アルコール依存症 医療機関以外の相談先を知らない人がほとんど
2016年9月21日 15:33
 アルコール依存症が疑われる場合の相談先として、7割以上の人が「医療機関」を挙げていることが、内閣府の世論調査で分かった。一方で、保健所などの「公的機関」は34%、当事者や家族でつくる「自助グループ」は18%にとどまった。内閣府は、切れ目のない支援を受けるために、医療機関以外の相談先を合わせて利用することも必要だとしている。
9割の人が相談窓口を知っていれば「相談する」
 アルコール依存症については、政府が5月に「アルコール健康障害対策推進基本計画」を策定。「普通に飲酒をしている人でも、きっかけがあればアルコール依存症に陥る可能性がある」とし、アルコール健康障害に関する予防および相談から治療、回復支援に至る切れ目のない支援体制を整備する必要があると定めた。

 調査は7月28日から8月7日まで、全国の18歳以上の3,000人を対象に実施し、1,816人から回答を得た。

 アルコール依存症が疑われる場合の相談先を聞いたところ、もっとも多かった回答は「医療機関」(76.2%)だった。次いで精神保健福祉センターや保健所などの「公的機関」(33.9%)、依存症の当事者や家族がつくる「自助グループ」(18.2%)、自助グループ以外のNPOなどの「民間団体」(9.4%)という順になった(複数回答)。

 自分自身や家族にアルコール依存症が疑われる場合、窓口を知っていれば相談するかどうか尋ねたところ、88.1%が「相談する」と答えた。

 一方、「相談しない」と答えた人は、その理由として、「相談する必要性を感じない」(28.8%)、「どのような対応をしてもらえるか不安だから」(19.8%)、「相談をすることが恥ずかしい」(11.8%)、「アルコール依存症と認めたくない」(9.4%)などを挙げた(複数回答)。
誰もがアルコール依存症になる可能性がある
 アルコール依存症について知っていることを聞いたところ、「飲酒をコントロールすることができない精神疾患」(68.5%)、「飲酒をしていれば、誰もが依存症になる可能性がある」(40.1%)、「アルコール依存症はゆっくり進行していくため、依存が作られている途中では自分では気付かない」(39.8%)などが上位を占めた(複数回答)。

 アルコール依存症とうつ病などの精神疾患の併発が社会問題化している実態を反映した結果で、内閣府の担当者は「正しい認識をもっている人も多いが、相談の必要性を感じていながら、具体的な相談先がわからない人が一定数いることが分かった」と述べている。

 政府の基本計画では、アルコール健康障害について、▽早期介入、▽地域における相談拠点の明確化、▽患者と家族を相談、治療、回復支援につなぐための連携体制の推進、▽治療等の拠点となる専門医療機関の整備――などの課題が挙げられている。

相談先一覧+相談のヒント(内閣府 アルコール関連問題啓発サイト)
アルコール専門医療施設リスト(国立病院機構久里浜医療センター)
アルコール健康障害対策(内閣府)
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