スマホは育児の敵? 食事中にスマホに気を取られる親が増えている
2014年4月16日 18:54
 食事は親子の団らんの時間であるべきだが、米国で行われた研究によると、多くの親は食事中にスマートフォンに気をとられ、子供の会話がおろそかになっているという。
スマホに没頭し子供に注意を払わない親
 生活を便利・快適にするために登場したはずのスマートフォンだが、夜間に使用すると睡眠障害の原因になる可能性が指摘されるなど、諸々の悪影響を指摘する声があがっている。最新の調査では、スマホが家族団らんの食事の時間を脅かしていることが明らかになった。

 「親子の対話は、子供の認知能力や言語能力、感情面での発達において重要です。スマホに奪われた時間は、子供と対話するための大切な時間であったかもしれません」と、ボストン医療センターのジェニー ラデッキー氏(発達行動小児科学)は言う。

 ラデッキー氏らは、ボストン近郊のファーストフード店で食事をしていた家族を調査した。対象となる家族は最低でも大人1人と、10歳以下とみられる子供1人を含むグループだった。

 ラデッキー氏らは近くのテーブルに潜めて、親がスマホを使用しているかも含め、親子の対話の様子を詳細に観察した。

 すると、食事中にスマホを取り出した親は、55組中40人(73%)に上った。スマホをまったく取り出さなかった親は15人、テーブルの上に置いたがほとんど手を付けなかった親は3人だった。

 食事中にスマホの操作に没頭していた親は16人に上った。また9人は、スマホに没頭することはあっても、それ以外の時間は子供に注意を払っているように見えた。さらに、8人は食事が終わるとスマホを取り出した。

 一方で、スマホの操作にずっと夢中になり、子供にまったく注意を払わなかった親も3人いたという。

親子の対話は子供の健康な発育に必要
 「スマホは情報伝達の技術としては画期的ですが、親子の対話の代償となるものではありません。食事中にスマホの操作にかかりつけになっていた親は、子供の対話に熱心でない、あるいは否定的である傾向がみてとれました」と、ラデッキー氏は説明する。

 子供の反応もさまざまだった。親がスマホをいじるのを受け入れて、おもちゃで遊んだり、隣の子供と遊ぶのに夢中になったり、気にしている様子を見せなかった子供もいたが、ほとんどの子供は親の気を引こうとする素振りを見せたという。

 親が子供にもたらす影響は、子供にとって大変に大きい。子供は親の注意を独占したいという欲望を態度にあらわす。それができないと理解すると、否定的な別の方法を模索しはじめる可能性がある。

 また、親子の会話は、子供の語彙の発達に大きな影響をもたらす。子供は親との会話を通じて、言葉を覚えるのが一般的だ。「食事時間に親子の会話が失われるは良いことではありません」と、ラデッキー氏は指摘している。

 親のスマホの使用が、子供の発育や成長にどのような影響をもたらすかは不明だ。プラス面とマイナス面、中立的な面など、さまざまな影響が考えられるという。

子供の健全な発育のために親ができること
 最近のスマホは、電話やメールの送受信ができるほか、ネットの閲覧や音楽鑑賞、ビデオの鑑賞、アプリの利用まで、さまざまな機能が付いている。

 「テレビが普及し始めたときも、親子の会話が損なわれると話題になったことがありますが、スマホはより複雑で、アクセスも自由にできます。今後どのような影響があるのか予想できません」(ラデッキー氏)。

 ラデッキー氏は、子供の健全な発育のために、親は次のことを心がけるべきだと説明している。

・ 子供と遊び、対話をする時間を毎日つくる。親との対話により「子供は心に窓をつくる」。

・ 子供に注意を払い、問題解決や、感情をコントロールする方法を学ぶのを手助けする。

・ 子供の話に耳を傾けるときは、テレビを消して、モバイル機器の電源を切り、子供の話に集中するようにする。

・ 食事時間は、子供との関係を強くする貴重な機会となる。食事をなるべく子供といっしょにとり、活用するようにする。

Patterns of Mobile Device Use by Caregivers and Children During Meals in Fast Food Restaurants(米国小児科学会 2014年3月10日)

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