日本の脳卒中の発症者は年間29万人 半分以上が死亡や介護が必要な状態に
2017年8月 7日 14:39
 日本の脳卒中発症者数の推計は年間約29万人に達することが、滋賀医科大学などの研究で明らかになった。脳卒中発症者の半分以上が死亡あるいは介護が必要な状態になっていることも判明。脳卒中の発症予防と発症後の早期治療が重要であることがあらためて示された。
全県の脳卒中のすべての発症を登録
 滋賀医科大学などは、日本の脳卒中の現状について明らかにするために、2012年度から滋賀県全県の脳卒中のすべての発症を登録する事業である「滋賀県脳卒中発症登録事業」(事業実施責任者:野和彦・滋賀医科大学脳神経外科学講座教授)を、滋賀県地域医療再生計画(三次医療圏)による脳卒中診療連携体制整備事業として実施している。

 この事業では、2011年1月1日以降の滋賀県内で脳卒中診療に関わる急性期および回復期医療機関および死亡小票のデータを用いて、すべての脳卒中発症を登録している。日本での地域疾患登録による脳卒中の発症率や、治療の現状、予後については限られた情報しかなく、大規模な地域疾患登録を行った報告は非常に少ない。

 研究チームは、同事業の2011年1月1日~12月31日までの1年間のデータを用いて解析を行った。2011年の脳卒中の発症者は計2,956人でうち初発は2,176人だった。うち脳梗塞は64%、脳出血は25%、くも膜下出血は9%であることが判明した。

 2010年の国勢調査人口を基準人口として性および年齢調整を行ったところ、発症率は人口10万人あたり、脳卒中全体が166であることが判明した。病型別では脳梗塞が107、脳内出血が42、くも膜下出血が15となった。
脳卒中発症者の半分以上が死亡あるいは介護が必要に
 滋賀県の発症率をもとに試算した結果、2011年に日本全国で約22万人が新規に脳卒中を発症、再発も含めると約29万人が発症したことが明らかになった。2011年の脳卒中死亡者数は全国で約12万人なので、その2.3倍の発症があるという。

 治療の現状では血管内治療あるいは脳外科的手術を受けた患者は9.1%だった。また73%の患者はリハビリテーションを受けていた。脳卒中発症者のうち退院時点で死亡した患者は17%、介護が必要であった患者は46%だった。

 日本では脳卒中発症者の半分以上が死亡あるいは介護が必要な状態になっていることも判明。日本の脳卒中死亡率は減少してきているが、脳卒中の発症予防と発症後の早期治療が重要であることがあらためて示された。

 研究成果は日本循環器学会の学会誌「Circulation Journal」オンライン版に発表された。

滋賀 脳卒中ネット(滋賀脳卒中データセンター)
滋賀医科大学
Incidence, Management and Short-Term Outcome of Stroke in a General Population of 1.4 Million Japanese: Shiga Stroke Registry(Circulation Journal 2017年6月3日)
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