玄米は苦手? 「もち米玄米」なら大丈夫 血糖値スパイクを抑えられる
2017年6月 1日 13:49
第60回日本糖尿病学会年次学術集会レポート
 玄米が健康に良いことはよく知られているが、「硬くて食べにくい」と敬遠する人は少なくない。そんな人でも、「もち米玄米」なら無理なく食べられる。
 「もち米玄米」が血糖コントロールを改善するという研究が発表された。食後に血糖値が上昇する「血糖値スパイク」も抑えられることが判明した。米を主食とする日本人にとって嬉しい情報だ。
玄米が糖尿病を改善 血糖値を下げる効果
 玄米は、稲の果実である籾から籾殻のみを取り除いたもの。これに対して、ふだんよく食べている精白米は、玄米からぬかと胚芽を取り除いて胚乳のみの状態にしたものだ。

 玄米には食物繊維やビタミンB群をはじめ、豊富な栄養成分が含まれている。近年では、低GI(グリセミック インデックス)食品としても注目される。

 玄米の外皮は栄養価が高いため、精白米に比べ食物繊維が約6倍、ビタミンB1が約5倍、マグネシウムが約5倍多く含まれる。  ビタミンB1は糖質の代謝に欠かせない栄養素で、ビタミンB群が不足するとエネルギー不足になって疲れやすくなる。しっかりエネルギー消費をしてやせやすい体を作るためにも不可欠な栄養素だ。

 また、食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2つがあるが、玄米にはどちらも含まれている。豊富に含まれる食物繊維は、食後の血糖値の上昇を抑えてくれる。

 それに加えて、琉球大学の研究チームは、玄米に含まれる成分「γ(ガンマ)-オリザノール」に、インスリンの分泌を促進し、血糖値を下げる効果があることを明らかにした。この栄養成分が脳の中枢に作用し、食欲を抑えることも解明。玄米を食べると、自然に食事の好みが変化し、食べ過ぎを抑えられるという。

 玄米を摂取すると、2型糖尿病の発症予防の効果を得られるという研究も報告されている。

 玄米食は「完全食」とも言われており、玄米だけでも十分栄養が取れるほどだ。明治時代に、ビタミンB1を含まない精米された白米が普及し、副食を十分に摂らなかったため、「脚気」(かっけ)が流行した。脚気により多くの患者が出て、「国民病」と呼ばれていた。

 脚気の原因はビタミンB1の欠乏だ。当時の海軍軍医だった高木兼寛氏が、食事に玄米食を取り入れ、発症数を大きく減らすのに成功したのは有名な話だ。
「もち米玄米」はおいしく、無理なく続けられる
 このように健康に良いことが知れれる玄米だが、一般的には好んで食べられていない傾向がある。

 玄米が好まれない原因はいくつかある。そのひとつは硬さ(食感)。えぐみや匂いが気になるという人も少なくない。そうした玄米の欠点を解消する方法がある。それは、「もち米玄米」を使うというものだ。

 「うるち米」はふだん食べている普通のお米のこと。これに対して「もち米」は、お餅やお赤飯、おこわなどに使われるお米で、炊き上げると粘りの強いごはんになる。うるち米ともち米の違いは、「アミロース」と「アミロペクチン」という2つのデンプンの割合の差だ。

 うるち米はアミロースとアミロペクチンがおよそ2対8なのに対して、もち米はアミロペクチンのみでアミロースを含んでいない。このアミロペクチンがもち米の粘りのもとになる。

 アミロペクチンは水と一緒に加熱すると粘り気が出る性質があるため、多く含まれていれば粘り気のある米になる。

 「もち米玄米」は、もち米と玄米の長所を併せもつ新食感の米だ。玄米が「食べづらい」「においや食感が苦手」と感じている人も、無理なくおいしく食べられる。

 「もち米玄米」であれば、玄米特有の匂いも少なく、噛むほどにもち米の甘みと玄米本来のおいしさを実感できる。外はプチプチ、中はもっちりとした食感を楽しめる。
「もち米玄米」で血糖値が低下 コントロールが改善
 聖マリアンナ医科大学代謝・内分泌内科は、16人の2型糖尿病患者を対象に、「もち米玄米」を8週間摂取してもらう研究を行った。

 「もち米玄米」を摂取することで、24時間平均血糖値および食後血糖値が改善することが明らかになった。

 研究チームは、参加者を精白米を摂取するグループと、「もち米玄米」を摂取するグループに無作為に分けた。

その結果、「もち米玄米」を摂取したグループでは、HbA1cが7.5%から7.2%に改善した。食後30分の血糖値も、193.8mg/dLから172.3mg/dLに改善。

