「春バテ」の時季が到来 寒暖差や新生活ストレスで自律神経に乱れ
2017年3月30日 14:02
 春に精神的、身体的になんらかの不調が起こる「春バテ」を、9割の人が感じていることが明らかになった。「ウーマンウェルネス協会」は「春バテ」の対処法を公開している。
9割が「春バテ」を経験
寒暖差や環境の変化が原因
 女性のライフステージごとに異なる心身不調や、健康知識に関する情報を発信している「ウーマンウェルネス協会」は、春の不調「春バテ」に関する意識調査を首都圏在住629人(20~50代男女)に実施した。

 調査の結果、約9割(男性87.2%、女性93.3%)の方が、春(3~5月)に精神的、身体的になんらかの不調を感じたことがあるという結果になった。

 症状としては、「昼間眠い」(57%)、「身体がだるい」(57%)、「肩がこる」(54%)といった身体的な不調が多く、「イライラする」(54%)、「憂鬱感」(50%)、「気分の落ち込み」(49%)といった精神的な不調も多い。

 現代人の「冷え」について警鐘を鳴らし、「冷え」についての著書も多い、東京有明医療大学の川嶋朗教授は日本内科学会認定総合内科専門医。春の不調について「激しい寒暖差や春特有の環境の変化(ストレス)などが原因となって、自律神経が乱れ、"だるい""イライラ""やる気がでない"などの症状が現れることがあります」と解説している。

 また、「昼間眠い」「目覚めが悪い」「夜眠れない」などの睡眠の不調も「春バテ」の特有の症状だという。
春には自律神経が乱れ「春バテ」になりやすい
 「昨日は、暖かかったのに、今日は極寒といった前日との寒暖差がもっとも身体にこたえるのです。バテないためにも日頃の予防と対策が必要です」と川嶋氏は、注意を呼びかけている。

 実際に昨年の寒暖差について調べてみると、同じ週内で約15度も最高気温に差があることが分かった。また、日中の寒暖差も、春は大きい傾向にある。

 また春は、寒暖差が特に激しい季節で、身体は寒暖差に対応するため、交感神経が優位になり、「疲れ」や「だるさ」を感じやすくなる。また、冬から春になり、薄着になる機会が増えることで身体が冷えやすく、血行も悪くなりやすい。

 移動性高気圧が次々にやってきて低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わる時期でもあり、自律神経の切り替えがうまくいかなくなる。

 さらに春は、自身や家族の生活が大きく変化する季節(入学・卒業・進学・転勤・異動・新生活スタート・育休後の復職など)。知らず知らずのうちに緊張感やストレスが生じ、自律神経が乱れ、「春バテ」になりやすくなる。

 ここに花粉症などの体質的要因が加わると、新生活によるストレスと花粉症によるストレスが重なり、精神的なダメージも受けやすくなる。
「自律神経を整える春バテ解消法」を紹介
 同協会は、川嶋教授監修の「自律神経を整える春バテ解消法」を紹介。自律神経は血管、汗腺、消化器や循環器など、身体中の全ての器官をコントロールしており、この働きが乱れると、だるさや痛みなど、さまざまな身体の不調が起きてしまうという。

● 交感神経と副交感神経の切り替えをスムーズにする

 春バテの予防と対策は、自律神経を整え、交感神経と副交感神経の切り替えを適正かつスムーズに行うことだ。また、ストレスをためずにリラックスを心がけ、寒暖差を感じにくい生活をして、もしも冷えてしまったら身体を温めるようにすることが大切だ。

● 目もと温める アイマスクや蒸しタオルを使用

 目もとを心地よく温めると、短時間で副交感神経が優位になり、リラックスできます。目もとが気持ち良いと感じる約40度が最適。温めには蒸気を伴うアイマスクや蒸しタオルを使おう。蒸気は乾いた熱に比べて、深く広く温めることができる。

● 目もとを温めると副交感神経が優位に

 リラックスした状態かどうかは、光を見た時に瞳孔が反射的に縮む程度で分かる。瞳孔は自律神経によって制御されており、一般的に副交感神経が優位になると、光を見た時に瞳孔の直径がより小さく(縮瞳率が大きく)なる。

 花王の調査では、約40℃の蒸気で10分間目もとを温めると、縮瞳率が増加。副交感神経が優位になり、リラックス状態になったことが示された。

● 週5日以上炭酸入浴でリラックス

 体温、血圧、心拍数を穏やかに変化させる入浴を一定期間継続する。炭酸ガス入りの入浴剤を入れた38~40度のお湯に10~20分浸かる炭酸入浴を週5日以上目安に続けると、ぬるめのお湯での炭酸入浴は自律神経を整え、身体をリラックスモードにしてくれるという。

