糖尿病全国ワーストの「うどん県」香川 県をあげて糖尿病を克服
2014年5月 8日 09:46
 糖尿病全国ワースト1位を記録した香川県は、"県民病"ともいえる糖尿病を克服しようと、県を上げて糖尿病対策に取り組んでいる。
糖尿病の専用サイト「かがわ糖尿病予防ナビ」
 香川県は、全国平均に比べ人口あたりの患者の割合が大幅に高くなっている現状を受けて、糖尿病専用のウェブサイト「かがわ糖尿病予防ナビ」を開設した。"県民病"ともいえる糖尿病の現状などを、県民に広く知ってもらうとともに、発症予防のための生活改善や重症化防止につなげたい考えだ。

 サイトでは、血糖値が高い状態が続く糖尿病の初期症状などを分かりやすく解説しているほか、生活習慣の改善の一助にしてもらおうと、運動メニューでは、無理なく続けられるウオーキングの取り組み方や、下半身の筋肉を強化するための運動方法などについて掲載。

 食事レシピでも、県栄養士会の協力を得て、野菜類をふんだんに使用し栄養バランスに配慮したメニューなどを紹介している。県健康福祉総務課によると、レシピやエクササイズの内容は随時更新するという。

 うどん県の宣言で香川県の知名度は上がった。その一方で、県が実施した2011年「県民健康・栄養調査」によると、成人男性の40.5%が糖尿病の有病者またはその予備群とされ、全国平均(2012年調査)より約13ポイントも高い。県民の人口10万人対の糖尿病死亡率は14.4人で、全国平均の11.5人よりも高い。

 香川県の人口10万人当たりの糖尿病受療率(患者数)は2011年調査では308人(全国平均は185人)と全国ワースト2位だった。2008年はワースト1位だったという「糖尿病県」だ。

「うどん県」香川 「サラダうどん」で野菜を摂取
 糖尿病人口が多い原因のひとつとして、「讃岐うどん」が指摘されている。「うどん県」として知られる香川県。統計によると、香川県内には約900軒のうどん店があり、うどん消費量は全国平均の2倍強。1人当たり2日に1食(1玉:200g)を口にしている計算になるという。

 うどんに天ぷら、おにぎりやいなりずしをトッピングするのは香川ではメジャーだ。毎日、昼食にこうした食事となれば、栄養も偏り、糖尿病リスクも高まる。炭水化物と脂肪の過剰摂取が、糖尿病の呼び水となっているおそれがある。

 県によると、うどん自体は悪くないが、食べ方が問題だという。962人を対象とした調査では、うどんを食べる人の野菜摂取量は240gで、野菜が100g以上不足していることが判明した。

 香川県民の野菜摂取量は、2006〜2010年「国民健康・栄養調査」で、男性全国ワースト2位(266g)、女性全国ワースト1位(229g)となっている。健康日本21では、成人の1日あたりの野菜の摂取量を350g以上と定めており、県民の野菜摂取量は目標を大きく下回っている。

 県では、うどん店での野菜摂取量アップを目指して、県内の約200店舗を掲載した「ヘルシーうどん店」マップを作成し配布している。うどんにおでんや野菜の天ぷら、野菜の小鉢を添えたり、野菜たっぷりうどんメニューを選ぶなど、よりヘルシーなうどんの食べ方を紹介している。

 うどんはつるつる、しこしこを楽しむのもいいが、「うどんを食べるときは、おひたしや煮物やサラダをもう一品増やして、1日350gの野菜を目指そう」と呼びかけている。

小学生にも糖尿病検査 子供のうちから生活習慣の見直しを促す
 糖尿病の原因はひとつではなく、複合的な要素がからんでいる。運動量でみると、香川県男性の1日の歩行数は6,695歩と、全国平均を500歩以上下回る。東京都民と比べると1,000歩以上少ない。東京は地下鉄の乗り換えなどで歩く機会が意外と多いが、公共交通が限られる香川は典型的なクルマ社会。朝から晩まで移動はすべて車、という人も少なくない。

 県は2012年度から、県内小中学校で実施する血液検査を含む小児生活習慣病予防健診にもとづく実態把握を開始した。糖尿病予防のため、全県の都道府県単位で小学生の血液検査が実施されるのは全国でもはじめて。

 血液検査を受けることで、小学生のうちから生活習慣を見直すことを促すことにもなる。子供の健康状態を把握するとともに、子供を通じて保護者にも、糖尿病をはじめとする生活習慣病の予防について啓発するのが狙いだ。

