40歳代の体力低下が20年後の脳の老化を加速 「若い頃から運動を」
2015年4月24日 18:39
 40歳の時点で体力が低下している人は、60歳を過ぎると脳の老化が加速するおれそがあることが、米ボストン大学の研究で判明した。「若い頃から運動をすることが、脳の健康を保つために必要です」と研究者はアドバイスしている。
脳の老化は40歳代から始まっている
 40歳代の時点で運動をする習慣をもたず、体力が低下していると、60歳を過ぎてから脳の容積が減少し、認知機能も低下しやすいという調査結果を、米ボストン大学が米国心臓学会(AHA)の会議で発表した。

 「多くの人は年齢を重ねるまで、自分の脳の健康について気にかけない傾向がありますが、実は脳の老化は40歳代から始まっていることが、今回の調査で明らかなりました。若い頃から対策をする必要があります」と、ボストン大学医学大学院のニコール スパルターノ氏は言う。

 研究チームは、米国で1970年代から行われている心血管系疾患リスクに関する研究である「フラミンガム子孫研究」に参加した1,271人の男女を対象に調査した。

 参加者は、調査開始時点での平均年齢は41歳で、心臓病や認知症を発症していなかった。ウォーキングマシンで負荷の少ない遅めのウォーキングを行い、血圧値と脈拍数をはかった。

 さらに、1999年に脳の磁気共鳴断層検査(MRI)を行った。参加者の平均年齢は59歳になっていた。

 その結果、40歳代に受けた運動テストで、心拍数、拡張期血圧(最低血圧)が大幅に上昇していた、つまり体力のない人たちは、体力のある人たちに比べて、約20年後に大脳の容積が減少していることが分かった。

 また、40歳代に運動テストの評価が低かった人は、記憶力や判断力をみる認知機能テストの成績も良くないことが判明した。

若い頃の体力低下が脳の老化を加速
 具体的には、低負荷のウォーキングを行い、最低血圧が11.1mmHg上昇し、1分間の心拍数が10回増えるごとに、脳の年齢は0.5歳上昇する計算になるという。

 「血圧の変動により高い負荷が加わると、脳の細い血管は損傷を受けやすいのです。血管のダメージは脳に構造的な変化をもたらし、認知機能にも影響します」と、スパルターノ氏は説明する。

 今回の研究は、若い頃から運動をすることが重要であることを裏付ける結果になった。40歳の頃に、ウォーキングをすると血圧値と脈拍数が上昇しやすいという人は注意が必要だ。

 「運動を習慣として続けていれば、血圧値と脈拍数は上昇しにくくなります。運動をすることは、脳の健康にとっても良いことなのです」と、スパルターノ氏は述べている。

 「60歳の時点で体力が低下していて、血圧値と脈拍数が上昇しやすい人は、さらに10年後に認知症を発症しやすい可能性があります。今後の研究で確かめる必要があります」としている。

Being Fit At 40 May Keep Brain Sharp At 60, BUSM Study(ボストン大学 2015年3月10日)
Relations of Midlife Exercise Blood Pressure, Heart Rate and Fitness to Late Life Brain Structure and Function(米国心臓学会 2015年3月10日)

© 2014 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

「なぜ運動が良いのか」メカニズムを解明 筋肉ホルモンが心臓を保護 2018.10.03
サッカーで糖尿病を予防 サッカーは骨を丈夫にできる最適な運動 2018.10.02
加齢や健康について周囲に話せるシニアは「幸せ度」が高い 意識調査 2018.10.02
乳がんの新たな検査法を開発 マンモグラフィーの欠点を克服 神戸大 2018.10.02
【9/10〜9/16は自殺予防週間】SNS(LINE・チャット)相談できます! 2018.09.13
「ミドリムシ」の成分が血糖値の上昇を抑制 期待できる健康効果 2018.09.13
糖尿病患者さんに向けて「血糖トレンド」啓発キャンペーンを始動 2018.09.06
「コーヒーは健康に良い」は本当か 何杯までなら飲んで良いのか? 2018.08.30
「第4回がん撲滅サミット」を11月18日(日)に東京ビッグサイトで開催 2018.08.30
介護予防に効果がある「百歳体操」の動画 大阪市が吉本興業と共同制作 2018.08.30
簡単な体力テストで糖尿病リスクが判明 握力やバランス感覚が重要 2018.08.24
「社会的な孤立」「閉じこもり」は危険 高齢者の死亡リスクが2倍超に 2018.08.07
「介護離職」が年間に9.9万人 働きながら介護は346万人 「介護離職ゼロ」の目標遠く 2018.08.07
世界の8.5億人が「腎臓病」 腎臓病の恐ろしさを知らない人が大半 2018.07.20
【健やか21】避難所生活で健康に過ごすための注意点(厚労省) 2018.07.20
「入浴」に健康増進のプラス効果 週5回以上の入浴が心血管を保護 2018.07.20
【健やか21】平成30年度 家族や地域の大切さに関する作品コンクール 2018.07.17
「熱中症」と「エコノミークラス症候群」を予防する方法 被災地で緊急課題に 2018.07.17
子育て中の親のスマホ依存が子どもに悪影響 スマホを置いて対話を 2018.07.17
「超加工食品」がメタボ・糖尿病・がんのリスクを高める 保健指導にも影響 2018.06.28
作りおきに「食中毒」リスク 冷蔵庫保管でも「においで判断」はNG 2018.06.28
「笑い」が糖尿病やメタボ、がんを改善 よく笑うと健康効果を得られる 2018.06.06
「ミドリムシ」からメタボを改善する成分 「痩せるホルモン」を促進 2018.06.06
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化 2018.05.02
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を 2018.05.02
【連載紹介】何をどう食べるか―体験から得た震災時の食の"知恵袋" 2018.05.02
「プロポリス」が認知機能の低下を抑制 7年間の国際研究で判明 2018.04.27
【健やか21】平成30年度「児童虐待防止推進月間」の標語を募集します! 2018.04.27
夏の夜は「心筋梗塞」の増加に注意 季節の日照時間によって発症に差 2018.04.26
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」 2018.04.19
Copyright ©1998-2013 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。
日本臨床内科医会プロジェクト
大人の健康生活ガイド facebook
更新情報配信中!
あなたの年代の“平均余命”
知っていますか??
お住まいの地域の「健康リスク」
“死因別死亡率”
病気別ガイド - 原因・症状・対策 -
あなたの脳は大丈夫?

第11回 読み書き「難読漢字・花偏」

難読漢字の読みに挑戦する問題です。何故そのような漢字になったのか調べてみるのも脳の活性化につながります。(2013/2/20)

 続きはこちら