作りおきに「食中毒」リスク 冷蔵庫保管でも「においで判断」はNG
2018年6月28日 10:47
 見た目やにおいに変化がなくても食中毒が発生する可能性があることや、主婦の間で調理器具への除菌が浸透していないことが明らかになった
包丁・まな板・タッパーに菌が付いているケースが
 食中毒は見えない細菌との戦いだ。特に高温で湿度が高い夏や梅雨時は、食中毒を引き起こす細菌が増えやすい環境になるので、日頃から食材の扱いに注意が必要となる。

 家庭用洗剤などを手がけるジョンソンは、作り置き料理での食中毒菌の繁殖状況について検証し、全国の働く主婦を対象にインターネットでアンケートを実施した。

 加熱調理しても、その食材を菌がついたまな板の上や包丁で切ったり、菌のついたタッパーに保存したりすると、作りおき料理に菌がついてしまう可能性がある。見た目やにおいに変化がなくても食中毒が発生する量の菌が存在している可能性があることや、主婦の間で調理器具への除菌が浸透していないことが明らかになった。

 たとえまな板・包丁・タッパー等の調理器具を食器用洗剤で洗っても、菌が付着したふきんなどで拭いた場合は、同様のリスクがある。厚生労働省が推奨する食中毒対策にも、調理器具の消毒が挙げられている。
菌が付着していても見た目やにおいでは分からない
 検証では、作りおきをする際の調理器具(包丁・まな板・タッパー)に食中毒リスクがある菌(黄色ブドウ球菌)が付着していたケースを想定し、長期保管時の菌の増殖を調べた

 菌が付着した包丁・まな板を用いて、加熱調理した鶏肉を切り分け、タッパーに入れた状態で冷蔵庫で7日間保管した。その結果、初日には料理に食中毒が発生するレベルの菌が付着しており、その量の菌が7日間付着し続けていても、鶏肉の見た目には変化がみられなかった

 食中毒菌は少量の付着でも食中毒を引き起こす可能性があり、見た目やにおいにはほとんど影響がなくても、注意が必要であることが明らかになった。
調理器具への対策はまだ浸透していない
 また、梅雨時に「作り置き」を行い、食中毒対策をしていると回答した20〜40歳代の働く主婦1,000人を対象に、食中毒を防ぐための具体的な対策を聞いた。

 その結果、「肉、魚、卵などを取り扱うときは、取り扱う前と後に必ず手指を洗う」(73.9%)、「時間が経ちすぎたものは思い切って捨てる」(71.8%)などが上位に上がったが、まな板・包丁・タッパーなどの調理器具を除菌・殺菌しているという人は10%を切っており、調理器具への対策はまだ浸透していないことが分かった。

 さらに、食中毒対策として調理器具にアルコール除菌をしている人にそのタイミングを聞いたところ、「使用後、洗って乾いた後に吹きかける」(42.5%)、「使用後、洗って濡れた状態のうちに吹きかける」(28.8%)と、使用後が多かった。
「作りおき」での食中毒対策 調理器具への対策が課題
 調査結果について、今回の検証と調査を監修した衛生微生物研究センター主席研究員の李新一氏は、「加熱調理で除菌した料理も、汚染された調理器具に触れると、再度細菌が付着し、食中毒リスクが 高まってしまいます。調理器具に細菌が付着しているかどうかは肉眼で判断できないため、調理器具は適宜アルコールや熱湯などの適切な方法で除菌し、食中毒リスクを高めないように心がけましょう。」と述べている。

 加えて、「乾いた状態で吹きかけることで、アルコール濃度の高い状態が保たれ、より除菌効果を発揮します。アルコール除菌剤を食中毒対策として使用する際には、"使用直前"に"調理器具が乾いた状態"で吹き付けるのがもっとも効果的です」とアドバイスしている。

 忙しい人には便利でありがたい作り置き料理だが、調理後は食材を冷蔵庫で保存しても細菌は増えてしまう。しっかり除菌をする、料理はなるべく早めに食べるようにするなど、食中毒対策を講じた上で活用したい。

ジョンソン
© 2014 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

「なぜ運動が良いのか」メカニズムを解明 筋肉ホルモンが心臓を保護 2018.10.03
サッカーで糖尿病を予防 サッカーは骨を丈夫にできる最適な運動 2018.10.02
加齢や健康について周囲に話せるシニアは「幸せ度」が高い 意識調査 2018.10.02
乳がんの新たな検査法を開発 マンモグラフィーの欠点を克服 神戸大 2018.10.02
【9/10〜9/16は自殺予防週間】SNS(LINE・チャット)相談できます! 2018.09.13
「ミドリムシ」の成分が血糖値の上昇を抑制 期待できる健康効果 2018.09.13
糖尿病患者さんに向けて「血糖トレンド」啓発キャンペーンを始動 2018.09.06
「コーヒーは健康に良い」は本当か 何杯までなら飲んで良いのか? 2018.08.30
「第4回がん撲滅サミット」を11月18日(日)に東京ビッグサイトで開催 2018.08.30
介護予防に効果がある「百歳体操」の動画 大阪市が吉本興業と共同制作 2018.08.30
簡単な体力テストで糖尿病リスクが判明 握力やバランス感覚が重要 2018.08.24
「社会的な孤立」「閉じこもり」は危険 高齢者の死亡リスクが2倍超に 2018.08.07
「介護離職」が年間に9.9万人 働きながら介護は346万人 「介護離職ゼロ」の目標遠く 2018.08.07
世界の8.5億人が「腎臓病」 腎臓病の恐ろしさを知らない人が大半 2018.07.20
【健やか21】避難所生活で健康に過ごすための注意点(厚労省) 2018.07.20
「入浴」に健康増進のプラス効果 週5回以上の入浴が心血管を保護 2018.07.20
【健やか21】平成30年度 家族や地域の大切さに関する作品コンクール 2018.07.17
「熱中症」と「エコノミークラス症候群」を予防する方法 被災地で緊急課題に 2018.07.17
子育て中の親のスマホ依存が子どもに悪影響 スマホを置いて対話を 2018.07.17
「超加工食品」がメタボ・糖尿病・がんのリスクを高める 保健指導にも影響 2018.06.28
作りおきに「食中毒」リスク 冷蔵庫保管でも「においで判断」はNG 2018.06.28
「笑い」が糖尿病やメタボ、がんを改善 よく笑うと健康効果を得られる 2018.06.06
「ミドリムシ」からメタボを改善する成分 「痩せるホルモン」を促進 2018.06.06
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化 2018.05.02
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を 2018.05.02
【連載紹介】何をどう食べるか―体験から得た震災時の食の"知恵袋" 2018.05.02
「プロポリス」が認知機能の低下を抑制 7年間の国際研究で判明 2018.04.27
【健やか21】平成30年度「児童虐待防止推進月間」の標語を募集します! 2018.04.27
夏の夜は「心筋梗塞」の増加に注意 季節の日照時間によって発症に差 2018.04.26
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」 2018.04.19
Copyright ©1998-2013 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。
日本臨床内科医会プロジェクト
大人の健康生活ガイド facebook
更新情報配信中!
あなたの年代の“平均余命”
知っていますか??
お住まいの地域の「健康リスク」
“死因別死亡率”
病気別ガイド - 原因・症状・対策 -
あなたの脳は大丈夫?

第11回 読み書き「難読漢字・花偏」

難読漢字の読みに挑戦する問題です。何故そのような漢字になったのか調べてみるのも脳の活性化につながります。(2013/2/20)

 続きはこちら