 また、地域医療機関の連携で重症化を防ぐために、香川大学医学部や県、県医師会などで結成し糖尿病克服プロジェクトチーム「チーム香川」が結成された。市民公開講座や世界糖尿病デーイベントで糖尿病に関する情報を発信するほか、各地域の医師を集めて開催する勉強会や医療ITの活用などで糖尿病治療のレベルアップをはかっている。

 2003年から、県内では「K-MIX(かがわ遠隔医療ネットワーク)」と呼ばれる、ITによる全県的な医療連携が導入されている。カルテや画像など治療に必要な患者のデータを電子化し、地域の基幹病院や診療所、検査機関で共有できるシステムで、現在110の医療機関が参加している。K-MIXは他県に先駆けたシステムで、かかりつけ医と専門医をつなぐことで、地域医療の向上が期待できるという。

香川県
かがわ糖尿病予防ナビ
ヘルシーうどん店マップ
かがわ遠隔医療ネットワーク(K-MIX)

© 2014 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

「なぜ運動が良いのか」メカニズムを解明 筋肉ホルモンが心臓を保護 2018.10.03
サッカーで糖尿病を予防 サッカーは骨を丈夫にできる最適な運動 2018.10.02
加齢や健康について周囲に話せるシニアは「幸せ度」が高い 意識調査 2018.10.02
乳がんの新たな検査法を開発 マンモグラフィーの欠点を克服 神戸大 2018.10.02
【9/10〜9/16は自殺予防週間】SNS(LINE・チャット)相談できます! 2018.09.13
「ミドリムシ」の成分が血糖値の上昇を抑制 期待できる健康効果 2018.09.13
糖尿病患者さんに向けて「血糖トレンド」啓発キャンペーンを始動 2018.09.06
「コーヒーは健康に良い」は本当か 何杯までなら飲んで良いのか? 2018.08.30
「第4回がん撲滅サミット」を11月18日(日)に東京ビッグサイトで開催 2018.08.30
介護予防に効果がある「百歳体操」の動画 大阪市が吉本興業と共同制作 2018.08.30
簡単な体力テストで糖尿病リスクが判明 握力やバランス感覚が重要 2018.08.24
「社会的な孤立」「閉じこもり」は危険 高齢者の死亡リスクが2倍超に 2018.08.07
「介護離職」が年間に9.9万人 働きながら介護は346万人 「介護離職ゼロ」の目標遠く 2018.08.07
世界の8.5億人が「腎臓病」 腎臓病の恐ろしさを知らない人が大半 2018.07.20
【健やか21】避難所生活で健康に過ごすための注意点(厚労省) 2018.07.20
「入浴」に健康増進のプラス効果 週5回以上の入浴が心血管を保護 2018.07.20
【健やか21】平成30年度 家族や地域の大切さに関する作品コンクール 2018.07.17
「熱中症」と「エコノミークラス症候群」を予防する方法 被災地で緊急課題に 2018.07.17
子育て中の親のスマホ依存が子どもに悪影響 スマホを置いて対話を 2018.07.17
「超加工食品」がメタボ・糖尿病・がんのリスクを高める 保健指導にも影響 2018.06.28
作りおきに「食中毒」リスク 冷蔵庫保管でも「においで判断」はNG 2018.06.28
「笑い」が糖尿病やメタボ、がんを改善 よく笑うと健康効果を得られる 2018.06.06
「ミドリムシ」からメタボを改善する成分 「痩せるホルモン」を促進 2018.06.06
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化 2018.05.02
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を 2018.05.02
【連載紹介】何をどう食べるか―体験から得た震災時の食の"知恵袋" 2018.05.02
「プロポリス」が認知機能の低下を抑制 7年間の国際研究で判明 2018.04.27
【健やか21】平成30年度「児童虐待防止推進月間」の標語を募集します! 2018.04.27
夏の夜は「心筋梗塞」の増加に注意 季節の日照時間によって発症に差 2018.04.26
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」 2018.04.19
Copyright ©1998-2013 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。
日本臨床内科医会プロジェクト
大人の健康生活ガイド facebook
更新情報配信中!
あなたの年代の“平均余命”
知っていますか??
お住まいの地域の「健康リスク」
“死因別死亡率”
病気別ガイド - 原因・症状・対策 -
あなたの脳は大丈夫?

第11回 読み書き「難読漢字・花偏」

難読漢字の読みに挑戦する問題です。何故そのような漢字になったのか調べてみるのも脳の活性化につながります。(2013/2/20)

 続きはこちら