「入浴」に健康増進のプラス効果 週5回以上の入浴が心血管を保護
2018.07.20
 気温が高い日が続くと、湯船でお湯につかる入浴ではなく、シャワーを浴びるだけで済ませる人が増える。しかし、入浴には、体を清潔にしてリフレッシュするだけではない、プラスの効果がある。
 半身浴でも十分なので、気持ち良いと感じる温度でしっかり温まると効果的だ。
入浴するとリラックスできるのはなぜか?
 入浴して、意識的に手足を温めることで、心の緊張がほぐれ、深くリラックスすることができるのは、自律神経の働きによるものだ。

 ストレスがあり緊張しているときには、自律神経の中の交感神経が活性化し、血管が収縮して手足が冷たくなる。反対にリラックスするためには、もう一方の副交感神経が活性化することが必要となる。

 入浴して手足を温かくすると、血管が広がり血流が増加し、副交感神経が刺激される。

 また、動脈硬化は血管内皮の機能低下から始まると考えられているが、適度な温度の温浴により、血管内皮の機能を高める効果も期待できる。
入浴に血栓ができるのを予防する効果
 さらには、入浴には血栓ができるのを予防する効果もある。血栓とは血管内にできる血の塊のこと。血栓ができ、脳や心臓の血管に詰まると、脳梗塞や心筋梗塞が引き起こされる。

 血管の内側の壁からは、血栓を溶かす働きのある「t-PA」という物質が分泌されている。t-PAの分泌に、入浴するお湯の温度が影響することが分かってきた。

 群馬大学の調査によると、t-PAは入浴するお湯の温度が39〜41℃で増加し、適度な温度であれば分泌が増えることが分かった。そのため、適度のお湯に入浴すると血栓が形成されにくくなると考えられる。また、入浴後には血圧が低下した状態を持続することも分かっている。こうした影響は入浴後6時間ほど持続する。
週5回以上の入浴が動脈硬化リスクを低減
 週5回以上の入浴習慣は、動脈硬化のリスクを低減し、心機能を改善するなど心血管の保護作用をもたらすことが、愛媛大学社会共創学部の小原克彦教授らの研究グループによって明らかにされた。

 温浴には、温熱効果とともに水圧の効果があり、末梢血管内の血液が身体の中心部に集まって心機能の改善をもたらすという。

 研究グループは今回、中年期以降の日本人を対象に、温浴の習慣と動脈硬化や心負荷の指標との関連を調べる研究を実施した。

 今回の研究では、2006〜2013年に同大学附属病院抗加齢・予防医療センターの抗加齢ドックを受診した1,593人を対象にアンケート調査を実施。回答が得られた873人を対象に解析した。
入浴が心血管病や死亡のリスクを低下させる
 動脈硬化の指標として「頸動脈内膜中膜厚」(IMT)と上腕-足首間脈波伝播速度(baPWV)を測定し、心機能(心負荷)の指標として「B型ナトリウム利尿ペプチド」(BNP)の血中濃度を測定した。

 対象者を入浴の頻度で3群に分けて比較したところ、入浴頻度が週に5回以上の群では、週に4回以下の群と比べて、baPWV、血中BNP濃度が低いことが分かった。

 また、湯温が熱めの群では、頸動脈最大IMTおよびbaPWVの経年性の増加が小さい傾向がみられた。

 「日本人に多く見られる入浴が心血管病や死亡のリスクの低下と関連している可能性がある」と、研究者は述べている。

愛媛大学社会共創学部
Habitual hot water bathing protects cardiovascular function in middle-aged to elderly Japanese subjects(Scientific Reports 2018年6月21日)
(mhlab)  
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