子育て中の親のスマホ依存が子どもに悪影響 スマホを置いて対話を
2018.07.17
 子育て世帯の親が、子どもの世話に行き詰って、スマートフォンなどを使ってストレスを解消しようとすると、子どもに悪影響を及ぼす可能性があるという研究が、ミシガン大学とイリノイ大学の研究チームによって発表された。
 「スマートフォンなどの電子機器を使い過ぎると、かえってストレスが増すことがあります」と、研究者は注意を呼びかけている。
スマートフォンなどが原因の「テクノフェレンス」
 テレビ、コンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの電子機器は、現代人の生活に欠かせないアイテムになっているが、ときにはメンタル面で障害を引き起こすこともある。

 米国で「テクノフェレンス」(Technoference)という言葉が注目されている。電子機器によって、日常での対話が中断され、生活に悪影響が及ぶことと理解されている。

 食事や遊び、就寝といった子どもの家庭での行為は、子どもの社会的・情緒的な人格を形成するために重要な意味をもつ。その最中に、親がスマートフォンやテレビなどに夢中になっていると、長期的に子どもに大きな影響を与える可能性がある。

 米国人は平均的に、テレビやスマートフォンの使用に、1日に9時間を費やしている。親がそうしたデバイスに夢中になっていると、親子の対話が減るだけでなく、子どもが攻撃的なふるまいをすることもあるという。

関連情報
親のテクノフェレンスが原因で子どもが問題行動を
 「子どもは親のテクノフェレンスを敏感に感じとり、吸収してしまうおそれがあります。その結果、子どもが親の注意を引こうとして問題行動を起こすことが増えます」と、ミシガン大学医学部のジェニー ラデスキィ氏は指摘する。

 「親がテクノフェレンスを抱えていると、その影響を受けて子どもの外在的な行動が増え、時間の経過とともに互いに影響が深まる可能性があります。今回の研究ではそれを確かめようとしました」としている。

 研究では、5歳以下の子どもをもつ183組の両親を対象に、6ヵ月にわたりオンライン調査を4回実施した。調査では、両親にテレビやスマホ、タブレット、パソコンなどの電子機器を子どもといっしょにいる間に使用する頻度やストレスの程度、子どもの問題行動について尋ねた。

 その結果、ほとんどの親が、子どもと過ごしている間に少なくとも1日に1回は電子機器を使用していた。親は子どもが問題行動を起こすと強いストレスを感じ、そのストレスが大きいほど電子機器をよく使用していることが分かった。

 また、親が電子機器を使用するほど子どもと向き合う時間が減り、時間の経過に伴って子どもの問題行動は悪化することも明らかになった。
電子機器によるストレスが子育ての邪魔に
 親にとっては、スマートフォンなどが面倒な子どもの世話からの避難所になっているかもしれない。また、スマートフォンから得た知識が子育ての役に立つこともある。

 しかし、今回の調査では多くの場合で逆の効果があることがわかった。電子機器は、大切な感情的なサポートと肯定的なフィードバックを子供に与えるのを邪魔することが多かった。

 その結果、子どものフラストレーションは募り、欲求不満、わがまま、すねる、かんしゃくを起こすといった異常行動が目立つようになった。

 「外在的な問題を抱える子どもの親は、そのことでストレスを受けるようになり、ますます電子機器に没頭し、結果として子どもの問題行動がさらに増えるという悪循環に陥るおそれがあります」と、研究を共同して行ったイリノイ大学のブランドン マクダニエル氏は言う。

 「スマートフォンなどに手を延ばすのを控え、子どもと向かい合う時間を増やすことが大切です。子どもと質の高い濃密な時間をなるべく多く過ごすことで、良好な親子関係を築けます」と、ラデスキィ氏はアドバイスしている。

Digital devices during family time could exacerbate bad behavior(Springer 2018年6月13日)
Technoference: Longitudinal Associations between Parent Technology Use, Parenting Stress, and Child Behavior Problems(Pediatric Research 2018年6月13日)
(mhlab)  
© 2014 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

「熱中症」と「エコノミークラス症候群」を予防する方法 被災地で緊急課題に 2018.07.17
子育て中の親のスマホ依存が子どもに悪影響 スマホを置いて対話を 2018.07.17
「超加工食品」がメタボ・糖尿病・がんのリスクを高める 保健指導にも影響 2018.06.28
作りおきに「食中毒」リスク 冷蔵庫保管でも「においで判断」はNG 2018.06.28
「笑い」が糖尿病やメタボ、がんを改善 よく笑うと健康効果を得られる 2018.06.06
「ミドリムシ」からメタボを改善する成分 「痩せるホルモン」を促進 2018.06.06
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化 2018.05.02
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を 2018.05.02
【連載紹介】何をどう食べるか―体験から得た震災時の食の"知恵袋" 2018.05.02
「プロポリス」が認知機能の低下を抑制 7年間の国際研究で判明 2018.04.27
【健やか21】平成30年度「児童虐待防止推進月間」の標語を募集します! 2018.04.27
夏の夜は「心筋梗塞」の増加に注意 季節の日照時間によって発症に差 2018.04.26
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」 2018.04.19
ご存知ですか?「紫外線」 紫外線に打ち勝つ4つの方法 2018.04.12
体重増加の犯人は果物や野菜のジュースかも 毎日飲み続けるとどうなる? 2018.04.05
女性の「痩せ」志向は不健康 スポーツを通じて女性の活躍を促進 2018.04.05
「大災害を生き抜くための食事学」 震災後に求められる備蓄食11の条件 2018.03.07
経産省が東証と「健康経営銘柄2018」を選定〜健康経営に優れた企業を投資家に紹介!  2018.03.07
【健やか21】 自殺対策強化月間の特別企画ページ開設(厚生労働省) 2018.03.07
働く女性が悩まされる「首こり」 春から初夏にリスクが増加 2018.03.07
「足の冷え」「むくみ」は血管の老化が原因 足の動脈硬化を改善 2018.02.15
気温差が大きいと「脳卒中」のリスクが上昇 季節の変わり目に注意 2018.02.15
いま知っておきたい「花粉症」対策 治療の基本を知って乗り切ろう 2018.02.15
楽しくできる「インターバル運動」で脳を活性化 体力が低下した人にも有用 2018.02.02
高齢者独居が4人に1人に 進む未婚・少子化 日本の世帯数の将来推計 2018.02.02
大人の風しん抗体検査とワクチン接種を呼びかけ〜東京都福祉保健局 2018.01.17
管理栄養士の9割が「おやつを食べる」 食べたときは次の食事で調整 2018.01.17
緑色の葉物野菜を毎日食べると認知能力の衰えを抑えられる 2018.01.17
「ビワの種」に天然の有害物質 「食べないで」と農水省が注意喚起 2017.12.21
加熱式たばこも血管には有害 血管内皮機能が低下 「iQOS」で実験 2017.12.21
Copyright ©1998-2013 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。
10月8日は、糖をはかる日
大人の健康生活ガイド facebook
更新情報配信中!
あなたの年代の“平均余命”
知っていますか??
お住まいの地域の「健康リスク」
“死因別死亡率”
病気別ガイド - 原因・症状・対策 -
あなたの脳は大丈夫?

第11回 読み書き「難読漢字・花偏」

難読漢字の読みに挑戦する問題です。何故そのような漢字になったのか調べてみるのも脳の活性化につながります。(2013/2/20)

 続きはこちら