沖縄が示す「短命化社会」 長寿県の復活に向けて挑戦
2014年7月 4日 12:03
 かつては「長寿県」といわれていた沖縄は、現在では日本の代表的な「短命化県」だ。長寿県の復活に向けて取り組みが始まっている。
かつての長寿県 現在は日本一の肥満県
 かつては「長寿県」といわれていた沖縄では、県民の平均寿命が延び悩んでいる。厚生労働省がまとめた「平成22年都道府県別生命表」によると、沖縄の男性の平均寿命は79.40歳で全国30位、女性の平均寿命は87.02歳で全国3位だった。

 25年前の1985年には男女ともに1位(76.34歳と83.70歳)だった。特に男性は、10年前の2000年の調査で、4位から26位(77.64歳)に大幅に後退し、低落傾向が鮮明になった。

 平均寿命と関連が深い年齢調整死亡率をみると、男女とも20〜64歳の青・壮年層で、心疾患、脳血管疾患、糖尿病など、生活習慣病による死亡率が全国より目立って高くなっている。働き盛りで亡くなる人が多く、65歳以上の平均寿命が全国に比べて長いことを相殺してしまった。

 こうした背景には、県民の過体重や肥満の増加傾向がある。肥満解消が長寿を取り戻す最大のカギとなる。

 県の調査によると、沖縄の肥満者の割合は、男女とも全年齢で全国より高い。男性は、20歳代から3割を超え、40〜50歳代では5割を超えている。女性でも60歳代以上では4割を超えている。

 「平成24年国民健康・栄養調査」の体格の調査では、20〜69歳の体格指数(BMI)の平均は、沖縄は男性が24.3で全国2位で、女性が23.9で全国1位。それぞれ、もっとも低い三重の22.8と21.5を大きく上回った。

沖縄で直面している問題は、10年後に日本全体で起こる可能性が高い
 これまで沖縄の長寿を支えてきた要因は、世界でも注目される伝統的な沖縄料理だ。

 緑黄色野菜や海藻、魚、豆腐などの大豆食品をふんだんに取り入れ、豚肉は下茹でして脂を落として食べていた。こうした食習慣により、栄養バランスを保っていた。

 ところが、戦後こうした食習慣に変化が起こる。米国の占領下となった沖縄では、食生活でも米国の影響を受けた。

 米軍の軍用食料から供出されたコンビーフハッシュやポークランチョンミートやなど加工肉が一般に普及し、大量に消費されるようになった。

 さらに、ハンバーガー、ホットドッグ、ピザ、ビーフステーキ、タコスといった米国スタイルの食事が日本本土よりも早い時期から普及し、1960年代にはファストフードのチェーン店がオープンした。代表的なチェーン店の本土進出より10年近く早かった。

 こういった米国の食文化が根付いたことは沖縄の食に大きな変化をもたらし、特に若い世代では昔ながらの沖縄料理を食べる機会は減っている。

 しかし、こうした問題は沖縄に限ったものではない。沖縄以外でも食の欧米化は進んでおり、近い将来に全国で肥満や生活習慣病が増加する可能性がある。

長寿復活カロリーチェック〜上手に選んだらいいさぁ〜
 沖縄では現在、長寿県の復活に向け「チャーガンジューおきなわ」をスローガンに「健康おきなわ21」を展開し、健康増進に取り組んでいる。チャーガンジューとは沖縄の言葉で「いつまでも元気」という意味。

 沖縄県保健医療福祉事業団は、食品を選ぶだけでカロリーや脂質、塩分、糖分などの摂取量や栄養バランスが分かるウェブサイト「長寿復活カロリーチェック〜上手に選んだらいいさぁ〜」を開設した。

 チェックできるのはカロリーやタンパク質、脂質、炭水化物などの5栄養素。利用者が実際に食べた朝昼夜の3食と間食のメニューを選択すると、1食や1日当たりの摂取量が表示され、標準摂取量と比較でき、過不足があると「注意」が表示される仕組みだ。

 沖縄の郷土料理のチャンプルーやタコライス、天ぷらなどを含む223品の写真の中から食べたものを選ぶだけの簡単な操作で利用できる。

 サイトは管理栄養士が協力して作成された。今後は利用者の要望をもとに、掲載メニューや栄養素の追加などの改良を加えて行くという。

 同事業団は「どのような食事をしたらいいかの参考にしてほしい。ふだん食べている食事のカロリーが意外に高いことに気付くはず。ゲーム感覚で気軽に利用してほしい」と活用を呼びかけている。

健康おきなわ21
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