車での移動を減らしてウォーキング 体重減への近道
2013年1月11日 15:36
 移動をするときは常に乗用車を使い、クッキーやキャンデーなどのお菓子をよく食べる・・・。これでは体重は増えるばかり。体重を確実に減らせる方法は、実はシンプル。車を使わずに歩くだけで良いという研究が発表された。適正な体重にコントロールすることを、新年の抱負として誓った人には朗報だ。
ウォーキングで消費カロリーを増やせば体重は減る
 毎日の車による移動と消費カロリーは深い関連がある。交通網が発達し、体を動かす機会はますます減っている。車に乗る頻度を減らすだけでも、消費カロリーは大きく違ってくるはずだと、米イリノイ大学のシェルダン ヤコブソン氏(コンピュータ科学)は考えた。

 「肥満を予防するために、一般的によく行われるのは、毎日の食事を見直すことです。しかし、生活を少しだけ見直して、身体活動を少しずつ増やしただけでも、食事改善と同等の効果を見込めます」と研究者は述べている。

 肥満の要因は、高脂肪・高カロリーの食事、身体活動量の低下など、患者一人ひとり異なるが、根本的には、摂取カロリーと消費カロリーのバランスによって理解できる。身体活動や運動による消費カロリーが、食事による摂取カロリーを上回れば、肥満を予防・改善できる。

 実際には現代生活では、消費カロリーはどんどん減っている傾向がある。背景にあるのは乗用車の普及だ。昔は移動は徒歩で行ったが、現在は車を運転することが多い。車の普及は、身体活動の減少に直結している。

 「体を動かす時間を確実に増やす方法は、実はとても簡単です。車を運転する代わりに、徒歩や自転車で移動する時間を増やせば良いのです。車はもっとも手軽に早く移動できる手段ではありますが、車社会の到来は肥満の増加と重なっています。皆が車に乗るようになってから、肥満は爆発的に増えました」とヤコブソン氏は指摘する。

 ヤコブソン氏らは、生活習慣の変化が肥満に及ぼす影響を調べるために、統計モデルを作成した。車の走行距離を1日1.6km減らす代わりに、同じ距離を歩いた場合と、摂取カロリーを1日100kcal減らした場合の、肥満への影響を比較した。

 研究チームは、米国全土のBMIとカロリー摂取量、運転の習慣に関する統計データを調べた。3つの変数の複雑な影響を正確に計算するために、走行距離とカロリー消費、BMIの関連を多可変モデルを活用し解析した。

 2010年の米国人の体格指数(BMI)の平均は27.55。米国人がいっせいに1.6kmだけ車に乗るのをやめれば、BMIは6年間で0.21低下することが判明した。一方、摂取カロリーを1日100kcal減らすと、BMIの低下は3年間で0.16にとどまるという結果になった。

 「生活を見直して毎日1.6km歩くのは、それほど難しいことではありません。車を使うのをやめ、バスに乗っただけでも変化はあります。毎日バス停まで歩くことは、1日の摂取カロリーを100kcal減らすのと同じくらい、体に良い効果をもたらします」と、ヤコブソン氏は話す。

 「大切なことは、体のカロリー摂取と消費のバランスにいつも注意していて、どうすればバランスを体重を減らせる方向に調整できるかを考えることです」(ヤコブソン氏)。

 乗用車で移動する距離を1.6km短くした分、肥満や過体重を減らすことができ、結果として何十億ドルもの医療費を減らせることも分かった。それだけでなく、年間ガソリン消費量も減らすこともできるという。

 米国人の平均BMIは過去数十年で増加し、肥満に関連する医療費は高騰している。米国経済は増大する医療費による打撃を受けている。カリフォルニア州だけでも、肥満による年間の医療費は420億ドル(3兆7,000万円)近くにのぼる。肥満により米国の年間ガソリン消費量が10億ガロン(約38億リットル)増加するという推定もある。

