階段運動はコーヒーを飲むより効果的 たった10分の運動で活力が向上
2017.05.02
 カフェインの入ったコーヒーやお茶を飲むことで、仕事への集中力を高め、気分転換やリラックスをはかろうとする人は多い。しかし、米国のジョージア大学の新しい研究によると、階段を昇降する運動によって、カフェインの摂取以上に強い効果を得られるという。
10分間の階段の昇降で活力を得られる
 コーヒーを飲むよりも、身近な場所で10分間の階段の昇降をした方が、眠気覚ましや活力を得られる効果が増すことが、ジョージア大学の研究で明らかになった。コーヒー1杯におよそ50mgのカフェインが含まれるが、カフェインの摂取よりも運動の方が、効果が高いという。この研究は、学術誌「Physiology and Behavior」に発表された。

 「階段の昇降は身近でできる運動ですが、運動をしたあとでは、カフェインを摂取したときよりも、より精力的で活動的に感じられることが分かりました。それは運動の直後にのみ得られる感覚的なものですが、カフェインを50mg摂取するよりも効果が高かったのです。さらにはカフェインの摂取は、プラセボ(偽薬)を摂取した場合に比べ、大きな違いがないことが分かりました」と、ジョージア大学身体運動学部のパトリック オコナー教授は言う。

 オコナー教授らは、階段の昇降運動は、仕事の空いた時間にできる軽い運動であることに着目した。身近に階段があればいつでも行え、本格的な運動のようにトレーニングウェアに着替えたり、運動後にシャワーを浴びる必要もない。

 「屋外に出てウォーキングをすることもできますが、運動するには天候が向いていない場合もあります。階段は屋内にあるので、天候に左右されません。雨の日でも階段の昇降運動を行えます」と、オコナー教授は言う。

 「しかも、たいていのオフィスには階段があるので、手軽にアクセスでき、空いた時間に運動できるので、適応度も高いといえます。運動量も自由に調節できます。階段の昇降運動は付加価値の高い選択肢なのです」。
階段での運動なら毎日無理なく続けられる
 試験に参加したのは、毎晩の平均睡眠時間が6.5時間の女子大生18人だった。一般的なオフィスの勤務を想定し、立ち上がって運動をする頻度がほとんどないという環境で、1日中パソコンの前に長時間座って作業をしてもらった。

 日の間隔を空けて、参加者に▽カフェインを摂取する、▽プラセボを摂取する、▽階段の昇降運動をする(30階分ほどを10分かけて上がり降りする)という3パータンの行動をしてもらった。

 日中の作業はパソコンを使い、言語能力や認知能力を要するものだった。その結果、運動をしたときも、カフェインを摂取したときも、注意力や記憶力には大きな差は出なかったが、運動をすると作業へのモチベーションが向上することが分かった。

 たった10分間の階段を昇降する運動であっても、活力を向上でき、感情のエネルギーを強化できることが分かった。10分間という短い時間の運動が、心身にもたらす影響について調べた研究は過去にもある。

 「まとまった時間をとれなくとも、身近な階段で10分間の運動をするだけで効果を得られます。プールに泳ぎに行くのはなかなか大変ですが、階段での運動なら毎日無理なく続けられるのではないでしょうか」と、オコナー教授は指摘している。

Skip the caffeine, opt for the stairs to feel more energized(ジョージア大学 2017年4月19日)
Stair walking is more energizing than low dose caffeine in sleep deprived young women(Physiology and Behavior 2017年3月14日)
(mhlab)  
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