「食品の糖分を知ろう」と専門家 スムージーやグラノーラにも注意
2014年7月 4日 12:02
 「この食品には糖分が多く含まれ、あなたの健康を害するおそれがあります」――こんな食品表示が普及するかもしれない。糖分がたっぷり含まれる高カロリーのジュースや炭酸飲料の缶、ペットボトル、紙パックなどのパッケージに、含まれる糖分についての警告ラベルを表示するべきだと、英国の研究者は主張している。
過剰な糖分が健康にもたらすダメージは大きい
 警告ラベルの必要性を訴えているのは、リバプール大学のサイモン ケープウェル教授(公衆衛生学)ら。「糖分の多い食品は、たばこと同様に依存性があります。2型糖尿病や肥満の原因となり、健康へのダメージも大きい」と指摘している。

 糖分が多く含まれる高カロリーの食品の消費量を減らそうと、英国で「アクション オン シュガー」というキャンペーンが展開されている。

 「糖分の多い食品は口当たりが良いので、多くの食品に糖分が多く含まれます。しかし、そうした食品は高カロリーで、肥満の原因になります。スーパーや食料品店では、そうした食品を手に取るときは、パッケージに表示された栄養成分表示を良く見るべきです」と、リバプール大学のサイモン ケープウェル教授(公衆衛生学)は言う。

 英国政府が支援し、英ロンドン大学が中心となり25人の健康医療の研究者が参加し、「塩分制限と健康のための一致行動(Consensus Action on Salt and Health)」というキャンペーンが展開されている。塩分摂取を減らすよう、消費者や食品メーカーに働きかけている。

 こうした啓発キャンペーンが功を奏し、英国人の1日の塩分摂取量は、9.5g(2003年)から8.1g(2011年)へと、15%も減少した。それに合わせて血圧も低下してきた。平均血圧は、最高(収縮期)血圧が3mmHg、最低(拡張期)血圧が1.4mmHg低下した。

食品の含まれる糖分を5年間で20〜30%減少
 「塩分制限のキャンペーンは成功をおさめました。同様のことが、糖分に対してもできるはずです。お菓子やジュースに含まれる砂糖やブドウ糖、果糖などは、吸収の早い単純糖分です。その量を減らしたり、より吸収の遅い糖分に置き換えれば、全体のカロリー摂取量を減らすことができます」と、ケープウェル教授は説明する。

 食品メーカーや小売店業界の協力を得ながら、食品の含まれる糖分を5年間で20〜30%減らすのが目標だという。これは1日の摂取カロリーでは平均で100kcalに相当する。

 英国では2型糖尿病や肥満の医療費が年間8,600億円(50億ポンド)に上る。肥満を予防できれば、医療費も削減できるようになる。

 同様の試みは先進国を中心に広がっている。英国と同様に、肥満が社会問題となっている米国では、カルフォルニア州が高カロリーの清涼飲料への警告ラベル表示の義務化を検討中だという。背景にあるのは、過剰な糖分摂取が起こす健康への悪影響だ。

 「たばこの警告ラベルも、現在では世界中で一般的に普及しています。高塩分や高糖分の食品は、たばこと同様に健康にもたらす害は大きいのです。高カロリーの清涼飲料やジャンクフードを減らして、より健康的な食品を増やす対策を、世界規模で行う必要があります」と、強調している。

ヘルシーと思われている「要注意の食品」 スムージーやグラノーラも
 「脂質ゼロ」、「フルーツたっぷり」、「食物繊維たっぷり」、「雑穀入り」などとパッケージにうたわれていると、「健康食」と思い込みがちだ。しかし、中には宣伝文句とは逆に糖分が多く、健康にマイナスの影響をもたらすものもある。

