異常症、メタボリックシンドロームなど、さまざまな生活習慣病によりその機能が低下する。血管内皮機能が低下した状態が続けば、動脈硬化の進展、さらにはプラーク(粥腫)の不安定化を引き起こす。

酸化成分を低減させたコーヒーが有効
 2つ目の研究は、「クロロゲン酸類による血圧改善と酸化成分の影響」について。

 対象となったのは、血圧が正常高値およびI度高血圧(収縮期血圧が140-159mmHgまたは拡張期血圧が90-99mmHg)の成人男女。1日にクロロゲン酸類を300mg摂取できるように調整した焙煎コーヒー(クロロゲン酸類を含み、酸化成分を低減してある)を12週間、継続して飲んでもらった。

 その結果、クロロゲン酸類を含む焙煎コーヒーを飲んだ群では、血圧の改善が認められた。

 対照群として、クロロゲン酸類を含まず、酸化成分を低減した焙煎コーヒーを摂取した群、クロロゲン酸類を含み、酸化成分を低減していない焙煎コーヒーを摂取した群を設けた。

 どちらの対照群でも、血圧の改善はみられなかった。酸化成分の影響が確認されたとことで、血圧改善作用を十分に発現させるためには、クロロゲン酸類を豊富にするとともに、焙煎工程で生じる酸化成分を低減させたコーヒーが有効であることが示された。

 そして3つ目の研究は、「クロロゲン酸類による体脂肪低減」について。

 体格指数(BMI)の平均が27.7の肥満の成人男女(109名)を対象に、1日にクロロゲン酸類を300mg摂取できるように設計した試験飲料(クロロゲン酸類を含み、酸化成分を低減した焙煎コーヒー)または、クロロゲン酸類を含まず、酸化成分を低減した焙煎コーヒーのいずれかを12週間継続摂取した際の、体脂肪の変化などを調べた。

 その結果、クロロゲン酸類を含み、酸化成分を低減した焙煎コーヒーを飲んだ群では、体重や体脂肪(腹部脂肪)の低減が認められた。

 クロロゲン酸類の継続摂取によりエネルギー消費、特に脂質燃焼量が有意に増加することが確認されていることから、体脂肪の低減は、脂肪の消費を高める作用によるものと考えられると研究グループは説明している。

花王

© 2014 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

「なぜ運動が良いのか」メカニズムを解明 筋肉ホルモンが心臓を保護 2018.10.03
サッカーで糖尿病を予防 サッカーは骨を丈夫にできる最適な運動 2018.10.02
加齢や健康について周囲に話せるシニアは「幸せ度」が高い 意識調査 2018.10.02
乳がんの新たな検査法を開発 マンモグラフィーの欠点を克服 神戸大 2018.10.02
【9/10〜9/16は自殺予防週間】SNS(LINE・チャット)相談できます! 2018.09.13
「ミドリムシ」の成分が血糖値の上昇を抑制 期待できる健康効果 2018.09.13
糖尿病患者さんに向けて「血糖トレンド」啓発キャンペーンを始動 2018.09.06
「コーヒーは健康に良い」は本当か 何杯までなら飲んで良いのか? 2018.08.30
「第4回がん撲滅サミット」を11月18日(日)に東京ビッグサイトで開催 2018.08.30
介護予防に効果がある「百歳体操」の動画 大阪市が吉本興業と共同制作 2018.08.30
簡単な体力テストで糖尿病リスクが判明 握力やバランス感覚が重要 2018.08.24
「社会的な孤立」「閉じこもり」は危険 高齢者の死亡リスクが2倍超に 2018.08.07
「介護離職」が年間に9.9万人 働きながら介護は346万人 「介護離職ゼロ」の目標遠く 2018.08.07
世界の8.5億人が「腎臓病」 腎臓病の恐ろしさを知らない人が大半 2018.07.20
【健やか21】避難所生活で健康に過ごすための注意点(厚労省) 2018.07.20
「入浴」に健康増進のプラス効果 週5回以上の入浴が心血管を保護 2018.07.20
【健やか21】平成30年度 家族や地域の大切さに関する作品コンクール 2018.07.17
「熱中症」と「エコノミークラス症候群」を予防する方法 被災地で緊急課題に 2018.07.17
子育て中の親のスマホ依存が子どもに悪影響 スマホを置いて対話を 2018.07.17
「超加工食品」がメタボ・糖尿病・がんのリスクを高める 保健指導にも影響 2018.06.28
作りおきに「食中毒」リスク 冷蔵庫保管でも「においで判断」はNG 2018.06.28
「笑い」が糖尿病やメタボ、がんを改善 よく笑うと健康効果を得られる 2018.06.06
「ミドリムシ」からメタボを改善する成分 「痩せるホルモン」を促進 2018.06.06
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化 2018.05.02
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を 2018.05.02
【連載紹介】何をどう食べるか―体験から得た震災時の食の"知恵袋" 2018.05.02
「プロポリス」が認知機能の低下を抑制 7年間の国際研究で判明 2018.04.27
【健やか21】平成30年度「児童虐待防止推進月間」の標語を募集します! 2018.04.27
夏の夜は「心筋梗塞」の増加に注意 季節の日照時間によって発症に差 2018.04.26
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」 2018.04.19
Copyright ©1998-2013 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。
日本臨床内科医会プロジェクト
大人の健康生活ガイド facebook
更新情報配信中!
あなたの年代の“平均余命”
知っていますか??
お住まいの地域の「健康リスク」
“死因別死亡率”
病気別ガイド - 原因・症状・対策 -
あなたの脳は大丈夫?

第11回 読み書き「難読漢字・花偏」

難読漢字の読みに挑戦する問題です。何故そのような漢字になったのか調べてみるのも脳の活性化につながります。(2013/2/20)

 続きはこちら