「健康食品」の健康被害に注意 メッセージを公開 食品安全委員会
2015年12月 9日 13:09
 内閣府食品安全委員会は「いわゆる『健康食品』に関する報告書」を公表した。健康食品の中には「科学的研究が少なく、安全性や有効性が確立していない」ものもあり、利用する前に本当に必要かを考えるよう注意を促している。
「健康食品」による健康被害に注意喚起
 いわゆる「健康食品」は、医薬品のようにカプセルや錠剤の形をしたサプリメント、「健康に良い」成分を添加した飲料や食品など、さまざまなものが売られている。「健康食品」の市場は拡大しており、国民のおよそ半分が「健康食品」を利用しているという調査結果がある。

 報告書では「現在の日本人が通常の食事をしていて欠乏症を起こすビタミンやミネラルはあまりない」と説明。サプリメントでビタミンやミネラルを摂取すると過剰摂取のリスクがあると注意を喚起している。

 「健康食品」の利用者の4%で体の不調が起きたといの報告があり、発疹などのアレルギー症状、胃部不快感・下痢等の消化器症状、頭痛・めまい、肝障害などが健康被害としてよくみられるという。米国では、年間約2万3,000件の救急受診がサプリメントに関連すると推定されており、減量や体力増強を目的とした商品により心血管症状が起きた事例や、高齢者では微量栄養素の摂取に関連した嚥下障害が多いとの報告がある。

 内閣府食品安全委員会は「健康食品で逆に健康を害することもある。科学的な考え方をもって、食品を摂るかどうか判断してほしい」と注意を促している。また、健康食品は品質管理の規制の対象になっていないことや、医薬品と併用すると薬の効果が弱まったり強くなりすぎたりする可能性もあることなどを指摘し、安全性に関する注意点を挙げている。

「健康食品」に関するメッセージ(内閣府食品安全委員会)より

「食品」であっても安全とは限りません。
・ 健康被害のリスクはあらゆる食品にあります。身近な「健康食品」にも健康被害が報告されています。
・ 「天然」「ナチュラル」「自然」のものが、安全であるとは限りません。これは食品全般に言えることです。
・ 栄養素や食品についての評価は、食生活の変化や科学の進展などにより変わることがあります。健康に良いとされていた成分や食品が、その後、別の面から健康を害するとわかることも少なくありません。

多量に摂ると健康を害するリスクが高まります。
・ 錠剤・カプセル・粉末・顆粒の形態のサプリメントは、通常の食品よりも容易に多量を摂ってしまいやすいので注意が必要です。

ビタミン・ミネラルをサプリメントで摂ると過剰摂取のリスクがあります。
・ 現在の日本では、通常の食事をしていればビタミン・ミネラルの欠乏症が問題となることはまれであり、ビタミン・ミネラルをサプリメントで補給する必要性を示すデータは今のところありません。健全な食生活が健康の基本です。
・ むしろサプリメントからの摂り過ぎが健康被害を起こすことがあります。特にセレン、鉄、ビタミンA、ビタミンDには要注意です。

「健康食品」は医薬品ではありません。品質の管理は製造者任せです。
・ 病気を治すものではないので、自己判断で医薬品から換えることは危険です。
・ 品質が不均一、表示通りの成分が入っていない、成分が溶けないなど、問題ある製品もあります。成分量が表示より多かったために健康被害を起こした例があります。

誰かにとって良い「健康食品」があなたにとっても良いとは限りません。
・ 摂取する人の状態や摂取量・摂取期間によって、安全性や効果も変わります。
・ 限られた条件での試験、動物や細胞を用いた実験のみでは効果の科学的な根拠にはなりません。口コミや体験談、販売広告などの情報を鵜呑みにせず、信頼のできる情報※をもとに、今の自分とって、本当に安全なのか、役立つのかを考えてください。

「健康食品」に関するメッセージ(内閣府食品安全委員会)
「健康食品」に関する報告書(内閣府食品安全委員会)
「健康食品」に関する情報(Q&A)(内閣府食品安全委員会)
いわゆる「健康食品」に関する検討ワーキンググループ 第4回会合(内閣府食品安全委員会 2015年11月25日)

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