「新型たばこ」に対し呼吸器学会が見解「健康に悪影響が出る可能性」
2017.12.01
 非燃焼・加熱式たばこや電子たばこは、「新型たばこ」とされており、「煙が出ない」「受動喫煙の危険がない」「従来の燃焼式たばこより健康リスクが少ない」というイメージがあり、急速に利用者が増えている。
 しかし、日本呼吸器学会は新型たばこについて、「健康に悪影響がもたらされる可能性がある」「使用者にとっても、受動喫煙させられる人にとっても、推奨できない」という見解を公式サイトで発表した。
「新型たばこ」が健康被害の低減につながるという考えには根拠がない
 非燃焼式・加熱式たばこや電子たばこは、従来型のたばこ製品(燃焼式たばこ)とは異なる「新型たばこ」とされる。日本呼吸器学会によると、新型たばこは大きく2種類に分かれる。

新型たばこの分類
1. 電子たばこ
(a) 液体(リキッド)を加熱してエアロゾルを発生させて吸引するタイプ
(b) 液体(リキッド)には、ニコチンを含むものと含まないもの、の2種類がある
ニコチンを含むもの(ENDS:electronic nicotine delivery systems)
ニコチンを含まないもの(ENNDS:electronic non-nicotine delivery systems)
注:海外ではニコチン入りリキッドが販売されている(ENDS)。一方、日本では、医薬品医療機器法(旧薬事法)による規制により、ニコチン入りリキッドは販売されていない。

2. 非燃焼・加熱式たばこ
(a) 葉たばこを直接加熱し、ニコチンを含むエアロゾル吸引するタイプ(商品名:iQOS、glo)
(b) 低温で霧化する有機溶剤からエアロゾルを発生させた後、たばこ粉末を通過させて、たばこ成分を吸引するタイプで、電子たばこに類似した仕組み(商品名:Ploom TECH)

出典:日本呼吸器学会公式サイト

 新型たばこは、たばこをやめられない人、あるいはやめる意志のない人にとっては、従来の燃焼式たばこの代替品になり、健康被害の低減につながるという考え方がある。

 これに対して、日本呼吸器学会は「これらの新型たばこの使用と病気や死亡リスクとの関連性についての科学的証拠が得られるまでには、かなりの時間を要する。現時点では明らかでなく、推測にすぎない」と、見解を示している。
使用者にとっても、受動喫煙させられる人にとっても、推奨できない
 さらに、新型たばこについて、「従来の燃焼式タバコに比べてタール(タバコ煙中の有害物質のうちの粒子成分)が削減されていますが、依存性物質であるニコチンやその他の有害物質を吸引する製品で、体内に有害物質が取り込まれているのは明らか」と指摘している。

 新型たばこの使用者の呼気を特殊なレーザー光で照射すると、大量のエアロゾルを呼出している、世界保健機構(WHO)では、「電子たばこのエアロゾルにさらされると、健康に悪影響がもたらされる可能性がある」と指摘している。

 燃焼式たばこの受動喫煙による健康リスクに対しては明確な科学的根拠があるが、新型たばこの受動喫煙による健康リスクについて証拠を得るにはかなりの時間を要する。

 「見えにくいエアロゾル」中には通常の大気中濃度を上回る有害物質があるので、「受動喫煙者の健康を脅かす可能性があると考えることが合理的」としている。

 WHOがレビューした複数の研究では以下のことが示されている――

(1)電子たばこ使用者の呼出煙中のニッケルやクロムなどの重金属濃度は、燃焼式たばこの呼出煙よりも高い。

(2)PM2.5、ニコチン、アセトアルデヒド、フォルムアルデヒドなどの濃度は燃焼式タバコの呼出煙中より低いが、通常の大気中濃度の14〜40倍(PM2.5)、10〜115倍(ニコチン)、2〜8倍(アセトアルデヒド)、20%(フォルムアルデヒド)、それぞれ高い。

 日本呼吸器学会は、「新型たばこは、従来の燃焼式たばこに比べてタールが削減されているが、依存性物質であるニコチンやその他の有害物質を吸引する製品」とした上で、「使用者にとっても、受動喫煙させられる人にとっても、非燃焼・加熱式タバコや電子たばこの使用は推奨できない」と強調している。

 さらに「特に呼吸器疾患をもつ患者や、冠動脈疾患をもつ患者などにとっては、有害な影響がでることが懸念される」と指摘している。

日本呼吸器学会
  喫煙の健康影響に関する資料(日本呼吸器学会公式サイト)より
(mhlab)  
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