● 衣類での温度調整は必要不可欠

 毎日の温度変化に身体を適応させるため、衣類での温度調整は必要不可欠だ。とくに、春は薄着になりがちなので、冷え対策としてストールやカーディガン、肌に直接貼るタイプの温熱シートなどを常に携帯しよう。

● 副交感神経を優位にし心身をリラックス

 スムーズで深い眠りを誘うには、副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせる必要がある。就寝前に短時間で温かい温度を感じやすい目もとや首もとを心地良く温めることで、副交感神経が優位になり、リラックスできる。

 また、血行も良くなるので、しばらくすると手足の先から放熱して体温が下がってくる。この落差が眠気を誘い、ぐっすりと眠ることができる。

 また、眠る前にアロマオイルでマッサージをしたり、ハーブティーなどを飲んだり、音楽を聴いたりするなど、リラックスを心がけよう。

 「ウーマンウェルネス研究会」(代表:対馬ルリ子・産婦人科医、対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座院長)は、現代女性のライフステージごとに異なる様々な心身の不調を解消し、女性が健康で豊かな生活を送り充実した人生を実現することを願って、医師や専門家、企業が集い、2014年に発足。花王、カーブスジャパン、パナソニックが協賛している。

ウェルラボ(ウーマンウェルネス研究会 supported by Kao)
© 2014 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

「なぜ運動が良いのか」メカニズムを解明 筋肉ホルモンが心臓を保護 2018.10.03
サッカーで糖尿病を予防 サッカーは骨を丈夫にできる最適な運動 2018.10.02
加齢や健康について周囲に話せるシニアは「幸せ度」が高い 意識調査 2018.10.02
乳がんの新たな検査法を開発 マンモグラフィーの欠点を克服 神戸大 2018.10.02
【9/10〜9/16は自殺予防週間】SNS(LINE・チャット)相談できます! 2018.09.13
「ミドリムシ」の成分が血糖値の上昇を抑制 期待できる健康効果 2018.09.13
糖尿病患者さんに向けて「血糖トレンド」啓発キャンペーンを始動 2018.09.06
「コーヒーは健康に良い」は本当か 何杯までなら飲んで良いのか? 2018.08.30
「第4回がん撲滅サミット」を11月18日(日)に東京ビッグサイトで開催 2018.08.30
介護予防に効果がある「百歳体操」の動画 大阪市が吉本興業と共同制作 2018.08.30
簡単な体力テストで糖尿病リスクが判明 握力やバランス感覚が重要 2018.08.24
「社会的な孤立」「閉じこもり」は危険 高齢者の死亡リスクが2倍超に 2018.08.07
「介護離職」が年間に9.9万人 働きながら介護は346万人 「介護離職ゼロ」の目標遠く 2018.08.07
世界の8.5億人が「腎臓病」 腎臓病の恐ろしさを知らない人が大半 2018.07.20
【健やか21】避難所生活で健康に過ごすための注意点(厚労省) 2018.07.20
「入浴」に健康増進のプラス効果 週5回以上の入浴が心血管を保護 2018.07.20
【健やか21】平成30年度 家族や地域の大切さに関する作品コンクール 2018.07.17
「熱中症」と「エコノミークラス症候群」を予防する方法 被災地で緊急課題に 2018.07.17
子育て中の親のスマホ依存が子どもに悪影響 スマホを置いて対話を 2018.07.17
「超加工食品」がメタボ・糖尿病・がんのリスクを高める 保健指導にも影響 2018.06.28
作りおきに「食中毒」リスク 冷蔵庫保管でも「においで判断」はNG 2018.06.28
「笑い」が糖尿病やメタボ、がんを改善 よく笑うと健康効果を得られる 2018.06.06
「ミドリムシ」からメタボを改善する成分 「痩せるホルモン」を促進 2018.06.06
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化 2018.05.02
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を 2018.05.02
【連載紹介】何をどう食べるか―体験から得た震災時の食の"知恵袋" 2018.05.02
「プロポリス」が認知機能の低下を抑制 7年間の国際研究で判明 2018.04.27
【健やか21】平成30年度「児童虐待防止推進月間」の標語を募集します! 2018.04.27
夏の夜は「心筋梗塞」の増加に注意 季節の日照時間によって発症に差 2018.04.26
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」 2018.04.19
Copyright ©1998-2013 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。
日本臨床内科医会プロジェクト
大人の健康生活ガイド facebook
更新情報配信中!
あなたの年代の“平均余命”
知っていますか??
お住まいの地域の「健康リスク」
“死因別死亡率”
病気別ガイド - 原因・症状・対策 -
あなたの脳は大丈夫?

第11回 読み書き「難読漢字・花偏」

難読漢字の読みに挑戦する問題です。何故そのような漢字になったのか調べてみるのも脳の活性化につながります。(2013/2/20)

 続きはこちら