 インスリンの分泌の程度を示すCペプチドの曲線下面積の増加分(incremental AUC)も、31.3ng/ml・minから22.1ng/ml・minに改善した。

 2型糖尿病患者30人を対象とした別の試験では、「もち米玄米」は24時間の日内血糖変動も改善することが判明。

 嗜好性に関するアンケートを行った結果、おいしさを示すスコアは、白米、玄米と比べ「もち米玄米」が最高値を示した。

 「もち米玄米は血糖日内変動や食後の血糖値を改善することが明らかになった。食感についても患者の受け入れも良く、長期の継続も可能」と、研究者は述べている。

 「もち米玄米」は、玄米よりも食べやすく、血糖値が上がりにくくなり、糖尿病の改善に効果がある。ぜひ「もち米玄米」を試してみてはいかがだろう。

第60回日本糖尿病学会年次学術集会
White rice, brown rice, and risk of type 2 diabetes in US men and women(Archives of Internal Medicine 2010年9月13日)
© 2014 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

「なぜ運動が良いのか」メカニズムを解明 筋肉ホルモンが心臓を保護 2018.10.03
サッカーで糖尿病を予防 サッカーは骨を丈夫にできる最適な運動 2018.10.02
加齢や健康について周囲に話せるシニアは「幸せ度」が高い 意識調査 2018.10.02
乳がんの新たな検査法を開発 マンモグラフィーの欠点を克服 神戸大 2018.10.02
【9/10〜9/16は自殺予防週間】SNS(LINE・チャット)相談できます! 2018.09.13
「ミドリムシ」の成分が血糖値の上昇を抑制 期待できる健康効果 2018.09.13
糖尿病患者さんに向けて「血糖トレンド」啓発キャンペーンを始動 2018.09.06
「コーヒーは健康に良い」は本当か 何杯までなら飲んで良いのか? 2018.08.30
「第4回がん撲滅サミット」を11月18日(日)に東京ビッグサイトで開催 2018.08.30
介護予防に効果がある「百歳体操」の動画 大阪市が吉本興業と共同制作 2018.08.30
簡単な体力テストで糖尿病リスクが判明 握力やバランス感覚が重要 2018.08.24
「社会的な孤立」「閉じこもり」は危険 高齢者の死亡リスクが2倍超に 2018.08.07
「介護離職」が年間に9.9万人 働きながら介護は346万人 「介護離職ゼロ」の目標遠く 2018.08.07
世界の8.5億人が「腎臓病」 腎臓病の恐ろしさを知らない人が大半 2018.07.20
【健やか21】避難所生活で健康に過ごすための注意点(厚労省) 2018.07.20
「入浴」に健康増進のプラス効果 週5回以上の入浴が心血管を保護 2018.07.20
【健やか21】平成30年度 家族や地域の大切さに関する作品コンクール 2018.07.17
「熱中症」と「エコノミークラス症候群」を予防する方法 被災地で緊急課題に 2018.07.17
子育て中の親のスマホ依存が子どもに悪影響 スマホを置いて対話を 2018.07.17
「超加工食品」がメタボ・糖尿病・がんのリスクを高める 保健指導にも影響 2018.06.28
作りおきに「食中毒」リスク 冷蔵庫保管でも「においで判断」はNG 2018.06.28
「笑い」が糖尿病やメタボ、がんを改善 よく笑うと健康効果を得られる 2018.06.06
「ミドリムシ」からメタボを改善する成分 「痩せるホルモン」を促進 2018.06.06
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化 2018.05.02
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を 2018.05.02
【連載紹介】何をどう食べるか―体験から得た震災時の食の"知恵袋" 2018.05.02
「プロポリス」が認知機能の低下を抑制 7年間の国際研究で判明 2018.04.27
【健やか21】平成30年度「児童虐待防止推進月間」の標語を募集します! 2018.04.27
夏の夜は「心筋梗塞」の増加に注意 季節の日照時間によって発症に差 2018.04.26
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」 2018.04.19
Copyright ©1998-2013 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。
日本臨床内科医会プロジェクト
大人の健康生活ガイド facebook
更新情報配信中!
あなたの年代の“平均余命”
知っていますか??
お住まいの地域の「健康リスク」
“死因別死亡率”
病気別ガイド - 原因・症状・対策 -
あなたの脳は大丈夫?

第11回 読み書き「難読漢字・花偏」

難読漢字の読みに挑戦する問題です。何故そのような漢字になったのか調べてみるのも脳の活性化につながります。(2013/2/20)

 続きはこちら