 専門家は「健康に良いと思われている不健康なスナックに注意が必要」と指摘している。

・ スムージー
 健康的な食品の代表として人気の高いスムージーは、材料に何が使われているのかが分かりにくいのが欠点。スムージーには糖分を加えたものが多いので、何が材料に使われているか確認しよう。
 例えば、ごぼうやれんこんなどといった根菜類や、ジャガイモやサツマイモなどのいも類は、野菜の中でも糖分が多いので注意が必要。
 ほかに糖分が意外に多い食品といえば果物。特にバナナは炭水化物が多く、血糖値を上げるので、避けた方が無難。とるとしたら運動の前後に少量で十分だ。

・ グラノーラ
 スムージーと同様に、材料に何が使われているかが分かりにくい。特にフルーツグラノーラは高カロリーのものが多く、おいしいのでついつい食べすぎてしまう。市販されているグラノーラは、糖分を加えてあるものも多いので、栄養表示を必ず見よう。

・ パンケーキ
 近年人気のパンケーキは、卵の多いレシピが人気で、口当たりが軽やか。しかしバターやシロップをたっぷり含ませて食べるので、当然のことながら食べ応えのわりには高カロリーのメニューとなる。

・ スポーツ飲料
 熱中症予防には、こまめな水分補給が欠かせない。しかし、スポーツ飲料には糖分が多く含まれており、特に糖尿病のある方には勧められない。多量に摂取すると高血糖を引き起こし、それにより尿量が増えて体内の水分が奪われ脱水が進行する、という悪循環を招く。水分補給には、水(ミネラルウォーター)やお茶、必要に応じて塩分を摂取するのが最適。

・ 「糖質ゼロ」のアルコール類
 「糖質ゼロ」「糖質オフ」「カロリーオフ」といった表示をしたビールや発泡酒などの酒類が店頭をにぎわしている。酒類のカロリーは、糖分の量よりもアルコール度数の方が影響は大きい。アルコールは栄養表示基準で1g当たり7kcalで計算される。アルコール分5%であれば350mL(レギュラーサイズ)では123kcalが目安になる。

・ 茄子を使ったパスタ
 ナスを食材に使っているとヘルシーな感じがするが、ナスは素材自体は1本20kcal以下で低カロリーだか、油を吸いやすいので注意が必要。ナス1本をカットして素揚げにすると、油のカロリーだけで100kcalを超える量になる。トッピングされているだけで思いのほかカロリーが増えていることを知っておきたい。

・ 揚げ出し豆腐
 豆腐なのでカロリーは低そうだが、揚げ出し豆腐は、片栗粉を使った衣がついていて、しっかり油を吸っているため高カロリー。豆腐自体は低カロリーで良質な食材だが、外食での揚げ物は避けたい。他の食品とのバランスも考えて注文すると良い

・ サンドイッチ
 コンビニなどで売られているラップ入りサンドイッチは、具材にマヨネーズやタルタルソースを使っている卵サンドやツナサンドは、カロリーは500kcal近くある。野菜のサンドイッチであれば、カロリーはおよそ半分になる。

・ そば
 冷たいざるそばは、口あたりがよく、夏にもってこいのメニューだ。しかし、その分ついつい食べ過ぎてしまう人も多いので注意が必要。麺類は多くの炭水化物が含まれ高カロリーだ。
 素麺1束(50g)で172kcalのカロリーがあり、ご飯100g分(茶碗に軽く1杯)に相当する。ふだんはご飯150gしか食べないけれど、そばになると3束を食べてしまうという人は、ご飯300g相当、いつもの2倍も食べていることになる。

・ 冷やし中華
 ラーメンと違ってスープがないのでカロリーが低いと思われがちだが、麺類なのでやはりカロリーは高い。特にゴマダレの冷やし中華はカロリーが高くなる。ゴマやゴマ油自体は良い食品だが、食べ過ぎには気をつけよう。

・ 総菜パン
 甘い菓子パンよりは良いと思い、総菜パンを選ぶ人は少なくないが、パン自体のカロリーが高いうえに、マヨネーズやチーズなどの高カロリー食材がプラスされていることが多い。揚げていない総菜パンでも500kcal近いものが多いので要注意。

