緑茶やコーヒーを飲んで健康管理 糖尿病や脳卒中のリスクを低減
2014年6月10日 13:46
 緑茶やコーヒーを身近な嗜好品として楽しんでいる人は多い。その緑茶やコーヒーに、健康を増進する効果があるという研究が相次いで発表されている。糖尿病や脳卒中の予防効果があるという。

 緑茶やコーヒーに糖尿病や脳卒中のリスクを低減する効果がみられる理由は、はっきりと分かっていないが、研究者は、緑茶にはカテキン、コーヒーにはポリフェノールであるクロロゲン酸が含まれることを指摘している。

 緑茶に含まれるカテキンには、抗酸化作用、抗炎症作用、抗血栓作用などの、血管を保護する効果がある。また、コーヒーに含まれるクロロゲン酸にも抗酸化作用があり、動脈硬化などの予防に有効であると考えられている。

緑茶を飲み続けると血糖値が低下
 ペンシルヴァニア州立大学農学部の研究チームは、マウスを使った実験で、緑茶の成分を摂取すると糖尿病と関連のある検査値が低下することを確かめた。

 糖尿病のマウスに緑茶の抽出物を摂取させ、運動をさせたところ、16週間後に、体重は27.1%、腹部脂肪は36.6%減少した。空腹時血糖値は17%低下し、インスリン値も65%低下し、インスリン抵抗性は65%減少したことが明らかになった。

 緑茶成分を摂取しなかったり、運動をしなかったマウスでは、体重や糖尿病の検査値の改善はみられなかった。マウスが摂取した緑茶の量は、人間では1日8〜10杯に相当するという。緑茶を多めに飲む人の摂取量に近い量だ。

 緑茶にはカテキンや天然の抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富に含まれる。マウス以外の動物実験でも、緑茶のポリフェノールに肥満を予防する効果があることが確かめられている。

 「緑茶には糖尿病を改善する効果があることが明らかになりました。ただし、運動をしなければ、緑茶の成分をいかすことはできません。運動と緑茶の摂取の両方を行うことが重要です」と、同大学のジョシュア ランベルト准教授(食料科学)は言う。

 今回の実験では、カフェイン抜きの緑茶を使用したが、緑茶にはカフェインも含まれる。このカフェインの作用も無視できない。カフェインには身体のエネルギー消費を促す作用があるからだ。マウスにカフェインのみを摂取させた実験では、基礎代謝が向上し、エネルギー消費が増えることが確かめられた。

コーヒーの糖尿病の発症を予防する効果
 コーヒーを飲む習慣のある人は、まったく飲まない人に比べ、2型糖尿病を発症する割合が低いという研究結果が、欧州糖尿病学会(EASD)の学会誌「ダイアビトロジア(Diabetologia)」に発表された。

 研究チームは、米国で行われている3件の大規模な前向き研究の約12万人のデータを解析した。「看護師の健康に関する研究I」に参加した4万8,464人、「看護師の健康に関する研究II」に参加した4万7,510、「医療従事者追跡研究」に参加した2万7,759人を対象に調査した。

 食生活やライフスタイルと、2型糖尿病の発症との関連を、20年以上追跡して調べたところ、1日のコーヒーの摂取量を4年間に1.5杯分ほど増やした人は、同じ量のコーヒーを飲み続けた人よりも2型糖尿病にかかる可能性が11%低いことが判明した。

 さらに、コーヒーを飲む量を、1日に1〜2杯減らした人では、糖尿病のリスクは17%高くなっていた。また、コーヒーの摂取量がもっとも多かったグループは1日3杯以上を飲んでおり、2型糖尿病のリスクはもっとも低く、1日1杯以下の人と比べて37%低かった。カフェイン抜きのコーヒーでは、摂取量の変化と2型糖尿病リスクとの間に関連性はみつからなかったという。

 研究を行った米ハーバード公衆衛生大学院のシルパ ブパシラジュ氏は、「コーヒーに含まれるカフェイン、ポリフェノール、マグネシウムなどの成分に、糖尿病発症を抑える効果がある可能性がある」と指摘している。

 ただし、コーヒーでカフェインを大量に摂取すると、イライラしたり、頭痛が起こることがあるという。「カフェインの大量摂取は危険が伴います。また、コーヒーに大量の砂糖が入っている場合もあります。コーヒーが良い影響を及ぼすからといって、飲む量を大きく増やすことは考えるべきではありません」と、ブパシラジュ氏は付け加えている。

緑茶やコーヒーを飲む習慣があると脳卒中リスクが低下
 国立循環器病研究センターなどの研究チームは、緑茶やコーヒーに脳卒中リスクを低減する効果があることを、8万人以上の研究調査であきらかにしている。

