清涼飲料水の飲み過ぎ 糖尿病と脳梗塞のリスクが上昇
2012年12月27日 16:53
 コーラやジュースなどの清涼飲料水をほぼ毎日飲む女性は、ほとんど飲まない女性と比べて糖尿病を発症する危険性が1.8倍高いとの研究結果を、国立がん研究センターが発表した。「高カロリーの清涼飲料水を多量飲むと、耐糖能異常やインスリン抵抗性につながりやすい。飲み過ぎに注意して欲しい」と研究チームは注意を促している。
コーラや果汁飲料をよく飲む女性では糖尿病の発症が増える
 調査は、1990年に岩手、秋田、長野、沖縄、東京に在住していた40〜59歳の男女約3万人を対象に行われた。食習慣を含む生活習慣についてのアンケートや、生活習慣や2型糖尿病の発症について回答してもらった。調査は約10年、追跡して行われた。

 研究チームは、清涼飲料水を「コーラや果汁飲料(果汁100%未満)」、「100%果汁ジュース」、「野菜ジュース」の3種類に分けて、どれくらいの頻度で飲用しているか調査した。それをもとに、清涼飲料水を「ほとんど飲まない」、「週に2回以下」、「週に3〜4回」、「ほぼ毎日」の4区分に分け、5年後と10年後の糖尿病の発症との関連を調べた。

 5年間追跡では、3万861人中の598人(男性366人、女性232人)が、10年間追跡では2万7,585人中の824人(男性484人、女性340人)が、糖尿病を発症した。

 解析した結果、女性では「コーラや果汁飲料(果汁100%未満)」の清涼飲料水の飲用量が多いほど、糖尿病の発症リスクが高いことが分かった。コーラや果汁飲料をよく飲む女性では、糖尿病の発症が1.79倍に増えていた。男性ではこうした関連はみられなかった。

 また、女性の学歴や、職業、体格指数(BMI)、閉経前後などの条件ごとに調べたところ、高卒以上でブルーカラー、BMIが25以上、閉経前の女性では、清涼飲料水の飲用量が多いほど糖尿病発症リスクが高いことが分かった。

 「清涼飲料水による余剰のカロリー摂取が、肥満につながる可能性があります。多量の清涼飲料水の摂取により、血糖とインスリン濃度が急激に上昇し、耐糖能異常、インスリン抵抗性にもつながる。清涼飲料水の甘味のために使用されているフルクトースの摂取は、インスリン抵抗性との関連が強い内臓脂肪量増加量との関連が報告されており、血中尿酸値を上昇させ、肥満や糖尿病を進展させる可能性があります」と研究チームの磯博康・大阪大学教授(公衆衛生学)は述べている。

 研究成果は、海外の専門誌「Clinical Nutrition」に発表された。

脳梗塞リスクも1.8倍に上昇
 同調査では、コーラやジュースなどの清涼飲料水をほぼ毎日飲む女性は、ほとんど飲まない女性と比べて脳梗塞になる危険性も1.8倍に上昇することが分かった。

 調査では、1990年に40〜59歳だった男女3万9786人を平均18年間追跡。うち1047人(女性は377人)が脳梗塞になった。食事内容を聞き取って、甘味料を加えたカロリーのある市販の飲み物250mL程度を「ほぼ毎日飲む」、「週に3、4回」、「週に1、2回」、「ほとんど飲まない」の4グループに分類した。

 その結果、女性でほぼ毎日飲むグループは、ほとんど飲まないグループより、脳梗塞を発症するリスクが1.8倍高いことが分かった。男性にはあきらかな差がなかった。また、心筋梗塞などの虚血性心疾患、出血性脳卒中についても調べたが、男女とも関連はなかった。

 研究チームは、清涼飲料水には糖分(炭水化物)が多く含まれており、女性では脂質や炭水化物への代謝に影響し、結果として血液中の糖や中性脂肪の濃度を上げて動脈硬化につながったと分析。

 清涼飲料水の過剰摂取は、急激な血糖・インスリン濃度の上昇をもたらし、脳梗塞の危険因子である糖尿病を進展させる可能性も指摘している。男性は女性より運動量が多く、エネルギーとして代謝されやすいため、影響が出にくかったとみている。

 「清涼飲料水は、食生活が欧米化・多様化したアジア圏内で、消費量が増加傾向にあります。今後注意が必要な食習慣のひとつです」と研究者は指摘している。

 研究成果は、「American Journal of Clinical Nutrition」に発表された。

多目的コホート研究(JPHC研究)

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