体重増加の犯人は果物や野菜のジュースかも 毎日飲み続けるとどうなる?
2018.04.05
 ヘルシーなイメージのあるフルーツや野菜のジュース。「1本で1日分の野菜を摂取できる」という謳い文句が付けられた商品もある。でも、実際に飲み続けると、体にどんな変化が起こるのか? 意外な事実が明らかになった。
果物や野菜のジュースに含まれる「糖質」は意外に多い
 コンビニやスーパーなどでさまざまな種類のフルーツや野菜のジュースが販売されている。健康的なイメージがあるが、炭水化物(糖質)の量をチェックすると、意外に多く含まれているので注意が必要だ。

 オレンジジュース(濃縮還元ジュース)であると、100g当たりのカロリーは42kcal、糖質は10.7g、うち吸収の速い単糖が7.9含まれる。200mLのパックであれば糖質を20g以上摂取する計算になる。

 野菜ジュースも同様で、「炭水化物=糖質」と考えると、200mLのパックであれば15〜20g摂取することになる。おにぎり1個のカロリーは180kcalで、炭水化物が40g含まれる。果物ジュースだけでその半分を摂ってしまうことになる。

 果物の「天然の甘み」と聞くとヘルシーなイメージがあるが、天然かどうかは関係なく、やはり「糖質」は血糖値を上昇させるおそれがある。

 フルーツジュースも野菜ジュースも、液体なので、固形物をしっかり噛んで食べる場合よりも、より吸収が速く、血糖値を急激に上げてしまう危険性がある。

果物や野菜のジュースは「果物と野菜の代わり」にならない
 もし果物を食べるのであれば、ジュースにせずに、そのまま固形で食べることが勧められる。果物には食物繊維も含まれ、よく噛んで胃で分解され、小腸に少しずつ流れていき、栄養素が少しずつ吸収されていく。この過程を経ていく方が体には良い。

 果物も糖質が多めに含まれるので、糖尿病の人にとって食べ過ぎは良くないが、有用な栄養が多く含まれているので、甘い物が欲しくなった時の間食として適量であれば、ほとんどの場合で問題はない。気になる人は、かかりつけの医師や管理栄養士に、食べてもいいフルーツの適量を相談すると良い。
フルーツジュースを毎日飲むと糖尿病リスクが上昇
 「健康のために良い」と思って飲んでいるフルーツジュースが、実は健康を悪くしている可能性がある。ハーバード公衆衛生大学院が18万7,382人を対象にした調査で、市販のフルーツジュースを飲む人は糖尿病のリスクが増加することが明らかになった。

 調査の結果、ブルーベリー、ブドウ、レーズン、リンゴ、西洋ナシなどの果物を、週に3回食べていた人では、2型糖尿病を発症する割合が約10%低下したことが明らかになった。特にブルーベリー、ブドウ、リンゴを週に2回以上食べていた人では、まったく食べない人に比べて糖尿病のリスクが23%減少した。

 逆に、フルーツジュースを毎日飲む人では、糖尿病リスクは21%上昇していた。また、1週間に飲むフルーツジュースのうちの3回分を、果物をそのまま食べるように変更すると、糖尿病のリスクは7%減少した。

 野菜ジュースでも同じような調査結果が出ており、どんなに健康に良い食品でも、ジュースとして加工することで効果が減少することが示されている。
体重増加の隠れた犯人は「フルーツジュース」
 体重を増やしたくなければ、果汁100%でもジュースは避けた方が良いかもしれない。米国のバージニア メイソン医療センターの研究で、1日当たりの果汁100%ジュースの摂取量がコップ1杯分(約180mL)増えるごとに、3年間に体重が0.18kg増加することが分かった。

 研究チームは、大規模な前向きコホート研究である「女性健康イニシアチブ」に参加した閉経後の女性4万9,106人を対象に、3年間追跡して調査した。「食物繊維が少ないジュースを飲むと、糖分がすぐに血液中に取り込まれてしまい、インスリンの効きが悪くなり、代謝に悪影響が及ぶおそれがあります」と、同センターのブランドン アゥアバック氏は言う。

 逆に、果物そのものを食べると体重が減少する可能性も示唆された。果物を1日1回食べると3年間で約0.45kgの減量を期待できることが分かったという。
野菜や果物をジュースで摂取するのは勧められない
 「果物や野菜は皮を含めてまるごと食べることが大切で、食物繊維が含まれないフルーツジュースは勧められません」と、研究者は述べている。

 果物や野菜のジュースに含まれるのは果汁のみで、また果汁に含まれる糖質は、単糖類である果糖(フルクトース)であり、短時間に血糖値を上げやすい。一方、果物や野菜をまるごと食べると、食物繊維が豊富なために、消化吸収のスピードが遅くなり、血糖値の上昇は緩やかになる。

 ニンジン、ホウレンソウ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜と、キャベツ、レタス、タマネギなどの淡色野菜を約半量ずつ、これに食物繊維の豊富な根菜、海藻、キノコ類をプラスすれば、ビタミンやミネラル類、食物繊維などを満遍なく摂れる。

 これを機に、ジュースで一気に流しこんでしまうのではなくて、じっくり甘みを噛みしめながら、食べる楽しみを味わって、糖尿病から自分を守っていくようにしたい。

Skip the juice, go for whole fruit(ハーバード公衆衛生大学院 2013年8月29日)
Fruit consumption and risk of type 2 diabetes: results from three prospective longitudinal cohort studies(BMJ 2013年8月29日)
Study Led By Virginia Mason Physician Links Fruit Juice Consumption With Weight Gain(バージニア メイソン医療センター 2018年2月8日)
Association of 100% fruit juice consumption and 3-year weight change among postmenopausal women in the in the Women's Health Initiative(Preventive Medicine 2018年2月8日)
(mhlab)  
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