 脳卒中のリスクは、毎日2〜3杯の緑茶を飲んでいる人では14%、4杯以上の緑茶を飲む人では20%、ほとんど飲まない人に比べて減少した。また、毎日1杯以上のコーヒーを飲んでいる人は、ほとんど飲まない人に比べて、脳卒中のリスクが20%減少した。

 毎日1杯以上のコーヒーや2杯以上の緑茶を飲む人は、どちらの飲料もほとんど飲まない人に比べて大脳内出血のリスクが32%減少した。大脳内出血は血管が破裂して脳内で出血することで起こる。

 「毎日の食事に緑茶やコーヒーを加えることで、脳卒中のリスクは減少します。ささやかでも前向きな生活スタイルの変化といえます」と研究者は述べている。

Research suggests that green tea, exercise boost weight loss, health(ペンシルヴァニア州立大学 2014年4月2日)
Increasing daily coffee consumption may reduce type 2 diabetes risk(ハーバード公衆衛生大学院 2014年4月24日)

© 2014 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

「なぜ運動が良いのか」メカニズムを解明 筋肉ホルモンが心臓を保護 2018.10.03
サッカーで糖尿病を予防 サッカーは骨を丈夫にできる最適な運動 2018.10.02
加齢や健康について周囲に話せるシニアは「幸せ度」が高い 意識調査 2018.10.02
乳がんの新たな検査法を開発 マンモグラフィーの欠点を克服 神戸大 2018.10.02
【9/10〜9/16は自殺予防週間】SNS(LINE・チャット)相談できます! 2018.09.13
「ミドリムシ」の成分が血糖値の上昇を抑制 期待できる健康効果 2018.09.13
糖尿病患者さんに向けて「血糖トレンド」啓発キャンペーンを始動 2018.09.06
「コーヒーは健康に良い」は本当か 何杯までなら飲んで良いのか? 2018.08.30
「第4回がん撲滅サミット」を11月18日(日)に東京ビッグサイトで開催 2018.08.30
介護予防に効果がある「百歳体操」の動画 大阪市が吉本興業と共同制作 2018.08.30
簡単な体力テストで糖尿病リスクが判明 握力やバランス感覚が重要 2018.08.24
「社会的な孤立」「閉じこもり」は危険 高齢者の死亡リスクが2倍超に 2018.08.07
「介護離職」が年間に9.9万人 働きながら介護は346万人 「介護離職ゼロ」の目標遠く 2018.08.07
世界の8.5億人が「腎臓病」 腎臓病の恐ろしさを知らない人が大半 2018.07.20
【健やか21】避難所生活で健康に過ごすための注意点(厚労省) 2018.07.20
「入浴」に健康増進のプラス効果 週5回以上の入浴が心血管を保護 2018.07.20
【健やか21】平成30年度 家族や地域の大切さに関する作品コンクール 2018.07.17
「熱中症」と「エコノミークラス症候群」を予防する方法 被災地で緊急課題に 2018.07.17
子育て中の親のスマホ依存が子どもに悪影響 スマホを置いて対話を 2018.07.17
「超加工食品」がメタボ・糖尿病・がんのリスクを高める 保健指導にも影響 2018.06.28
作りおきに「食中毒」リスク 冷蔵庫保管でも「においで判断」はNG 2018.06.28
「笑い」が糖尿病やメタボ、がんを改善 よく笑うと健康効果を得られる 2018.06.06
「ミドリムシ」からメタボを改善する成分 「痩せるホルモン」を促進 2018.06.06
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化 2018.05.02
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を 2018.05.02
【連載紹介】何をどう食べるか―体験から得た震災時の食の"知恵袋" 2018.05.02
「プロポリス」が認知機能の低下を抑制 7年間の国際研究で判明 2018.04.27
【健やか21】平成30年度「児童虐待防止推進月間」の標語を募集します! 2018.04.27
夏の夜は「心筋梗塞」の増加に注意 季節の日照時間によって発症に差 2018.04.26
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」 2018.04.19
Copyright ©1998-2013 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。
日本臨床内科医会プロジェクト
大人の健康生活ガイド facebook
更新情報配信中!
あなたの年代の“平均余命”
知っていますか??
お住まいの地域の「健康リスク」
“死因別死亡率”
病気別ガイド - 原因・症状・対策 -
あなたの脳は大丈夫?

第11回 読み書き「難読漢字・花偏」

難読漢字の読みに挑戦する問題です。何故そのような漢字になったのか調べてみるのも脳の活性化につながります。(2013/2/20)

 続きはこちら