 「今回の研究で分かったことは、私たちは常に選択肢をもっているということです。何をいつ食べるかに気をかけるだけでなく、いつ車を運転するかということには注意を払うべきでしょう。肥満を減らすためには、短い時間であっても運動や身体や活動を増やすことが大切です。小さな変化であっても、それを積み重ねれば大きな結果を生むことができるのです」とヤコブソン氏は強調している。

Study: Curbing car travel could be as effective as cutting calories(イリノイ大学 2012年12月18日)

© 2014 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

「なぜ運動が良いのか」メカニズムを解明 筋肉ホルモンが心臓を保護 2018.10.03
サッカーで糖尿病を予防 サッカーは骨を丈夫にできる最適な運動 2018.10.02
加齢や健康について周囲に話せるシニアは「幸せ度」が高い 意識調査 2018.10.02
乳がんの新たな検査法を開発 マンモグラフィーの欠点を克服 神戸大 2018.10.02
【9/10〜9/16は自殺予防週間】SNS(LINE・チャット)相談できます! 2018.09.13
「ミドリムシ」の成分が血糖値の上昇を抑制 期待できる健康効果 2018.09.13
糖尿病患者さんに向けて「血糖トレンド」啓発キャンペーンを始動 2018.09.06
「コーヒーは健康に良い」は本当か 何杯までなら飲んで良いのか? 2018.08.30
「第4回がん撲滅サミット」を11月18日(日)に東京ビッグサイトで開催 2018.08.30
介護予防に効果がある「百歳体操」の動画 大阪市が吉本興業と共同制作 2018.08.30
簡単な体力テストで糖尿病リスクが判明 握力やバランス感覚が重要 2018.08.24
「社会的な孤立」「閉じこもり」は危険 高齢者の死亡リスクが2倍超に 2018.08.07
「介護離職」が年間に9.9万人 働きながら介護は346万人 「介護離職ゼロ」の目標遠く 2018.08.07
世界の8.5億人が「腎臓病」 腎臓病の恐ろしさを知らない人が大半 2018.07.20
【健やか21】避難所生活で健康に過ごすための注意点(厚労省) 2018.07.20
「入浴」に健康増進のプラス効果 週5回以上の入浴が心血管を保護 2018.07.20
【健やか21】平成30年度 家族や地域の大切さに関する作品コンクール 2018.07.17
「熱中症」と「エコノミークラス症候群」を予防する方法 被災地で緊急課題に 2018.07.17
子育て中の親のスマホ依存が子どもに悪影響 スマホを置いて対話を 2018.07.17
「超加工食品」がメタボ・糖尿病・がんのリスクを高める 保健指導にも影響 2018.06.28
作りおきに「食中毒」リスク 冷蔵庫保管でも「においで判断」はNG 2018.06.28
「笑い」が糖尿病やメタボ、がんを改善 よく笑うと健康効果を得られる 2018.06.06
「ミドリムシ」からメタボを改善する成分 「痩せるホルモン」を促進 2018.06.06
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化 2018.05.02
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を 2018.05.02
【連載紹介】何をどう食べるか―体験から得た震災時の食の"知恵袋" 2018.05.02
「プロポリス」が認知機能の低下を抑制 7年間の国際研究で判明 2018.04.27
【健やか21】平成30年度「児童虐待防止推進月間」の標語を募集します! 2018.04.27
夏の夜は「心筋梗塞」の増加に注意 季節の日照時間によって発症に差 2018.04.26
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」 2018.04.19
Copyright ©1998-2013 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。
日本臨床内科医会プロジェクト
大人の健康生活ガイド facebook
更新情報配信中!
あなたの年代の“平均余命”
知っていますか??
お住まいの地域の「健康リスク」
“死因別死亡率”
病気別ガイド - 原因・症状・対策 -
あなたの脳は大丈夫?

第11回 読み書き「難読漢字・花偏」

難読漢字の読みに挑戦する問題です。何故そのような漢字になったのか調べてみるのも脳の活性化につながります。(2013/2/20)

 続きはこちら