デスクワーク中心の人の運動不足を解消 運動は生産性も高める
2014年4月17日 10:17
 「健康のために運動をした方が良い」と頭で理解していても、「なかなか時間をとれない」という人は多い。仕事に使うワークステーションに運動器具を取り付ければ、いつでも運動できるようになり、仕事の生産性も高まるという研究が発表された。
デスクワークが中心の労働者には運動が必要
 トレッドミルは、屋内でウォーキングやランニングを行うための健康器具としておなじみだ。机にトレッドミルを設置し「トレッドミルワークステーション」を作ると、運動不足を解消できるだけでなく、仕事の能率も向上することが判明した。

 この研究は、テキサス大学、メイヨークリニック、ミネソタ大学の研究者が参加した産学連携学際プログラムとして実施された。結果はオープンアクセスの科学誌「PLoS One」に発表された。

 研究チームは、トレッドミルと机が合体したワークステーションを開発し、従業員200人規模の非営利の金融サービス業を営む会社に協力してもらい、オフィスに据え付けた。

 完成した「トレッドミルワークステーション」は、通常は机として使え、座ったまま作業できるが、ボタンをひと押しすると天板の部分が持ち上がり、トレッドミルに早変わりするというものだ。

 デスクワークが中心で、日中は体を動かす時間が少ない従業員40人に参加してもらった。参加者に52週間、その机で仕事をしてもらい、活動量計を身に付けてもらい身体活動と消費エネルギーを計測した。

 参加者は、座る、立つ、歩くという好きなスタイルで仕事をできるようになっていた。勤務時間中に、時速3.2km(2マイル)までという制限を付けて、自由にウォーキングをできるようにした。

 その結果、トレッドミルワークステーションを使った参加者は、そうでない人に比べ、1日の身体活動量が平均して74kcal増えていた。

 体重70kgの人がゆっくり30分歩くと、約90kcalを消費できる。1年間続ければ3万2,000kcalを燃焼できる計算になる。

運動することで労働生産性も向上
 「トレッドミルで運動した参加者は活動的になっただけではありません。驚くことに労働生産性も向上したのです」と、テキサス大学のダーラ ハーマン准教授(社会学)は話す。

 参加者に仕事の能率について自己評価してもらったところ、職場の平均が7.5ポイントだったのが、トレッドミルを使った参加者は52週後に最大で1.5ポイント近く上昇していた。

 運動には、カロリーの摂取量と消費量のバランスを改善し、減量の効果がある。糖尿病や高血圧症、脂質異常症の予防・改善の効果もある。

 運動すると爽快感を得られ、活動的になることを実感している人は多いだろう。運動がもたらす恩恵はそれにとどまらない。運動することで、脳内の神経伝達物質の活動が活発になり、ストレスに強くなることが過去の研究で確かめられている。

 仕事中に運動の要素を取り入れると運動不足を解消できるかもしれないが、仕事中に運動するのは無理だという人がほとんどだ。「今回の研究は、職場に運動器具を設置するなどの社員の福利厚生プログラムは、生産性向上の点でも効果的であることを裏付ける結果になりました」と、テキサス大学のデイビッド コージー准教授は話す。

 「企業の生産性を向上するために、コンピュータやITツールを拡充し対策する企業は多いのですが、従業員の健康管理をしっかり行い、運動を奨励することが、結果的には企業の収益増加につながる可能性があります」と指摘している。

Ut Arlington Research Says Treadmill Workstation Benefits Employees, Employers(テキサス大学 2014年3月12日)
Treadmill Workstations: The Effects of Walking while Working on Physical Activity and Work Performance(PLoS One 2014年2月20日)

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