「ごはんを中心とした和食」は世界に誇れる健康食 栄養バランスが改善
2014年6月11日 17:14
 「ごはんを中心とした和食」はユネスコの無形文化遺産にも登録され、健康的な食事スタイルとして世界的に注目されている。海外でも和食の健康増進の効果は注目されている。

 肥満予防・改善のために、ごはんを主食とした日本の食文化の再評価が始まっている。和食を活用することが、糖尿病の予防・改善や、良好な血糖コントロールを維持するためにも効果的だ。

 和食では、「一汁三菜」、「主食・主菜・副菜・汁物」といった構成が伝統になっている。そして和食のおかずとして、魚が多く使われ、豆腐や納豆などの豆類が多く、野菜が豊富で脂肪が少ないことが特徴だ。

 和食の特徴として挙げられるのは、「季節感を大切にした演出と味わい」、「さまざまな食材と調理法」、「素材の味を引き出した絶妙な味わい」、「脂質が少なく健康的」という点だ。

米を主食にしている人は栄養バランスが良い
 「ごはんを主食とした和食」は日本人がもっている伝統的な食文化だ。日本は世界有数の長寿国であり、伝統的な和食(日本食)が健康に寄与していることは、海外からも指摘されている。

 米ベイラー医科大学のテリーザ ニクラス教授(予防医学)は、米国で"ごはん"を中心とした食生活と栄養摂取との関連を調べた研究を、科学誌「フード アンド ニュートリション サイエンス」に発表した。

 日本人になじみの深い米について、2005〜10年に実施された「米国健康・栄養調査」(NHANES)に参加した1万4,386人の米国成人を対象に調査を行った。

 その結果、米をふだんから主食としている人は、米国の食事ガイドラインで示されたものに近い食事スタイルをもっており、飽和脂肪や糖質の過剰な摂取が抑えられていた一方で、食物繊維、葉酸、マグネシウム、カリウム、鉄などの摂取量が多いことが分かった。

 「ごはんはさまざまな主菜や副菜と相性が良く、野菜、肉類、豆類などをバランス良く取り入れることができます。ごはんを主食としている人では、体に悪い飽和脂肪酸の摂取が少なく、体に良い不飽和脂肪酸の摂取が多いことが判明しました」と、ニクラス教授は話す。

 健康的な食事をとっている人で共通してみられるのは次の点だ。

・ 主食はご飯。玄米や胚芽米を取り入れると、食物繊維やビタミンBなども摂ることができる。ただし、主食をたくさんとる必要はなく、むしろ副菜で不足している栄養素を補うべきである。

・ その土地で摂れる新鮮な「旬のもの」を副菜としてとる。ただし、調理の際は油脂をあまり使わないこと。

・ 野菜・海藻など植物性の食品が中心。たんぱく質は主に大豆や魚(いずれも良質なタンパク源)からとる

 特記すべきは、ご飯を主食にすると、特に意識しなくても、一見質素なおかずでも、十分においしい食事をいただけるということだ。

ごはんはさまざまな食材との組み合わせが可能
 米自体は他の穀物と比べても、特に栄養的に優れているというわけではない。玄米や胚芽米などは、体にいい成分が含まれているものの、大部分は炭水化物からできているという点では、他の穀物と変わらない。

 しかし、「他の食材との相性が良い」という点で、米のごはんには、どの穀物をしのぐ柔軟性がある。

 実際に、パンやめん類に合うもので、ごはんに合わないものは少ないのではないだろうか。食卓に上る料理のほとんどは、ご飯のおかずにしても問題のないものばかりだ。

 さまざまな食材との組み合わせによって、必要な栄養素をふだんの食事から無理なく摂取できるのが、ごはんを中心とした和食の魅力だ。

 一方で、欧米型の食事スタイルでは、単純糖質や飽和脂肪酸を過剰に摂取してしまう傾向があり、カロリーが多いわりに必須栄養素が不足しがちになる。

 そのため、エネルギー必要量が充足しても栄養素が不足したり、逆に栄養素が充足してもカロリー摂取量が過多となる事態が起こりがちだ。

 これに対し、飽和脂肪酸や単純糖質の少ない食事を摂取すると、カロリー必要量より10%ほど少ないエネルギー量で必須栄養素を充足できる。栄養素とカロリーのバランスからみて、和食は自由度の高い食事スタイルといえる。

Rice Consumption Is Associated with Better Nutrient Intake and Diet Quality in Adults: National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES) 2005-2010(フード アンド ニュートリション サイエンス 2014年5月)

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