"Sugar is the new tobacco" says expert(リバプール大学 2014年1月9日)
Diabetes and Food - What Should I Eat?(オーストラリア糖尿病協会 2014年6月1日)

© 2014 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

「なぜ運動が良いのか」メカニズムを解明 筋肉ホルモンが心臓を保護 2018.10.03
サッカーで糖尿病を予防 サッカーは骨を丈夫にできる最適な運動 2018.10.02
加齢や健康について周囲に話せるシニアは「幸せ度」が高い 意識調査 2018.10.02
乳がんの新たな検査法を開発 マンモグラフィーの欠点を克服 神戸大 2018.10.02
【9/10〜9/16は自殺予防週間】SNS(LINE・チャット)相談できます! 2018.09.13
「ミドリムシ」の成分が血糖値の上昇を抑制 期待できる健康効果 2018.09.13
糖尿病患者さんに向けて「血糖トレンド」啓発キャンペーンを始動 2018.09.06
「コーヒーは健康に良い」は本当か 何杯までなら飲んで良いのか? 2018.08.30
「第4回がん撲滅サミット」を11月18日(日)に東京ビッグサイトで開催 2018.08.30
介護予防に効果がある「百歳体操」の動画 大阪市が吉本興業と共同制作 2018.08.30
簡単な体力テストで糖尿病リスクが判明 握力やバランス感覚が重要 2018.08.24
「社会的な孤立」「閉じこもり」は危険 高齢者の死亡リスクが2倍超に 2018.08.07
「介護離職」が年間に9.9万人 働きながら介護は346万人 「介護離職ゼロ」の目標遠く 2018.08.07
世界の8.5億人が「腎臓病」 腎臓病の恐ろしさを知らない人が大半 2018.07.20
【健やか21】避難所生活で健康に過ごすための注意点(厚労省) 2018.07.20
「入浴」に健康増進のプラス効果 週5回以上の入浴が心血管を保護 2018.07.20
【健やか21】平成30年度 家族や地域の大切さに関する作品コンクール 2018.07.17
「熱中症」と「エコノミークラス症候群」を予防する方法 被災地で緊急課題に 2018.07.17
子育て中の親のスマホ依存が子どもに悪影響 スマホを置いて対話を 2018.07.17
「超加工食品」がメタボ・糖尿病・がんのリスクを高める 保健指導にも影響 2018.06.28
作りおきに「食中毒」リスク 冷蔵庫保管でも「においで判断」はNG 2018.06.28
「笑い」が糖尿病やメタボ、がんを改善 よく笑うと健康効果を得られる 2018.06.06
「ミドリムシ」からメタボを改善する成分 「痩せるホルモン」を促進 2018.06.06
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化 2018.05.02
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を 2018.05.02
【連載紹介】何をどう食べるか―体験から得た震災時の食の"知恵袋" 2018.05.02
「プロポリス」が認知機能の低下を抑制 7年間の国際研究で判明 2018.04.27
【健やか21】平成30年度「児童虐待防止推進月間」の標語を募集します! 2018.04.27
夏の夜は「心筋梗塞」の増加に注意 季節の日照時間によって発症に差 2018.04.26
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」 2018.04.19
Copyright ©1998-2013 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。
日本臨床内科医会プロジェクト
大人の健康生活ガイド facebook
更新情報配信中!
あなたの年代の“平均余命”
知っていますか??
お住まいの地域の「健康リスク」
“死因別死亡率”
病気別ガイド - 原因・症状・対策 -
あなたの脳は大丈夫?

第11回 読み書き「難読漢字・花偏」

難読漢字の読みに挑戦する問題です。何故そのような漢字になったのか調べてみるのも脳の活性化につながります。(2013/2/20)

 続きはこちら